【Mobile World Congress 2012】
Android関連製品を展示するグーグルブース、今年も盛況


グーグルブース周辺

 「Mobile World Congress 2012」には、米グーグル(Google)も出展している。Mobile World Congress自体は業界関係者向けのイベントで、スーツ姿の業界関係企業のビジネスパーソンがほとんどという様子だが、グーグルのブースは雰囲気が異なり、遊び心満載な構成が特徴だ。ブース自体は会場のかなり端に位置しているにもかかわらず、来場者も多く、Mobile World Congressでもトップクラスの人気ブースとなっている。

グーグルブースは通路を挟んだ両面を確保している
グーグルブースの2階から。2階には休憩スペースやミーティングルームがあるブース内の様子。小さなコーナーがたくさん用意されている
Googleマップの紹介コーナー

 展示内容はグーグルが提供するAndroid関連製品、そしてサードパーティによる製品を紹介するコーナーとなっている。紹介されている製品数は非常に多く、ブース全体の広さは一定の規模ながら人がごった返している。時間帯によってはブース内の自由な移動すら困難なほど混雑していた。

 GoogleマップといったグーグルのAndroid向けサービスの展示もあるが、ほとんどはサードパーティによるコンテンツが占める。サードパーティはここで製品を展示することで、ブースを訪問する端末メーカー関係者や、プレスへその存在感をアピールし、ビジネスチャンスの拡大を狙っている。こうしたサードパーティの製品としては、Foursquareといった有名どころのコンテンツから、インディーズメーカーによるゲームコンテンツなど、さまざまなものが揃っていた。

Foursquareなど日本でもおなじみのサービスも展示されていた「Catch」というソーシャルサービス。クローズドなTwitter、というような感じで、仲間内での連絡などにも使えそうだ
ゲームコンテンツも展示されている。こちらは「Soul Craft」というハック&スラッシュゲームAndroid 4.0の独自機能を紹介するコーナーも用意されていた
RECON MOD LIVEを内蔵したゴーグル。スクリーンの色によっては、外見ではわからない

 ちょっと変わった製品としては、Android搭載のゴーグル「RECON MOD LIVE」が展示されていた。主にスキーヤーをターゲットとした製品で、ゴーグル内に内蔵するヘッドマウントディスプレイに各種情報を表示できる。速度や高度、地図、ジャンプ時の距離、気温といったスキーで役立つものに加え、ペアリングしているスマートフォンの通知情報なども表示できるようになっている。ディスプレイ部は取り外しでき、「RECON READY」をうたうゴーグルであれば取り付けられる。腕時計型のコントローラで表示する情報などを操作する。

ゴーグル右下にあるのがディスプレイユニット。本体を含め、すべてゴーグルに内蔵させられる

 RECON MOD LIVEは、Androidを搭載するものの、単独でのネットとの連携機能はない。しかしGPSや気温センサー、加速度センサーなどを内蔵することで、さまざまなデータを表示できる。Bluetoothを搭載し、スマートフォンと連携できるほか、ヘッドマウントカメラのファインダーとして活用することも可能。また、USBケーブル経由で専用のパソコンソフトから追加アプリをダウンロードすることもできる。

 すでに海外では発売中の製品だが、日本では販売代理店がいないため未発売。しかしオンライン販売は行われており、ブース内の担当者によれば日本への出荷もできるかもしれない、とのことだった。現在はスキーヤー向けの製品のみだが、将来的にはバイク向けの製品もリリースする予定だという。

実際にゴーグルを覗いたところ。レンズで焦点が調整されているので、外の風景と同時にピントが合う腕時計型のコントローラー。カーソルキーと決定キー、バックキーと、Androidと親和性の高い操作形式

ソニーのコーナー。このように、主要なメーカーは最新端末を展示、プレゼンテーションするコーナーが設置されている

 ブースには、各社のAndroid端末を展示するコーナーも設けられている。レノボ、ASUS、ZTE、ソニー、ファーウェイ、acer、LG、モトローラ、サムスン、HTCについてはメーカーごとのブースが用意されていたほか、ブースの奥では回転寿司風にさまざまなAndroid端末をディスプレイするコーナーも設けられていた。

回転寿司風の端末展示。取って食べられるわけではないが、一部の端末は手前に実機が用意されているあまり見かけない法人向けのAndroid端末も展示されている。このBizPadはパナソニックのブースですら展示していない

スムージーとICSを振る舞うバーカウンター

 こうした製品の展示以外にも、「遊び」を用意しているのが、Mobile World Congressにおけるグーグルブースのお約束になっている。まずブースのあちこちにAndroidのキャラクターである「ドロイド」が配置されているほか、ブースの中央には昨年と同じく滑り台が用意され、スマートフォンのケースにラインストーンを付ける加工をしてくれるドロイド、あるいはドロイドのぬいぐるみがもらえるクレーンゲームなど、さまざまな趣向が凝らされていた。

 ブースの一角にはバーカウンターも設置されていて、昨年と同じくスムージーが無料で振る舞われていたほか、今年は定期的に、Android 4.0のコードネームにちなみ、ドロイド型のアイスクリームサンドウィッチが配布され、グーグルブースの近辺では、このアイスクリームサンドウィッチを頬張る来場者を見かけられた。

昨年と同じ滑り台。滑り降りる瞬間をとらえる写真撮影サービス付きラインストーンを加工してくれるドロイド。産業用の多関節ロボットが左右に配置され、上半身のみの人型ロボットのようになっている
配布されているICS。2枚のチョコレートクッキーに分厚いバニラのアイスが挟まれ、ツノの部分はクリスピーなチョコレート。広い会場を歩き疲れた来場者に、適度な脂肪分とタンパク質、豊富な糖分を提供、などはともかく非常に美味しかった昨年同様、Android関連の展示をする端末メーカー/キャリア/ミドルウェアなどのメーカーのブースでは、受付に高確率でドロイドが立っていた。一部のブースではコレクション用のドロイドバッジ(ブースごとにデザインが異なる)も配布されていた

(白根 雅彦)

2012/3/1 11:52