インタビュー

「Redmi Note 11」発表のシャオミ、日本市場での“ローカライズ戦略”とは?

 シャオミ(Xiaomi)は4日、日本市場向けに「Redmi Note 11」を発表した。同社の東アジア担当ゼネラルマネージャーであるスティーブン・ワン氏は、発表にあわせて日本メディアの取材に応え、同社の歩みや今後の戦略について語った。

ワン氏

グローバル市場について

 調査会社Canalysによれば、シャオミは、2021年通年のスマートフォン出荷台数で世界3位となった。

 また、世界の企業番付「Fortune Global 500」には3年連続でランクイン。2021年は84ランク上昇し、338位となった。

 Androidベースのシャオミ独自ユーザーインターフェイス「MIUI」の月間アクティブユーザー数(MAU)は、世界中で5億を突破した。

 シャオミは研究開発体制をさらに強化すべく、1万6000人以上のエンジニアをR&Dセンターにおいて雇用した。また、今後の5年間で1.8兆円以上もの投資を行うという。

 そのほか、スマート電気自動車部門において、10年間で100億ドルを同部門に投資する。2024年には、最初の量産車が発売される見込み。

日本市場について

 シャオミは、日本市場における2021年を「スマートフォンを『再定義』する年」と位置づけた。

 ワン氏は、「『シャオミは安い製品しか提供していない』と誤解されているようだが、我々はユーザーに対してより多くの価値を提供することにチャレンジしている」と語った。

 同氏はその例として5G対応スマートフォン「Redmi Note 9T」を引き合いに出し、「日本初の5G対応エントリーモデルとして、新しいトレンドを生み出した」と胸を張る。

 シャオミは2021年の日本市場において、100万台以上のスマートフォンを出荷した。これは、前年比で500%増という数字になる。

 スマートフォン以外の製品について、ワン氏は「昨年から導入したウェアラブル製品において、スマートバンドやスマートウォッチが非常に好調」と語る。

 Canalysの調査によれば、2021年第4四半期、スマートバンドの国内市場におけるシャオミのシェアは2位。年間成長率は+225%となっている。

 続いてワン氏は、シャオミジャパンの公式Twitterアカウント(@XiaomiJapan)に関するデータを紹介した。

 2021年に、同アカウントのフォロワー数は12万人を突破。また、諸外国と比べても、日本ではシャオミに関連するツイートが多かったという。

今後の戦略は?

 ワン氏は、日本市場での2021年を「(我々にとって)基礎固めの年だった」と表現。

 そのうえで「多くの知見を得た」と語った同氏は、日本市場について「製品からマーケティング、販売に至るまで、非常に特殊」と語った。

 シャオミが長期的なスローガンとして掲げるのは、「100%グローバル 100%ローカライゼーション」。

 これは、グローバルメーカーとしての強みをフル活用しながらも、マーケティングや製品開発などでのローカライズも同時に推進していくという考え方だ。

 「我々には、グローバルメーカーとして日本に持ち込めるいろいろな強みがある」とワン氏。同氏はその例として、多数の製品ラインアップや、急速充電などの技術力を挙げた。

 ワン氏は、日本におけるスマートフォンの展開について、「すでに防水性能やFeliCa対応の日本向けモデルを出したが、まだ(ローカル化の)余地がたくさんある」とコメント。

 そのうえで、「日本向けにローカライズされた機能を追加するだけでなく、製品を丸ごと、つまりハードウェアもソフトウェアもあわせて日本市場向けに開発したいと考えている」と語った。

 また、「国内での将来的な小売店の開店も見据え、人材の増強やローカルチームの拡大など、ローカライズに努めていく」と意気込みを見せた。