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スマホ料金の満足度はショップ体験も影響、野村総研の調査

値下げ圧力に対して「料金は自由設定」と提言、契約者には「情報武装」呼びかけ

 野村総合研究所(以下、NRI)は、日本全国のスマートフォン契約者を対象にアンケートを実施した。第1回目は、携帯電話料金に対する批判とその背景にある要因の構造を、第2回目は実際の支払額と、支払ってもいいと考える料金の隔たりを、それぞれ明らかにした。

 同社の調査によると、スマートフォン契約者の59%が携帯電話の月額料金を高いと感じており、料金について「納得しない」と回答した契約者は29.9%にのぼる。一方で、料金に対する満足度や納得度が「どちらとも言えない」と答えた、「無関心層」の契約者も31.8%存在することが明らかにした。

携帯電話料金の批判構造分析

 スマートフォン契約者が「月額料金が高い」、または料金について「納得していない」という回答は、スマートフォンに変更したことによる高額請求(想定よりも毎月の請求が高い)、オプションの解約忘れ、実際に通信する容量以上のデータ容量を契約することによって負担感を感じたり、店頭でオプション加入を強く勧められた、上位プランの加入を強制させられた、などの経験から不信感を持つ契約者からの回答が、そうでない契約者からの回答と比べて多いという。

携帯電話料金の批判構造分析

 契約者が考える、支払ってもいい月額料金(支払意向額)と、実際の月額料金(実支払額)との隔たりについては、支払意向額は実支払額よりも約2割低い反面、支払意向額よりも実支払額が安い契約者も27%存在したという。

 用途別に支払意向額を比較すると、メッセージ、WebサイトやSNS閲覧に対する支払意向額は月額4062円で、動画視聴では3425円となり、データ通信量が大きくなる動画視聴に対する支払意向額が小さいと分析している。

携帯電話料金の妥当性分析

契約者自身の「情報武装」呼びかけも

 今回のアンケート調査および分析を経て、NRIではスマートフォン契約者への提言として、携帯電話に対してもっと興味・関心を持ち、「情報武装」したうえで、能動的に料金プランを選択する必要があると提言。

 MNO(大手キャリア)に対しては、全国に多数あるショップでサポートを受けられるメリットがあるとしつつも、ショップで嫌な経験をした契約者は、料金への納得感・満足度が下がる傾向にあるとし、利用者に対して誠実で透明性の高い取り組みを行うべきとする。

 また、政策については「料金設定が自由化されている以上、政府が直接値下げを指示することはできない」とした上で、料金見直しで月額料金が割安になる場合には、利用者の事前承諾なしに、キャリアから料金プラン見直しや、サブブランドへの乗り換えを促すことができるルールを制定すべきと提言をまとめている。