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スペックアップしたiPhone 11シリーズのバッテリー性能を解説
2019年9月17日 11:20
2019年のiPhoneは2018年の3モデルを踏襲した後継機種となる。見た目も機能もそこまで大きく変わっておらず、もっとも大きな変化はカメラだが、細かく見ると実はバッテリーの持続時間が伸びている。この記事ではそんなバッテリーや充電機能について、2019年のiPhoneのスペックを解説する。
2019年モデルはバッテリー改善、ただしProモデルは重たく……
まず2019年モデルと2018年モデルのバッテリー持続時間と本体重量を表にしてみた。バッテリー持続時間としては、アップルが公表している「ビデオ再生(ワイヤレス)」の数値を引用している。
機種名 | 再生時間 | 本体重量 |
iPhone 11 | 17時間 | 194g |
iPhone XR | 16時間 | 194g |
iPhone 11 Pro | 18時間 | 188g |
iPhone XS | 14時間 | 177g |
iPhone 11 Pro Max | 20時間 | 226g |
iPhone XS Max | 15時間 | 208g |
2018年の3モデルでは、スタンダードモデルのiPhone XRの16時間が最長で、歴代最長でもあった。iPhone XSとiPhone XS Maxはそれより若干バッテリー持続時間が短い。
2019年の3モデルでは、iPhone 11は前モデルよりも1時間伸びたものの、iPhone 11 Proは4時間、iPhone 11 Pro Maxは5時間も伸び、スタンダードモデルよりもProモデルの方がバッテリーの持ちが良くなっている。とくにiPhone 11 Pro Maxの20時間は、歴代iPhoneでもぶっちぎりの最長スペックとなる。
その一方で、スタンダードモデル(iPhone 11)は前モデルから重量増はないが、Proモデルは前モデルから11g~18g増えている。これは手に持ったときに違いが体感できるレベルだ。アップルはバッテリーの容量自体を公表しないのであくまで予測に過ぎないが、Proモデルでは前モデルよりも大きなバッテリーを搭載している可能性が高い。
現行モデルはすべてワイヤレス充電・高速充電に対応
iPhone 8以降のモデルはすべてワイヤレス充電と高速充電に対応している。ワイヤレス充電はQi規格に対応していて、サードパーティー製のQi充電器を利用できる。
2019年モデルで新しくなったポイントとしては、ハイエンドモデルのiPhone 11 ProとiPhone 11 Pro Maxのみ、高速充電に対応した「18W USB-C電源アダプタ」と「USB-C - Lightningケーブル」が同梱される。別途買うとそこそこの価格なので、同梱されるのはありがたいポイントだ。
高速充電としては、USB PD規格に対応している。USB PD規格対応の充電アダプタとUSB Type-C - Lightningケーブルを利用することで、30分で最大50%の充電が可能だ。
筆者が残量60%未満のiPhone 8で試したところ、15Vで0.5~0.8Aの充電ができた。満充電近いときは5Vで充電するようで、電池残量が7割未満くらいでないと充電電圧を上げないようである。
Androidスマートフォンでは満充電に近くても電圧を高める機種が多いが、iPhoneは少し考え方が違うようだ。ちなみにほかのスマートフォン同様、充電電圧がどうなっているか、テスターを用意しないと知ることはできない。
有機ELによる節電効果も? ドラクエウォーカーはProにするべきか!?
2019年モデルのiPhoneを比較すると、スタンダードモデルのiPhone 11は液晶ディスプレイ、ハイエンドモデルのiPhone 11 ProとiPhone 11 Pro Maxは有機ELディスプレイという違いがある。
液晶は表示内容にかかわらず、輝度が同じならば消費電力はほぼ変わらない。しかし有機ELはその原理上、表示が全体的に暗ければ暗いほど、消費電力が少なくなる。
そしてiOS 13では画面全体を暗い色調とする「ダークモード」が追加される。これはUIを黒地に白い文字など暗い色調に変更する機能だ。もともとは暗い場所で使うときなどに目を疲れさせないことを目的としている。筆者もmacOSのエディタはダークモードにしている。目が疲れにくいのと、発表会や飛行機の機内など暗い場所で使いやすいからだ。
このダークモード、有機ELモデルで利用すれば、消費電力を減らせる可能性がある。実際にどのくらい効果があるかは正直微妙なところだが、やらないよりは確実に良くなるはずだ。
ちょっと変わったところでは、最近サービスが開始された位置ゲーム「ドラゴンクエストウォーカー」のバッテリーセーバー機能と有機ELの相性も良い。ドラゴンクエストウォーカーでは、この機能をオンにしてiPhoneを上下逆にすると、アプリの表示がほぼ真っ黒になる。有機ELならばバッテリー消費はかなり減らせるはずだ。
同様の機能はほかの位置ゲーム、たとえば「Pokémon GO」や「ハリー・ポッター:魔法同盟」にも搭載されている。これらのゲームのヘビープレイヤーであれば、有機ELモデルに買い換える価値があるかも知れない。