【IFA2012】
Xperiaを中心に据えたソニーブース


ソニーブースの様子

 モバイルを事業の3本柱のひとつに据えたソニーは、ブース中央に「Xperia Tablet S」やXperiaスマートフォンを展示。コーナーを「Watch」「Listen」「Play」「Create」の4つにわけ、目的別に各機種の機能を紹介している。

 Xperia以外の関連製品も置かれ、機器連携を試すことができた。たとえば、「Listen」のコーナーにはNFC対応のスピーカーやヘッドホン、VAIOが、「Create」には「NEX-5R」があり、グループの一体感が演出されていた。「One Sony」を掲げる同社ならではの展示スタイルともいえるだろう。ここでは、ブースに置かれていた実機をもとに、29日(現地時間)に発表された「Xperia Tablet S」や、Xperiaスマートフォン4機種の詳細をレポートしていく。


Xperiaブランドで展開される「Xperia Tablet S」

Xperiaブランドで発売される「Xperia Tablet S」

 「Xperia Tablet S」は、昨年発売された「Sony Tablet S」の後継機にあたるタブレット端末。片側に重心を寄せるスタイルで、ボディにはアルミ素材を採用する。OSはAndroid 4.0で、ディスプレイは9.4インチ。NVIDIA製のクアッドコアCPU「Tegra 3」を搭載し、16GB/32GB/64GBとストレージの容量別に3つのモデルを用意した。IPX4の防滴仕様に準拠したのも、この機種の特徴。3Gの通信モジュール内蔵モデルも発売される。バッテリーは6000mAhで、Webブラウジングで約10時間の連続駆動が可能。サイズは241.2×174.4×8.8~11.85mm、重さはWi-Fiモデルが570g、3Gモデルが585gとなる。

 このモデルからXperiaのブランドを冠することになり、ソフト面での共通化も図られている。「Sony's media application」として、「WALKMAN」「Album」「Movies」の3アプリを内蔵。壁紙や時計などのデザインも、スマートフォンと統一化された。「Sony Tablet S」で好評のスモールアプリは継承。ダウンロードによって、アプリを追加することも可能だ。さらに、Androidの標準仕様にはないユーザー別の管理機能を搭載。ホーム画面や各アプリへのアクセス権限を設定できる。

メディアアプリや壁紙など、多くの機能やUIがスマートフォンのXperiaと統一化された
「Sony Tablet S」で好評だったスモールアプリは、さらに種類が増えている
アプリ一覧の画面はAndroid標準に近いデザインAndroid標準ブラウザのほか、Chromeも利用できるユーザー別にホーム画面やアプリを管理できる。ゲストモードの設定も可能になった
IPX4の防滴仕様がアピールされていたカメラは800万画素で、裏面照射型CMOSセンサーの「Exmor R for mobile」を採用Xperiaスマートフォンのテザリングをタブレット側から制御する「Xperia Link」というアプリも利用できる
「Xperia Link」のウィジェットが確認できる「Xperia Link」のスマートフォン側の様子ホーム画面は縦表示にも対応する
キーボードつきのカバーや、ドックスピーカーなど、さまざまな周辺機器が発売される

新発表のXperiaスマートフォン4機種

 ソニーモバイルからは、「IFA 2012」にあわせてAndroid 4.0を採用する「Xperia T」「Xperia TX」「Xperia V」「Xperia J」の4機種が発表された。

 中でも「Xperia V」は、画面サイズこそ「Xperia T」「Xperia TX」より小さい4.3インチだが、「モバイルブラビアエンジン2」や「HDR対応カメラ」といった新要素を備えた注目のモデルだ。投入地域の詳細は明らかにされていないが、LTEに対応しており日本での発売も期待される。CPUはデュアルコア、1.5GHz駆動の「MSM8960」。1GBのRAMや、8GBのROMを搭載する。カメラは13メガピクセルでセンサーには裏面照射型の「Exmor R for mobile」を採用。HDR撮影のほか、「Superior Auto」と名づけられたオート設定を備える点も従来のXperiaスマートフォンにはなかった特徴となる。音楽面では「Clear Audio+」に対応。「WALKMAN」「Album」「Movies」の3アプリを内蔵し、「Xperia Tablet S」と同様、スモールアプリでマルチウィンドウ表示を行える。サイズは129×65×10.7mm、重さは120gだ。

Xperia Vの外観。カラーバリエーションは3色
LTEに対応しており、通信方式を変更する設定も用意されていたメディアアプリは他のXperiaと同じソニー共通のものとなる。「Clear Audio+」などの技術にも対応
動画再生アプリHDR撮影や「Superior Auto」など、従来のXperiaにはない機能も
HDR撮影通知パネルには「Xperia GX」などと同様、Wi-Fi、Bluetoothなどスイッチが置かれる「Xperia V」のROMやRAM
RAMの表示「Sony Tablet」から逆に受け継いだ機能もあり、最近使ったアプリから、スモールアプリを呼び出せる
「モバイルブラビアエンジン2」や「Clear Phase」の設定が可能。NFCも搭載する

 「Xperia T」のスペックは、日本で発売中の「Xperia GX SO-04D」とほぼ同じだ。ただし、こちらはLTEに対応しておらず、バッテリーの取り外しもできない。LTE非対応のため、チップも「MSM8960」から「MSM8260-A」に変更となっている。ソフトウェア的な特徴は「Xperia V」とほぼ同じ。「WALKMAN」「Album」「Movies」といったアプリや、ミニアプリも備える。サイズは129.4×67.3×9.35mm、重さは139gとなる。

「Xperia T」の外観
内蔵されるメディアアプリは「Xperia V」と同じ
「モバイルブラビアエンジン」や「xLoud」などの機能を搭載「Xperia T」のそのほかの画面

 グローバルでボリュームゾーンとなる市場を狙ったミドルレンジの端末が、「Xperia J」となる。CPUは「MSM7227-A」で、シングルコアの1GHz駆動。カメラのスペックも5メガピクセルに抑えられ、「Exmor R for mobile」も採用されていない。一方で、4色のカラーバリエーションや本体下部のイルミネーションでカジュアル感を演出している。サイズは124.3×61.2×9.2mm、重さは124g。

「Xperia J」の外観。他の機種よりカラーバリエーションが多い
メディアアプリケーションは他のXperiaと同様に搭載

 なお「Xperia TX」は「Xperia T」とほぼ仕様が同じ派生モデルで、「大きな違いはデザイン」(ソニー説明員)になる。「Xperia TX」の方が日本の「Xperia GX」にデザインが近く、バッテリーの取り外しもできる。「Xperia T」「Xperia TX」は、世界各地のニーズに合わせて投入される。基本的にどちらか一方が採用され、同じ国や地域で同時に2機種が店頭に並ぶことはないようだ。

「Xperia TX」の外観。「Xperia T」よりも「Xperia GX」に近く、バッテリーも取り外せる「Xperia T」と「Xperia TX」では、外観のデザインに大きな違いがある

 また、「Xperia T」や「Xperia V」にはNFCが搭載され、対応機器同士のデータ転送や、ペアリングをスムーズに行える。ソニーのブースではこの機能も積極的に紹介。Bluetoothスピーカーやヘッドホンなども発売する予定だ。

NFCでXperiaと他のソニー製品を連携させている様子




(石野 純也)

2012/8/31 21:44