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“若者のテレビ離れ”始まる、有料サービスも大幅増

 インプレスのシンクタンク部門、インプレス総合研究所は、動画配信ビジネスの調査報告書をまとめ、「動画配信ビジネス調査報告書2018」として6月21日に発売する。価格は8万5000円(税抜、PDF・ダウンロード版)。18日には調査結果の概要・注目の結果が公開された。

 有料動画配信サービスの利用率は15.0%になり、1年前から5.4ポイントと大幅に増加した。性年代別では男性30代が24.6%で最も高く、次いで男性20代の23.1%、女性20代の20.1%と続いた。

全体では盤石なテレビ放送でも“若者のテレビ離れ”が進行

 テレビ放送などを含めて、よく視聴する映像・動画の種類を聞くと、全体では「リアルタイムのTV番組」が69.9%、「録画したTV番組」が56.4%と続き、放送のTV番組が上位を占める。3番目以降はYouTubeなどの「動画共有サービス」が36.8%、Abema TVやTVerなどの「無料の動画配信サービス」が25.5%となり、無料のインターネット動画がよく視聴されている結果になった。

 性年代別にみると、男性10代で最も高いのは「動画共有サービス」で59.0%になり、「リアルタイムのTV番組」「録画したTV番組」を上回った。男性20代でも「動画共有サービス」は「リアルタイムのTV番組」に次ぐ2番目になっている。

 「SNS上の動画」は女性10代で45.7%と、ほかから突出して高い結果で、男性10代でも29.8%と高い結果になった。「LIVE動画/LIVE配信」も男女10代で20%を超え、若年層で動画のコミュニケーションが拡大している。

有料サービス、1位の「Amazonプライム・ビデオ」がさらに伸びる

 有料の動画配信サービスについては、3カ月以内に利用した人にそのサービスを聞くと、オンラインショッピングの特典を含む複合的な有料会員サービス「Amazonプライム」で提供される「Amazonプライム・ビデオ」が53.6%と、ほかを大きく引き離した。同サービスは1年前から12.6ポイント増えるなど、増加率もほかのサービスを大きく引き離した。

 2位は「Hulu」で17.3%、3位は「Netflix」で10.9%、4位は「dTV」で10.7%、5位は「DAZN」で8.9%だった。

無料サービスは「YouTube」、観るのは「一般の人」の動画

 「動画共有サービス」「無料の動画配信サービス」「SNSの動画」をよく視聴すると回答したユーザーに対して、利用しているサービス名を複数回答で聞くと、「YouTube」が97.4%で1位になったほか、「ニコニコ動画」が42.9%、Twitterが40.8%、「LINE」が38.2%と続いた。

 よく視聴する無料動画の制作者については、「一般の人」が53.9%と最も高く、「テレビ放送局」が49.0%、「YouTuberなどネット動画で有名な人」が38.6%となった。

 このほかライブ配信の動画では、よく利用されるサービスは「YouTube Live」が67.4%で最も多く、次いで「ニコニコ生放送」(47.9%)、「LINE LIVE」(28.0%)、「ツイキャス」(16.7%)となり、上位は動画共有サービスのライブ配信機能が占めた。ライブ動画の配信者は、タレント・芸能人やYouTuberなどが人気になっている傾向も明らかになっている。