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ゼロベースで開発、カードサイズ4G携帯電話「NichePhone-S 4G」発表会
2018年9月3日 19:54
フューチャーモデルは、9月14日に発売するカードサイズ携帯電話「NichePhone-S 4G」の詳細を解説する発表会を開催した。端末の価格は1万2800円(税抜)。
「NichePhone-S 4G」は8月23日に発表済みのモデルで、9月3日は報道陣向けにプレゼンテーションや実機の公開が行われた。なお、同モデルは9月4日から東京ビッグサイトで開催される「東京ギフトショー秋2018」で展示される。
「ゼロベースで開発」
発表会にはフューチャーモデル 代表取締役社長の曲 亮(きょく りょう)氏が登壇し、「料金やコミュニケーションが複雑になっていないか。ガラケーの良さがまだあるのではないか」という疑問から、前モデルの「NichePhone-S」を開発したと説明した。今回のモデルは、前モデルの発売で得られた知見やフィードバックを反映、デザインも一新して「ゼロベースで開発した」とアピールした。
同社は通信機能を持つ翻訳機なども手がけているが、約10年前の会社設立当初に描いた夢はまだ実現されていないとし、「いつでも、どこでも、誰とでも」というコンセプトで、さらなる端末の開発を行っていることも明らかにしている。
「ガラケー回帰の波が来ている」
「NichePhone-S 4G」の端末の詳細は、フューチャーモデル 商品開発の木村信人氏から解説された。
木村氏は、カメラが搭載されておらず、文字を表示するだけのモノクロディプレイでWebサイトを見ることもできないことを紹介した上で、「カメラの無いケータイが売れるのかと思われるが、カメラが邪魔になるシチュエーションが必ず存在している。前モデルのユーザーからは、テザリング機能も削除してほしいという意見すらあった」と、工場や研究施設などの機密性の高い仕事でも需要があることを紹介する(※テザリング機能は新モデルでも省かれていない)。
「ガラケーに似た商品がリニューアルされ発売されることが発表されるなど、ガラケー回帰の波が来ていると感じている。ニッチだが、MVNOの拡大でユーザーの選択肢が増え、たどり着いた応えが『NichePhone-S 4G』だ」と、木村氏はフィーチャーフォンやシンプルな通話端末への需要が“ニッチ”でも存在していることを語った。
前モデルからの進化点
その「NichePhone-S 4G」は、前モデルと比較して厚みは6.5mmから9mmに、重さは38gから52gに増したものの、縦横のサイズは90×50mmで同じ。「名刺とほぼおなじサイズ」(木村氏)とした。
有機ELのモノクロディプレイは輝度がアップして見やすくなり、キーは押しやすくクリック感のはっきりした構造を採用。電池は1000mAhと倍近くになり、右側面にはボリュームのアップ・ダウン用のボタンを設けた。
文字入力ソフトは、独自ではなく、富士ソフトの「FSKAREN」を新たに搭載する。電話帳のソート(あいうえお順)に対応し、電話帳のSIMカード・PCからインポート・エクスポートをサポートした。
このほか前モデルには無かった新搭載の機能として、プレフィックスへの対応、スピーカーホン、電話帳の削除、スピードダイアルの削除、通知LED、ワンタッチ機能(マナーモード、スピーカーモード、電話帳呼び出し、ボイスレコーダー、キーロック)が搭載される。
木村氏によれば、データ通信が4Gに対応したことで、テザリング利用時の通信速度や安定性が向上するという。音声通話は3G網を利用し、VoLTEには対応しない。
発表会にはこのほか、フリーアナウンサーの高橋真麻が登場した。両親をみて断捨離を実行し、身の回りのものをたくさん捨てたり売ったりしてシンプルな生活を楽しんでいるという高橋真麻は、「余計なものがなく、(気持ちも)負担が減った。余計なことを考えることがなくなった」と身軽になった様子を語る。
また、旅先の風景やできたての料理をカメラに収めることに必死になり「楽しまなければいけないところを、ワンテンポ、ツーテンポと遅れてしまう」と、行き過ぎたSNS中心の行動への指摘も。ニッチフォンは「ビジネスシーンや2台持ちにも最適」とアピールしていた。