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2018年の携帯電話出荷数、スマホは高水準維持も全体は低水準に

 MM総研は、2018年(1~12月)の国内携帯電話出荷数を調査し結果を明らかにした。総出荷数は前年比6.3%減の3499万9000台で、調査を始めた2009年以降では2番目という最低水準になった。スマートフォンだけでみると前年比2.6%減の3116万7000台で、2017年の3199万4000台に次ぐ、2番目に多い出荷数になった。フィーチャーフォンは前年比28.5%減の383万2000台で、調査開始後の最低記録を更新している。

国内携帯電話端末の出荷台数(2012年~2018年) 出典:MM総研

スマートフォン

 スマートフォンの出荷数をMNO(3キャリア)向け端末と、MVNO向けなどのSIMロックフリー(SIMフリー)端末に分けると、MNO向けは前年比3%減の2815万台、SIMフリーは1.8%増の301万7000万台だった。

 MNO向けはiPhoneの2017年モデルの買い替え需要、「docomo with」など低~中価格帯のスマートフォンが好調だった。また、店頭の一括価格は、10万円以上と4万円未満という二極化が進んでいる。

 SIMフリーは成長率でMNO向け端末を上回ったものの、MNOの施策により、同一キャリアや子会社のサブブランドに留まるなど、一般ユーザー層のMVNOへの流出が防止されたことで、SIMフリーの出荷数は当初の想定ほどには至らなかったとしている。

 総出荷数に占めるスマートフォンの割合は前年比3.4ポイント増の89.1%だった。フィーチャーフォンは3.4ポイント減の10.9%。

 スマートフォンに占めるSIMフリーの比率は0.4ポイント増の9.7%となっている。

Appleでも微減、伸びたのはファーウェイ、サムスン、シャープ

 2018年のメーカー別出荷数シェアは、1位が7年連続のAppleで、出荷数は前年比1%減の1543万8000台、シェアは44.1%だった。2位はシャープで、2.7%増の492.5万台、シェアは14.1%。3位はソニーモバイル、前年比30.6%減の299万5000台、シェアは8.6%。4位は京セラ、前年比27.8%減の295万3000台、シェアは8.4%。5位は富士通、前年比24.1%減の228万7000台、シェアは6.5%。

 スマートフォンの出荷数でみると、1位はAppleで、シェアは49.5%になる。2位はシャープで、前年比6.9%増の413万3000台、シェアは13.3%。3位はソニーモバイルで、シェアは9.6%。4位はサムスン電子で、前年比8.1%増の207万5000台、シェアは6.7%、5位はファーウェイで、前年比129%増の198万1000台、シェアは6.4%だった。

左:国内携帯電話市場のメーカー別出荷台数シェア(2018年)
右:国内スマートフォン市場のメーカー別出荷台数シェア(2018年)
出典:MM総研

 ソニー、京セラ、富士通は大幅に出荷数を落とした一方、Appleは1%減にとどめた。国内メーカーでは唯一シャープが好調。ファーウェイは一気に2倍以上の成長を遂げ、200万台近くを出荷しており、サムスンに迫っている。

環境の変化、端末市場は縮小トレンド

 調査では、ドコモの料金プランの値下げ予告や、総務省“緊急提言”の「完全分離」といった市場環境の変化により、今後は買い替えサイクルのさらなる長期化で、端末市場は縮小トレンドになるとしている。一方、ハイエンドと格安で二極化が進んでいるスマートフォンについては、上記の環境変化で機能と価格のバリエーションが増加すると予測している。