【Mobile World Congress 2013】

Facebook対応の最新セキュリティアプリ、担当がよく聞く日本語とは?

 セキュリティ関連製品で知られるトレンドマイクロは、Android端末向けの最新版セキュリティ対策アプリ「Mobile Security 3.0」を発表した。まずは英語版が提供され、2013年第2四半期には日本語版も登場する予定だ。

写真右から、Khoi Ngyuyen氏、取締役副社長の大三川彰彦氏、Rik Ferguson氏

 「Mobile Security 3.0」は、Androidのスマートフォンやタブレットをさまざまな脅威から守るセキュリティ対策ソフト。クラウド上の情報を使って常に最新の脅威から守る技術が取り入れられている。フル機能が利用できる有料版のほか、機能を限定した無料版も用意されている。

 発表された最新版では、Facebookからの個人情報の流出を防ぐソーシャルサービス向けのセキュリティ機能が盛り込まれている。10億人を超えるFacebookユーザーのうち、モバイルから利用しているアクティブユーザーは6億8000万人もいる。しかし、3人に1人の割合で自身のセキュリティ設定については無頓着という。

 「Mobile Security 3.0」では、Facebookのセキュリティ設定が見直し、誰が個人情報にアクセスし、どのアプリが情報にアクセスしているのか、またFacebookに投稿した写真の公開範囲などがより手軽に設定できる。

 AndroidアプリにはGoogle Playだけでなく、さまざまなアプリ配信マーケットが存在する。各国のローカルアプリストアを通じて、有名なアプリを偽装しマルウェアをばらまく手口なども枚挙にいとまがない。アプリをダウンロードする際に、アプリ側が取得する情報についてよく確認せずに利用している状況もある。

 こうした危険性について指摘するトレンドマイクロのKhoi Ngyuyen氏(Head of Consumer Mobile Business)は、インストールしたアプリのリスクを3段階で評価する「Data Theft Scanner」機能を紹介した。プライバシーリスクの高いものについては、「Mobile Security」からアプリが削除できる。

プライバシーリスクのあるアプリを検出

 調査部門のVPであるRik Ferguson氏(Global VP Security Research)は、実際の脅威を体験してもらおうと、興味深いデモを披露した。

 あるアプリがスマートフォンに仕込まれると、悪意ある人がメッセンジャーアプリを利用して、マルウェアに犯されたスマートフォンを自由に操作できてしまうというものだ。たとえば、Android端末の通知バー部分に痕跡を残さずに、ディスプレイがOFFの状態で音声録音を行い、盗聴データしたものをパソコン側で再生できるという。

 Rik Ferguson氏はデモの中で、私が取材で質問している内容を盗聴してみせた。音声を聴いて思わず「怖っ!」と声が出すと、その言葉は彼にとって、とてもよく耳する日本語だと語っていた。

スマートフォンに変化はないが録音されている
録音データ

津田 啓夢