ニュース
ドコモグループの入社式、NTT Comやコムウェアを含めた1200人の新入社員に向けて3社長がエール
2024年4月1日 21:45
NTTドコモとNTTコミュニケーションズ(NTT Com)、NTTコムウェアは、4月1日に合同入社式を都内で開催した。
2022年のNTTグループ再編により、ドコモグループとなったNTT Comとコムウェアの2社をあわせた対面での入社式は、2024年度が初の開催だという。3社合計で1225人の新入社員と各社の代表が一堂に会する機会で、当日は新入社員に辞令の交付も行われた。
ドコモ井伊社長「多様性をもってユーザーに期待以上の価値を」
ドコモの代表取締役社長 井伊 基之氏は、「情報通信業界は、変化と競争の激しい状況。キャッシュレスやチケットレス、ニュースも動画で見るのが当たり前となり、使われ方はどんどん身近になっており、それを支える安定したネットワークが求められている」と指摘。ドコモグループのスローガンである、「あなたと世界を変えていく。」を体現し、世の中から必要とされるドコモグループであり続けることが我々の使命とした。
井伊氏は、続いて新入社員に向けて「大切にしたい価値観を示した行動原則」を示した。「問い続けよう。お客さまと社会の未来のために。」、「踏み出そう。あなたの一歩を、変化の起点に。」、「かけ合わせよう。あなたの個性を、みんなのチカラに。」の3つの行動原則をそれぞれの仕事の中に意識して行動してもらいたいとコメント。
特に最後の「かけ合わせよう」については、「かけ合わせるのは大変と、自分だけで仕事をした方が楽だと思うかも知れないが、それだとやはり英知が足りない。コミュニケーションをとりながら、かけ合わせるための努力をしてほしいと思う」とした。
また、新入社員に向けて「多様性が大事。同じような人が集まっても、新しいものが生まれない。自分の個性をもっと磨いてほしい。自分のスキル、完成、知識をどんどん高めることで、かけ合わせる相手と大きな反応が生まれる」とし、ユーザーの期待以上の価値を生み出してほしいと語りかけた。
NTT Com丸岡社長とコムウェア黒岩社長も新入社員にエール
NTT Com 代表取締役社長の丸岡 亨氏は、「これまでいわゆる固定系のサービスを展開してきたが、今や世の中を動かす主軸となるのはモバイルで、法人顧客も全く同じ」と指摘。
社会の先行きが見通せない中でも、株価の上昇や日本企業の業績も上向いてきており、新しい時代の移行期、飛躍するタイミングだとし、新入社員に向けて「これまで経験してきたことや蓄えてきた知見を発揮し、一緒に新しいビジネスや顧客の期待を超えるサービスを提供していきたい」とコメントした。
コムウェア 社長の黒岩 真人氏は、同社が一昨年定めた新たな企業理念新たな企業理念「私たちは、未来を技術の力でデザインし、心がつながる豊かな世界を実現します」を挙げ、環境の大きな変化のスピードに負けないよう、ドコモグループの一員としてシナジー効果を発揮しビジネス拡大やDX化をソフトウェア技術でけん引していくとコメント。
新入社員に向けて「一人一人がプロフェッショナルとして、自らの力を磨いていくこと。果敢に新たなことに取り組んでほしい」旨と「広い視野をもつこと」を心がけてほしいと呼びかけた。
本人事部長、新入社員に「ユーザーの生の声を聞いてほしい」
ドコモ 総務人事部長の本 昌子氏によると、同社は入社1年目から副業を認めているという。1年目から副業できる企業は未だ少ない現状があり、新入社員の中にはこの副業可否でドコモグループを選んだ社員もいるとしている。
また、以前から総合職として理系/文系関係なく採用しているが、近年では実際の配属や、入社後の人事異動においても出身学科などにこだわらない配置を行っている。今回の新入社員から、内定~入社までにITスキルの初級資格ともいえる「ITパスポート」の勉強をするように促したといい、たとえば事務系社員が研究職に就くなど、人材の流動性も高まってきている。
社内ベンチャーについては、ドコモグループ発のスタートアップ輩出を目指す「ドコモスタートアップ」の仕組みを2023年に始動。実際に24年4月1日には、学習マンガ事業「LearningToon」、ファッション相談事業「coordimate」、次世代キャリア探索を支援する事業「はたらく部」の3社がスピンアウトしている。
また、入社3年目の社員を対象にした研修では、「社内業務効率化」と「新規事業立ち上げ」の2つのコースを用意しており、グループ内からのスタートアップ創出を図っている。
今回の新入社員の中には、学生時代を新型コロナウイルスの制限下で過ごした社員も多く、リモート学習などオンラインを前提とした仕組みで取り組んだ社員もいる。本氏は「ネットで情報をとろうと思えばすぐに取れるかもしれないが、今回入社式をリアル開催したのと同じように、ユーザーのニーズも“生の声”で聞くことがすごく大事だと思う。生の声でユーザーニーズがどう変化しているのかを感じ取れる力を養い、新しいビジネスにつなげていってほしい」とエールを送った。
新入社員から見たどこもグループ
新入社員から見たドコモグループはどうか?
ドコモでXR関連の部署に配属された新入社員の淵野 弘大氏は、入社動機を「新しいことにチャレンジできる。新しい分野でも事業展開している点が一番の決め手だった」とコメント。
NTT Comに出向し、主に法人事業を担当するという秦 ゆかり氏は「これからの社会の基盤となるインフラの役割が大きいという点で通信業界に注目し、なかでもドコモは『本当に個人一人一人を見てくれている』『全社を挙げて1人の人間として応援してくれるような社風』を感じ入社を決めた」とした。
一方で、実際に就職活動する前のドコモグループについて、NTTの設立経緯もあり、堅いイメージがあったという。
淵野氏は、「国由来の企業ということもありお堅いイメージを持っていた」が、実際には面接や先輩社員との会話などを通じ「本当に明るい会社。風通しも良く、上司と話す機会も多く、横だけではなく縦の繋がりも意識している会社」とコメント。
秦氏も、インフラを担う会社ということもあり、NTTグループ全体が堅いイメージを持っていたと言うが、人のぬくもりが感じられ、面接時も「無限の可能性がある若者を探している姿勢を感じた」といい、今後も日本や世界を巻き込んで柔軟に対応、変化していく組織と期待しているという。
淵野氏、秦氏ともに、本人が希望する部署への配属が決まっている。一方で淵野氏は「将来ほかにやりたいことや興味が出てきた際に、部署異動など自分のやりたいことができる場所にすぐに移れるのかが不安」とコメント。
秦氏は、法人営業に関わるうえで「顧客からみて自分がドコモの顔になるので、ミスをして信用がなくなってしまうことが不安。アセットなどをしっかり熟知し、何を聞かれても『私に任せて下さい』と言えるような人になりたい」とし、入社後も見据えた考えを語った。