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美容室の鏡がスマートデバイスに、「MirrorRoid」がもたらすメリット

 美容室向けのスマートミラー「MirrorRoid」を手がけるミラーロイドは9日、本格展開に向けて、導入を検討する美容業界関係者などを対象としたローンチイベントを開催した。

 MirrorRoidは美容室の鏡(セット面)にAndroidが動作するスマートデバイスを組み込んだもので、さまざまな情報表示やスマートフォンとの連携ができる。

 イベントの会場となった「tricca 銀座」は3月末にオープンした新店舗で、全席にMirrorRoidを先行導入している。顧客にとっての利便性を高めると同時に、客単価アップの効果も出ているという。

「MirrorRoid」でできること

 MirrorRoidは、施術前、施術中、施術後の3段階すべてをサポートする機能を備えている。

 カット前には髪型を選ぶためのヘアカタログを表示でき、インカメラを使ったシミュレーションも可能。施術中は鏡として利用するが、画面下部には動画広告を再生できるスペースがあり、店舗がおすすめする追加メニューなどを提案できる。

 スマートフォンとの連携機能としては、ヘアカタログで見つけたお気に入りのヘアスタイルを保存しておいたり、カット後の状態をMirrorRoidのカメラで撮影して、次回以降の参考にしたりできる。

 また、動画も撮影できるので、たとえば美容師によるセットの様子を動画に残しておき、自宅でお手本として動画を見ながらセットするといった活用法もある。

「MirrorRoid」の狙いと今後の展開

 MirrorRoidを導入するメリットのひとつは、顧客のニーズを拾い上げる「カウンセリング」の効率化。顧客にとっては希望に沿った施術を受けやすくなり、経験の浅いスタイリストにとっても細かな要望に応えるコミュニケーションを取りやすくなる。スマートフォンとの連携機能はリピート率の向上にもつながる。

 情報分析やマーケティングなどデジタルの部分で、美容業界が抱える課題を解決するシステムを目指し、今後も機能をアップデートしていく。導入時期の近いものでは、スマートフォンのプッシュ通知を使った来店時期のリマインド機能が追加される予定だ。

 自動翻訳や視線操作への対応、遠隔でのスタイリスト育成への活用などが計画されているほか、ゆくゆくは店舗の受付業務やキャッシュレス決済での会計機能をMirrorRoidに集約することで、ワンストップオペレーションによる省力化も目指す。