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ドコモと電通が屋外広告配信で新会社設立、スマホ連動型や5G利用へ
2019年1月16日 19:07
NTTドコモと電通は、屋外広告の配信プラットフォーム運営などを行う新会社「LIVE BOARD(ライブボード)」を2019年2月に設立する。
新会社では、交通広告や屋外広告などのデジタルサイネージを利用した媒体であるデジタルOOH広告(デジタル Out Of Home・DOOH)の配信プラットフォームが運営され、広告枠の販売などが行われる。両社が持つ強みを活かした広告配信が行われる予定で、ドコモが持つネットワークデータを基にした人口統計の「モバイル空間統計」を利用した広告枠の販売や、電通のこれまでの運用実績が活用される。
ドコモのモバイル空間統計データを活用することで、どの時間に、どこで、どれくらいの人数が広告を見たかを推計することができ、広告主に向けて視聴インプレッションによる販売が可能となる。また、dポイント、d払いといった決済情報を組み合わせることで、エリアだけでなく、趣味や関心などといった情報により分析ができる。
また、海外ではすでに実現されている、広告のプランニングから配信まで自動で行えるシステムを構築し取引を効率化していく。
将来的には、広告を見て、店舗の立ち寄りや商品の購買に繋がったか、という分析まで可能にするように考えているという。また、デジタルサイネージとスマートフォンの連動する広告の開発や、5G回線を活用した高画質で低遅延な広告動画配信を目指す。
LIVE BOARDの出資比率は、ドコモが51%、電通が49%となる。代表取締役社長には、電通の神内一郎氏が就任する予定。
2~3年の間に200~300のデジタルサイネージを確保
LIVE BOARD 代表取締役社長就任予定の神内氏は、DOOHの海外市場は成長率が右上がりで発展しているメディアだが、日本市場は他の先進国と比べ、DOOHの割合が低いと説明した。その理由として、誰がDOOHの広告を見ているか、というデータの「オーディエンスデータ」が整備されておらず、他のメディアとの比較ができないためという。海外では、ガイドラインが策定されており、各国でオーディエンスデータが整備されている。また、細分化されている日本市場では、広告の空き枠状況を一元的に把握できず、広告主への提案も困難になると説明した。
そこで、ドコモが持つデータを連携してオーディエンスデータとし、配信プラットフォームを構築することでDOOHの広告価値を向上させていくと語った。
2~3年の間に200~300のデジタルサイネージを確保することがビジネスの規模と掲げ、インプレッションが獲得できる場所から開始していくという。また、既存のサイネージだけでなく、新規の設置も検討しているという。