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次期Android“Q”のベータ版登場、折りたたみスマホ向けの機能も

 Googleは、開発者向けにAndroidの次期バージョン「Android Q」のベータ版の提供を開始した。開発者は、Googleのスマートフォン「Pixel」シリーズ(3世代すべて)にAndroid Qを導入できる。5月に開催されるイベント「Google I/O」でより詳細な内容が解説されるとしている。

 近年のAndroidはユーザーのプライバシー保護やセキュリティ強化に取り組んでおり、Android Qではこうした取り組みはさらに強化される。

 アプリによるユーザーの位置情報の取得については、アプリがバックグラウンドで動作している間に位置情報を取得できるかどうかについて、許可・拒否を選択できるようになる。

 端末内の写真や動画、音楽といったファイルについては、アプリがアクセスできる範囲を選択できるようになる。

 バックグラウンドにあるアプリが、ユーザーが予期しないタイミングで通知などのためにフォアグラウンドに現れて、間違った操作をしてしまうといった事象を減らすための仕組みが盛り込まれ、着信やアラームなどのために、より優先順位の高い通知方法が用意される。

 画面が曲がり折りたためるスマートフォンが開発されていることから、これら大画面の端末でアプリをどのように表示するか、管理できるようになる。近いうちに、開発者向けツールにあるエミュレーターでも折りたたみスマホの画面がサポートされる見込み。

 設定画面は、一部を切り出して、アプリからフローティングウィンドウの形で呼び出すことが可能になる。例えばWebブラウザを起動した後に、ネットワーク関連の設定画面をフローティングウィンドウで呼び出して、Wi-Fiの接続を変更するといったことが可能になる。

 ネットワーク接続では、Wi-Fiに接続する場合、一部の条件でMACアドレスをランダム化するほか、新しいWi-Fiの標準規格やWPA3などがサポートされる。Wi-Fiでは、高性能モード、低遅延モードといったモードの変更も可能になる。

 カメラ機能では、深度データがサポートされ、前景・背景にボケを施した写真をアプリで活用できるようになる。将来的には3Dデータの生成などにも利用できる。

 動画ではビデオコーデック「AV1」をサポートするほか、ストリーミング向けの「Opus」や「HDR10+」もサポートされる。

 このほか、MIDI信号をより低遅延で扱えるNative MIDI APIが用意される。グラフィックスではVulkanに加えてANGLEの実験的サポートを追加する。Neural Networks API(NNAPI)は、ARGMAX、ARGMIN、量子化LSTMなど60種類以上が追加され、パフォーマンスも最適化される。メモリ関連では、開発者の作業は不要な形でアプリの起動が高速化され、メモリ消費量は削減される。