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5G/IoTを活用した未来の仕事を体験、平戸市の「キッザニア」イベントにKDDIが参加

 長崎県平戸市は、子ども向けの職業体験施設「キッザニア」を運営するKCJ GROUPの監修を受け、地域の魅力を味わいながらさまざまな仕事を体験できるプログラム「Kidsジョブチャレンジ2019in平戸~アウトオブキッザニア~」を開催している。期間は3月29日~31日。

 同イベントにおいて、KDDIは「未来の農業のお仕事~ドローンプログラミング~」「未来の観光体験~ARザ・ライド~」という2つのブースを出展する。

メイン会場となった平戸文化センター

 KDDIは、2018年10月に子ども向けの職業体験施設「キッザニア」を運営するKCJ GROUPを子会社化。同時に、最新技術を活用して教育とエンターテインメントを組み合わせた「エデュテインメント」プログラムの強化や、地方展開を通じた地域振興への貢献などに関する包括的パートナーシップを結んでいる。

 また、平戸市とKDDIは2018年12月に地域活性化を目的とした連携協定を結んだ。同協定には子ども向けの職業体験イベントの開催、イベント内での未来の職業体験プログラムの提供、イベントを活用した地域活性化といった事項が盛り込まれており、今回は同協定に基づいた取り組みの第一歩となる。

教育と地域振興を図る「アウトオブキッザニア」

左から、KCJ GROUP 経営企画部長 佐々木恵氏、平戸市役所 観光課長 藤田法恵氏、KDDI ライフデザイン事業本部 サービス推進部長 大野高宏氏

 キッザニアは、子供がさまざまな職業を体験できるテーマパーク。常設テーマパーク「キッザニア東京」「キッザニア甲子園」のほかに、パーク内では難しい農業や漁業の体験、地域産業の体験などができる「アウトオブキッザニア」というイベントを各地で行っている。

 平戸市でのアウトオブキッザニアの開催は、2018年3月に続いて2回目。平戸市役所観光課長の藤田氏は、同市には歴史ある観光名所や豊かな観光資源が充実していながら観光需要が比較的高い年齢層に集中していたと振り返りながら、昨年のイベント開催時には参加者と地域住民の双方から好感触を得たと語る。

 「Kidsジョブチャレンジ2019in平戸~アウトオブキッザニア~」は、通常のキッザニアプログラムのコンセプトでもある職業体験・社会体験を通じた教育に加えて、地域そのものの魅力や地場産業をアピールするものとなっている。

 地元企業や協賛企業による85種類もの体験プログラムが用意されており、取材当日も市内のさまざまな場所で子どもたちが職業体験をしている様子が見られた。実際の仕事と同じ場所で行うものも少なくないため、パークでの体験以上にリアルな体験ができる。

 特徴的なプログラムの一部を抜粋して紹介すると、実際の漁のように早朝から行っていたという漁業体験、名産品の「川内かまぼこ」や「カスドース」を作る体験などが行われた。

 前回開催時には、3日間でのべ4500人の子どもたちが参加。平戸市以外からの参加者が93%で、親も含めて初訪問という参加者も少なくなかったが、イベント後にも観光に訪れたり、今回のイベントにリピーターとして参加したりと、平戸の魅力を知ってもらう機会となり再訪問につながっていることを評価した。

アウトオブキッザニア初の“未来のお仕事体験”

 そして、今回KDDIが出展する2つのブースは、アウトオブキッザニア初の試みだという“未来の仕事”を扱った内容となっている。子どもたちが大人になる頃の社会をイメージして体感してもらうだけでなく、人手不足や高齢化といった課題を抱える地場産業に向けた提案という側面もある。

 「ドローンプログラミング」ブースでは、2020年の小学校におけるプログラミング教育の必修化なども踏まえながら、平戸市でさかんに栽培されている苺を題材に、5G時代を見据えて研究開発が進められているドローンを活用した未来の農業を体験できる。

 人力では労力のかかる生育状況の確認をドローンのカメラで行おうというもので、GUI上で簡単に扱えるツールを用いてドローンの飛行ルートをプログラミングして、実際に飛行させて結果を振り返る体験内容となっている。

 「ARザ・ライド」では、次世代モビリティとAR技術を組み合わせた新しい観光体験ができる。体を傾けて荷重移動でコントロールする「INMOTION」という乗り物で移動しながら、ハンドルに設置されたタブレット端末でARによる解説やクイズが楽しめる。

 観光名所をカメラで認識し、その場所に合わせたコンテンツが再生される仕組み。案内役として、KDDIのARイベントではおなじみのバーチャルキャラクター「レナ」が画面内に登場した。屋内展示のため、実際の観光名所の代わりに設置された写真パネルを読み込む形となっていたが、認識は速く、パネルの前に乗り物を停めるとすぐにクイズが出題される。

子どもたちは短時間で乗りこなしていたが、実際に乗ってみると結構難しい
「未来の農業のお仕事~ドローンプログラミング~」ブース
「未来の観光体験~ARザ・ライド~」ブース