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KDDI、「映像×5G」の法人向けソリューションを2020年3月から提供

 KDDIは、5Gと高精細映像、AIを組み合わせた法人向けソリューションを2020年3月から提供する。また、ビジネス開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」を通じて、2019年11月から5Gトライアル環境を提供する。

 提供サービスの第1弾は、「映像×5G」がテーマ。高精細映像と画像認識による「AIカメラ」、来場者の属性に合わせたコンテンツ配信ができる「Intelligent Display」、ヘッドマウントディスプレイなどが不要な裸眼3Dという3種類のサービスを提供する。2020年3月のサービス開始までには、第2弾、第3弾のサービスも追って発表される。

 高精細のカメラ映像を5Gで伝送、クラウド上で画像認識を行う「AIカメラ」は、小売、飲食、交通業界がターゲット。たとえば、買物客の滞在時間の把握、飲食店の空席検知、線路上に転落した人や物の検知といったユースケースを想定している。

 同様のシステムは4Gでも構築できるが、特に映像伝送に時間をかけられないリアルタイムで動く必要がある用途の場合、高速な5Gのほうが高解像度の映像を扱えるようになり、4Gでも対応可能な解像度まで落とした場合と比べて認識精度を向上できるという利点がある。

 「Intelligent Display」は、ユーザーの属性に合わせたOne to Oneマーケティングができるデジタルサイネージ。AIカメラと同様に映像伝送と画像認識を利用したサービスで、商業施設などでの利用を想定。カメラの前を通った人の年齢や性別といった属性を判断し、コンテンツを出し分けることができる。

 裸眼3Dディスプレイを用いたサービスは、店舗における商品のバーチャル展示、教育機関や美術館、博物館などでの利用を想定している。センサーと連携して、ディスプレイに表示された3Dモデルを手に取るように、さまざまな角度から見られる。

 このような機材をローカル環境で動かす場合、「ワークステーション級のマシンが必要」だといい、クラウド上で処理して5Gで映像を配信することで、筐体の小型化、運用現場の負荷低減につながる。

 同社は、2001年に開始された「ココセコム」などから、20年近くに渡ってIoT事業に取り組んできた。法人向けM2M/IoTの契約回線数は近年急速に増え、中でも数百万回線に及ぶガススマートメーターの導入事例は、LPWAサービスとしては国内最大の規模だという。

 このような実績に加えて、ビジネスにIoTを活用する上で必要なものをワンストップで提供できる体制を強みとする。5Gにおいても従来通り、通信だけでなく、センサーやデバイスやクラウドサービスなどをパッケージ化して提供していく。