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スーパーの食品廃棄を半減できるか、東京都×ドコモの実験開始
2018年1月19日 13:38
19日、東京都中央区のスーパーマーケット「miniピアゴ入船1丁目店」で、スマートフォンアプリを使い、廃棄食品を減らす実験が始まった。東京都環境局のモデル事業として実施されるもので、NTTドコモが開発したシステムが用いられている。
30の商品を対象に、賞味期限/消費期限が近づけば、定価の20%相当がポイントとしてプレゼントされる。たとえば3玉入りのうどん99円(税込106円)や50g×3の納豆パック89円(税込96円)なら20ポイントといった具合。ポイントはdポイントやEdyのどちらかで、NTTドコモが開発したアプリ「eco buy」でプレゼントされる。
ポイントをもらうためには、アプリでレシートや対象商品を撮影し、申請する、といった手続きが必要で、一手間かかる形。ただし、一般的な見切り品やタイムセールと大きく違うのは、その日であればいつでも買えるということ。
たとえば夕方や夜というタイミングで、消費期限が迫る商品に値引きシールを貼る、といったスーパーは数多くある。そのタイミングを見計らって買い物するのも消費者の知恵ではあるが、そもそも値引きの時間帯が限られている。それに比べて、「eco buy」対象であれば、そうした時間を気にしなくて済む。店舗にとっても、アプリを通じて事前に告知することで、ユーザーへの周知をはかることができ、購入に繋がれば廃棄の減少を期待できる。
実験の舞台となる「miniピアゴ入船1丁目店」は、これまで1日あたりの廃棄額が1万円程度。miniピアゴ全体の平均は1日1万4000円程度とのことで、他店よりも廃棄がもともと少ないが、運営元の99イチバ(ユニーグループ)代表取締役社長の伊藤輝志氏は「実証実験を通じて半減させたい」と意気込む。店舗にとっても、見切り品にシールを貼るといった作業は30分程度かかっており、そうしたコストの削減も期待するポイント。実験対象の30品目は、売上のボリュームが多く、比較的廃棄されやすいものから選んでいるとのこと。東京都のモデル事業のため、店舗側はポイント分だけ負担する格好だ。
東京都環境局の谷上裕資源循環推進部長は「食べられる食品の1/3が廃棄されている。日本は特に多い。ICTを活用し捨てる前に利用することはできないか」とモデル事業の狙いを説明。社会的にも問題視される「フードロス(食品ロス)」を減らせる取り組みを進めていく。