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パナソニック、法人向けのタフネス端末「TOUGHBOOK FZ-T1」

TOUGHBOOK FZ-T1

 パナソニックモバイルコミュニケーションズは、屋内での業務利用を想定したタフネス仕様の法人向けAndroid端末「TOUGHBOOK FZ-T1」を発表した。発売は2018年10月、価格は8万円程度となる見込み。

 TOUGHBOOK FZ-T1は、業務用途における様々な環境での利用を想定して、高温/低温環境下での動作や振動などへの対策を強化した5インチディスプレイ搭載のAndroid端末。

 IP68相当の防水防塵性能を有しており、高さ150cmからのコンクリートへの落下試験や、1000回の連続落下試験、画面上に300gの鋼球を落下させる試験など、米国防総省の調達基準であるMIL規格よりも厳しいパナソニック独自の試験をクリアした高い耐久性を備える。

シリーズ展開

 同社では、法人向けのハンドヘルド端末として「TOUGHPAD FZ-X1」および「TOUGHPAD FZ-N1」を展開しているが、店舗や倉庫など主に屋内での業務端末として利用する顧客から、FZ-X1やFZ-N1ほどの高機能/高性能は必要とせず小型軽量な端末を求める声があり、今回の新機種の開発に至ったという。

 FZ-T1はFZ-N1比で約30g軽量化し、シリーズ最軽量を実現。本体上部には約40種のバーコード/2次元コードに対応する連続読み取り機能付きのバーコードリーダーを搭載し、オプション品として、数メートル離れた距離からバーコードの読み取りが可能になる「オートレンジバーコードリーダー」も提供予定。

FZ-T1担当プロジェクトマネージャー 土田淳氏
専用アクセサリー「オートレンジバーコードリーダー」を実演

 バッテリーはユーザーによる交換が可能な設計で、ロック機構を備え、落下時にバッテリーが外れにくいよう配慮されている。また、ウォームスワップ機能を備え、電源を切らずにバッテリーを交換できる。

 ソフトウェアは業務端末としての利用を前提とした構成で、管理者の負担を軽減するとともに用途に合わせた仕様での納入を可能とするキッティングサービスも用意。標準機能として、画面が濡れた状態や手袋を装着した状態でもタッチ操作が可能な「レインモード」「手袋モード」を搭載する。

 また、個人向けのスマートフォンと比較すると長期間に渡って利用する顧客が多いことを考慮し、ソフトウェア更新サービスや延長サポートサービスの提供を計画している。

主な仕様

 ディスプレイは約5インチ、1280×720ドット(HD)。メインカメラは約800万画素で、撮影補助用の高輝度フォトライトを備える。インカメラは搭載しない。

 チップセットはQualcommのSnapdragon 210(MSM8909)、2GBのRAM、16GBのストレージを搭載。最大64GBまでのmicroSDXCカードを利用できる。

 OSはAndroid 8.1で、無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.2をサポート。外部端子はmicroUSB。バッテリー容量は3100mAhで、駆動時間/充電時間は未定。

 大きさは約154×75×13.1mm。重さは約240gとなる予定。

 モデルとしては、NTTドコモ網向け/au網向けのLTEモデルとWi-Fiモデルの3つが用意され、LTEモデルに関してはSIMロックがかかった状態で販売される。通信方式はLTE/W-CDMA/GSMに対応しており、VoLTEによる音声通話もサポートされる。

TOUGHBOOK FZ-T1

「TOUGHBOOK P-01K」との関連性

 TOUGHBOOKシリーズの端末としては、NTTドコモの2018年夏モデルとして「TOUGHBOOK P-01K」も5月16日に発表されている。

 P-01KとFZ-T1は並行して開発された機種で、両機種には販路の違いに加えて機能面での差異がある。例としては、FZ-T1に搭載されているバーコードリーダーやウォームスワップ機能はP-01Kには搭載されない。また、インターフェイスの違いからアクセサリーは原則として各機種専用の物となっており、個別に展開される。

TOUGHBOOK P-01K

TOUGHBOOK/TOUGHPADブランドの統一

 従来、パナソニックのタフネス製品は、ノートパソコンの「TOUGHBOOK」ブランドとタブレットやハンドヘルド端末の「TOUGHPAD」ブランドの2つのブランドが使われてきた。一方、今回発表された「TOUGHBOOK FZ-T1」は、5インチディスプレイを搭載するハンドヘルド端末でありながらTOUGHBOOKブランドの製品となっている。

パナソニックモバイルコミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長 武藤正樹氏

 パナソニックモバイルコミュニケーションズの武藤正樹社長は、2in1スタイルのタブレットPCなど新たなカテゴリーの製品の登場により、両ブランドの違いは無くなりつつあると説明。両ブランドの製品が混在することによる購入者の混乱を避け、製品カテゴリーを問わず、あらゆる現場での業務革新という共通の目的をもって開発された「TOUGHBOOK」ブランドに今後の製品は統一される。