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ドコモ、5G NR基地局の電波をリアルタイムに可視化する装置開発

 NTTドコモは、3GPPで策定された5Gの国際標準仕様(以下、5G NR)に準拠する5G基地局からの電波をリアルタイムに測定・解析し、電波到来状況をヘッドマウントディスプレイにより拡張現実で360度にわたり可視化する「5G国際標準仕様準拠リアルタイム電波ビジュアライザ」を開発した。

「5G国際標準仕様準拠リアルタイム電波ビジュアライザ」

 同社は、今年5月にも類似の装置を開発しているが、5月に開発した装置では5G NRに準拠した基地局からの電波を可視化することができなかった。

 今回新たに開発した「5G国際標準仕様準拠リアルタイム電波ビジュアライザ」は、新機能によって世界各国の携帯電話事業者が導入を検討する5G NR準拠基地局と自動で同期し、到来電波を可視化できる。

 同装置は、新たに開発した5G NR準拠信号の電波到来特性をリアルタイム解析するデジタル信号処理装置、256素子からなる超多素子の円筒アレーアンテナ、360度カメラで連続撮影したライブ映像に測定結果を重ね合わせて解析する装置、ヘッドマウントディスプレイによって構成される。

装置のイメージ図

 5Gで導入が検討される6GHz帯以上の高周波数帯の電波は、これまでの携帯電話向け電波の周波数帯と比べて、端末周辺の人体や車両などの影響を大きく受けるが、同装置を活用することで電波の到来状況の変化をリアルタイムに把握できるという。

 このほか、新たに加わった5G NR準拠基地局との自動同期により、装置の設置や設定に必要となる稼働が削減できる。同装置を5Gエリア設計に活用した場合、前回装置利用時と比較して10分の1程度まで稼働の削減が見込めるという。

 同装置は、12月6日~12月7日までNTTドコモが東京ビッグサイトで開催する「DOCOMO Open House 2018」で体験できる。