【CES 2019】
シャープが4年ぶりに「CES」出展、スマホやウェアラブル製品も展示
2019年1月11日 12:40
スマートフォン
スマートフォンとしては「AQUOS Zero」が展示されている。日本ではソフトバンクが販売しているが、台湾でも販売されることが決まっている。6.2インチディスプレイを搭載しながら、146gと軽量なことが特徴。展示としてはやや地味な感じではあるが、軽量なフラッグシップ級スマートフォンが最近では珍しいこともあり、来場者の興味を引いているようだった。いまのところAQUOS Zeroは日本と台湾以外での販売予定はないが、こうした展示もきっかけとし、そのほかの国へも展開することを目指している。
AQUOS Zeroの並びには、「RoBoHoN(ロボホン)」も展示されていた。こちらはキャッチーな見た目もあり、興味を引いているようだ。さらに技術展示としては曲がる有機ELも展示されている。今回のCESでは、有機ELの特徴を活かした、Royoleの折りたためるスマートフォン、LGの巻き取って収納される薄形テレビなどが展示・発表されており、同様に稼働状態で折り曲げられるデバイスとして注目されていた。
ネックスピーカー
シャープとしては珍しい、ウェアラブルオーディオの「AQUOSサウンドパートナー」シリーズも展示されていた。すでに日本やアメリカなどで発売中の「AN-SS1」に加え、未発売の新モデル「AN-SX7」も展示されていた。
同シリーズは、首にかけるオーディオデバイスで、「ネックスピーカー」とも呼ばれる新しいジャンルの製品。イヤホンが伸びてくるわけではなく、首から肩にかけて掛けるように装着して、本体に内蔵されたスピーカーで音楽などを聴く。ソニーやBOSE、JBLなどのオーディオメーカーもネックスピーカー製品を投入しているが、そうしたオーディオメーカーの製品は音質を重視し、やや大きな筐体になっても音に没入することを重視しているのに対し、シャープのAN-SS1は気軽に装着し、「ながら」で気軽に音楽などを楽しむことを目指している。
こうした製品コンセプトの違いから、AN-SS1は他社製品に比べると細くて薄い筐体で、一部に柔軟な素材を使うなど装着感も高め、カラーバリエーションも用意することで男女年代を問わずに使いやすくしている。他社製品は「音楽や映像を楽しむときだけ装着する」というような使い方に向いているのに対し、AN-SS1は「音楽を聴いていないときも常時装着していて、通話や音声アシスタントにも使う」というような、ヒアラブルデバイス的な使い方に指向している。
また、シャープの担当者によると、この製品の発売後に寄せられた意見から、耳の聞こえの悪くなったお年寄りなど向けのデバイスとしてのニーズにも注目しているという。たとえばこうした対策として、テレビの音を増強する据え置き型のワイヤレススピーカーが存在するが、そういった用途にAN-SS1を使えば、ほかの家族が居る中でも着用者だけ音をよく聞こえるようにする、といったこともできる。こうした用途向けにインターフェイスや音質などを変えたヒアリングエイド向けの製品展開も検討しているという。
ブースでは未発売の新モデルとして、より大型になり、音質を強化した「AN-SX7」も参考展示されていた。日本では2月以降の発売を予定しており、価格は未定だが、その内容からAN-SS1より安くなることはないという。
AN-SX7はより大きくなったスピーカーと独自のバイブレーションシステム(AN-SS1も似たものを搭載している)により、音質と臨場感をより高めており、よりエンターテイメント向けという意味で他社の製品に近いコンセプトとなっている。
ARデバイス
シャープブースではこのほかにも、昨年シャープが買収した東芝クライアントソリューション(今年1月より株式会社Dynabook)のモバイルPCなども展示されている。そのなかでは、業務向けウェアラブルコンピュータの「DE100」と、ヘッドマウントディスプレイの「AR100」も展示されていた。「dynaEdge」のブランドネームを持つこちらの製品も、シャープ傘下で継続していくようだ。
DE100はホルスターなどで身につけることのできる小型のWindowsマシンで、AR100に搭載されるディスプレイ・カメラ・マイク・スピーカーと連動する。AR100はVuzixと共同開発している製品で、見た目はVuzixの「M300」そっくりだが、M300がスタンドアロンで動作するスマートデバイスであるのに対し、AR100はディスプレイ(カメラなども付属)としての機能しか搭載されていない。