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有料動画トップは「プライム・ビデオ」、45%が利用

ICT総研調査

 ICT総研は、有料の動画配信サービスの利用動向に関する調査結果を発表した。Amazonの「プライム・ビデオ」が、有料動画サービス利用者の半数近くに利用されていることが分かった。

 ICT総研が10月に実施した調査では、ユーザーの68%は無料動画配信サービスのみを利用しており、有料の動画配信サービスを利用するユーザーは12%だった。かつては1本数百円で視聴するペイパービュー(PPV)方式が主流だったが、月額1000円以下で見放題になる「定額見放題」の利用も急増している。

プライム・ビデオが引き離す、2位はHulu

 有料動画サービス利用者のうち、45%はAmazonの「プライム・ビデオ」を利用していると回答した。年間3900円(税込)で動画配信だけでなく、配送料無料や音楽聴き放題などのAmazonのサービスを利用できることから、コストパフォーマンスが高いと認識されているようだ。

 利用率は27%という次点の「Hulu」は、月額933円(税別)の見放題サービス。米国発のサービスでハリウッド映画などのコンテンツに強い。日本向けサービスは日本テレビの子会社が運営しており、国内向けコンテンツも強化している。

 3位以下は、ヤフー系列の「GYAO!」(16%)、NTTドコモとエイベックスが提供する「dTV」(15%)、楽天の「楽天SHOWTIME」(12%)と続いた。

タブレット視聴、普及せず

 パソコンユーザーの74%は、パソコン上で動画配信サービスを視聴していると回答した。パソコンの次に動画視聴に利用されているのはスマートフォンで、54%だった。一方、タブレット端末での視聴は24%、テレビで動画配信サービスを視聴していると答えたユーザーは、9%にとどまった。

映画コンテンツが強い

 有料動画サービスユーザーの視聴コンテンツは洋画が66%と最も多く、次点は邦画で58%だった。以下、海外ドラマ(45%)、アニメ(42%)、国内ドラマ(40%)と続く。ICT総研は、6位以下の、音楽ビデオ(21%)、趣味・エンタメ(20%)、ドキュメンタリー(18%)に注目。コアなファン層に視聴される傾向があるこれらのコンテンツは、動画配信サービスに欠かせない素材だとした。

2019年末には1730万人規模に、コンテンツの拡充がカギ

 ICT総研は今後の見通しとして、2016年末の有料動画サービスの利用者は1160万人まで成長する見込みとした。無料動画サービスのみを視聴する潜在ユーザーが多くいることから、有料動画サービス市場は成長が見込まれるとして、2019年末には1730万人規模に拡大していくと予測。自分に合ったコンテンツを提供する事業者を選ぶユーザーも少なくないため、今後は、映画、ドラマ、アニメ、音楽、スポーツなどのコンテンツを揃える事業者が優位に立つだろうと指摘している。