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同一空域で複数ドローン事業者の運航を支援するシステムの実証試験

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本電気、NTTデータ、日立製作所、NTTドコモ、楽天、KDDI、ゼンリン、日本気象協会は、福島県および南相馬市の協力のもと、南相馬市復興工業団地内の「福島ロボットテストフィールド」で、同一空域で複数事業者のドローンが安全に飛行するための運航管理システムの実証試験を実施した。

 試験の結果、運航管理システムが正常に動作し、基本的な運航管理機能に基づいて同一空域における複数のドローンの飛行を支援できることが確認された。

 今回の試験は、2017年11月にNEDOと福島県が締結したロボット・ドローンの実証などに関する協定協力に基づく取り組みの一環として行われた。

 将来的に多数のドローンが飛び交い、物流、郵便、警備、災害調査、点検、測量、農業など多数の分野で活躍されることが期待されているが、ドローンの衝突などの危険を確実に回避するため、すべての期待の飛行計画および飛行状況を掌握し、ドローンの運航を統合的に管理する必要がある。また、ドローンを安全に運航するためには、運航エリアの気象情報や地形、建物の3次元地図情報をドローン事業者に提供する必要がある。

 今回の取り組みにおける各システムの役割は、「運航管理統合機能」が各ドローンの飛行経路や離着陸場の重複回避などの機能を担う。「運航管理機能」は、飛行計画の作成や申請、飛行状況の監視を担う。「情報提供機能」は、詳細名3次元地図情報やドローンが飛行する高度の風速などの気象情報提供を担う。

 今回の試験では、ドローンを活用した災害調査、警備、物流、郵便の4つの利用シーンを想定し、合計10機のドローンを目視外で自律飛行させた。

 2019年度以降は、今回の試験結果を評価・検証した上で、より安全かつ効率的な運航管理を実現するための機能拡張・高度化を行う。

 今回開発した運航管理システムの普及に向け、現在参画しているドローン事業者以外の国内外のドローン事業者が、運航管理統合機能と接続したドローン運航試験を福島ロボットテストフィールド内で実施できるよう、運航管理のAPIを順次公開するという。

 今回の試験では、福島ロボットテストフィールドとその周辺の900×600mの範囲にドローン用の離発着場を8カ所設置し、災害調査、警備、物流、郵便の4つの利用シーンを想定し、安全を確保しながらドローンを約15分間、適切に飛行させることに成功した。

 運航管理統合機能は、複数ドローンの飛行計画の調整および飛行中にリアルタイムでドローン位置情報管理を、人間の手を介さずに自動的に実施した。今回の試験の結果から、情報提供機能による離陸許可、飛行経路の重複回避、離着陸場の利用時間の重複解消が正常に動作することが確認できた。