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ドコモ吉澤社長、「Pokémon GO」の歩きスマホに注意喚起

2016年度第1四半期決算は増収増益で「順調な滑り出し」

 NTTドコモは、2016年度第1四半期(4~6月期)の決算を発表した。大きく2つに分けている通信事業、スマートライフ領域のどちらも増収増益となり、NTTドコモ 代表取締役社長の吉澤和弘氏は「年間計画に向けて順調な滑り出し」とコメント。話題のゲームアプリ「Pokémon GO」(ポケモン GO)については、歩きスマホをしないよう、注意喚起を強化していく方針も示された。

NTTドコモ 代表取締役社長の吉澤和弘氏

 同社の第1四半期の決算は前年同期比で増収増益。営業収益は前年同期比3%増の1兆1087億円、営業利益は前年同期比27.1%増の2993億円になった。営業利益を「通信事業」「スマートライフ領域」の2つのセグメントに分けると、通信事業は前年同期比27.3%増の2704億円、スマートライフ領域は前年同期比25.7%増の289億円だった。

 なお、第1四半期の営業利益2993億円には、「ずっとくりこし」などの減収要因が無くなるといった特殊要因が増益に影響しているとして、これらを除いた営業利益は2563億円になるとした。こうした特殊要因による影響は「想定の範囲内」として、織り込み済み。

 スマートライフ領域では、「dマーケット」について「まだまだ伸びていく」と自信をみせた。増益の営業利益289億円に占める割合は、コンテンツ系が3割、金融・決済系が1割、法人ソリューションが2割、あんしんパックなどの補償系が4割と説明されている。

 パートナー企業とコラボレーションを進める「+d」の取り組みは、6月末までに66件にまで事例が増加し、「共創を加速していく」とこちらも積極的に取り組んでいく方針。これに関連して、吉澤社長はかねてから言及しているAI関連の取り組みにも触れ、タクシーの需要予測についての東京無線や富士通との取り組み、九州大学やDeNAとの自動運転バスでの取り組み、総務省からの自動運転に関する実証実験の受託といった、AIや自動運転に関する3つの取り組みが説明された。

Pokémon GO、ARスマートグラスで対応?

 話題のゲームアプリ「Pokémon GO」については、決算説明の最後に言及。歩きスマホに注意してほしいという内容で、「歩きスマホや、自転車に乗りながら、車の運転中は、操作しないように注意していただきたい。さまざまな機会を捉えて発信していきたい」と、注意喚起を強化していく方針が示された。

「Pokémon GO」については、歩きスマホの注意喚起を行った

 また、「Pokémon GO」の利用とは直接関係はないものの、「Pokémon GO」をきっかけに小・中学生、高校生もスマートフォンを利用する機会が増えるとし、フィルタリングサービスなどを改めて強化したり整理したりする必要があるとの認識が示されている。

 一方で、現在も開発を続けているというARのスマートグラスにも触れ、「歩きスマホ(への対策)もあるが、我々自身が研究開発して商品化していきたい。東京オリンピックの観光や案内にも非常にマッチしている。しっかりと投資していきたい。関心をもって開発している」などとし、スマートグラスに再び注目が集まっているとして、2020年を目標に、開発を継続していく方針が明らかにされた。

 「Pokémon GO」をプレイするためスマートフォンの買い替えが促進されているのでは? との問いには、「データを取っていないので話はできない」とコメント。トラフィックについては「すごく増えている、ということではない。エリアに対しては若干影響を受けているが、基地局の容量に影響を与えるまでには至っていない」とし、トラフィックの面での影響は限定的とした。

公取の動き、MVNOの影響

 公正取引委員会が、高額なスマートフォンの分割払いなどに関連し、独禁法に関連した違法な例などの指針を出すと報じられている件については、吉澤社長は「通知を具体的に受けているわけではない。中身を見てみないと分からない」とした上で、「競争を本当に阻害しているのか、明確にしていく必要がある。条件がどこまでいけば“競争を阻害”と明確になるのかが、論点になるだろう」との考えを明らかにしている。

 MVNOの増加などの影響については、「全体的には(数が)増えている。年を追うごとに増えているのは事実。ただし2016年度の第1四半期(1Q)で見れば、去年の1Qに勢いがあったため、今年の1Qは去年と同じぐらいになっている」と、四半期でみれば一服しているとの見方を示している。

 ソフトバンクがY!mobileブランドでSIMカードの販売や格安系の料金競争を仕掛けている点について、対抗策を聞かれると、吉澤社長は「動きとして、ドコモからY!mobileに乗り換えるのはある。料金にセンシティブ(敏感)なユーザーにはそういう動きもある」とした上で、「完全なキャッチアップではないが、シェアパック5などで対応はしている」と、安価な方向の料金プランも拡充していると説明。「サービスをしっかり利用しているユーザーをドコモのお客様として維持したい。(Y!mobileなどへの)移行はゼロにはできない」と、収益性にも言及している。

 吉澤社長はこれに関連して、ドコモのユーザーからはフィーチャーフォンにも根強い支持があるとして、「LTEに対応したAndroidフィーチャーフォンを出す。秋には新プランも発表する」と発言。これまで個別取材などで検討を表明していたLTE対応フィーチャーフォン向けの新プランについて、秋にも具体的に発表することを明らかにした。なおこのプランは、FOMAのフィーチャーフォンユーザーの移行を意識した内容や価格になる見込み。

第1四半期決算 プレゼンテーション