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ドコモ、ネットワーク仮想化による災害対策の実証実験に成功

 NTTドコモは、ネットワーク仮想化技術を活用して、故障した通信設備を遠隔地の設備で補う実証実験を実施し、成功したと発表した。

 今回の取り組みは、LTEをはじめとした無線アクセス網を収容する、EPC(Evolved Packet Core)と呼ばれるコアネットワークの通信設備を対象としたもの。従来実現していたネットワーク仮想化技術による処理容量の増強を発展させ、1つの施設がダウンした際に他の設備を増強して補うことが可能になった。

 例えば、災害や機器故障、長時間の停電などでAビルの設備がダウンした際に、影響を受けていない遠隔地にあるBビルの処理容量をネットワーク仮想化技術で増強、Aビルの機能を代替することができる。

 8月21日に行われた実験では、神奈川県の通信ビルにあるパケット通信設備を擬似的に故障させ、監視制御システムがこれを検知。自動指示によって同ビル内にある他の設備と群馬県内の設備の処理容量を増強させ、故障による不足分を補って回復できることが確認された。

 今後、同技術を全国の設備に拡大することで、トラブル発生時の柔軟かつ短時間での回復を可能にする。ドコモでは、大ゾーン基地局の設置や伝送路の多経路化、重要装置の東西分散といった他の災害対策とあわせて、より強固なネットワークを構築していくとしている。