【MWC Barcelona 2024】

ドコモ井伊社長とKDDI髙橋社長、競合の2人が「MWC」会場で“日本の存在感”アピール

井伊氏(左)と髙橋氏(右)

 27日(現地時間)夕、NTTドコモの井伊基之社長とKDDIの高橋誠社長が、スペイン・バルセロナで開催中の展示会「MWC 2024」で共同の囲み取材に応じた。

 国内では、長年にわたり競い合う両社。しかし、なぜ共同で取材に応じたのか、その背景について、井伊氏は「昨年、髙橋さんもこちらにいらっしゃったが、中国や韓国などのブースがすごく活況だった。日本の存在感を打ち出しませんか? とMWCへの出展を誘った」と、KDDIのMWC初出展のきっかけになったと語る。

 そして、井伊氏はKDDIブースについて「ブルーにコーディネートされたKDDIさんのブースでは、展示されているものがすぐグローバルで提供できると感じさせるものだった。1年目の出展にしてスゴいなと」と称賛。

 KDDI髙橋氏も「ドコモさんのブースは集客力が高い。AIやオープンRAN(携帯電話サービスの基地局設備などをオープン化する取り組み)などが話題になるなか、ドコモさんがNECさんと一緒に新会社を立ち上げてオープンRANを広めようとしていて、その意気込みもブースから伝わった。今年~来年はすごく重要な年になるような気がする」とした。

 日本国内だけに留まらず、MWCという場に出展することで「新しい動きも見える。社内ではMWCに対してモバイルだけというイメージを持つところもあるが、もうデジタルでつなぐ未来と、法人向けへすごくシフトしてきている動きを若手スタッフも感じられるのは、すごくプラス」と髙橋氏は初出展に手応えを感じた様子。

楽天とも手を取り合う可能性、そして「ソフトバンクさん待ってます」

 井伊氏は、ドコモとKDDIだけの会見になった一方、会場には楽天グループのブースもあり、三木谷浩史氏も来場していることを踏まえ「楽天のオープンRANのソリューションをドコモで扱ってもいいのでは?」と問われると「可能性はすごくある企業の戦略もあるが、楽天さんが持っているものも、本当は一緒になってできる」とと前向きなコメント。

 KDDIの髙橋氏も「三木谷さんと話したが、基本的にはオープンな姿勢で、ここで争っていてもしかたないとおっしゃっていた」と三木谷氏との会話からオープンRANでの協力関係に前向きな姿勢を歌えた。

最後に2人の手にあったのは、互いのブースで配られている、畳のコースター