【CES 2019】
CAT phone、Push to Talk対応モデルやサーマルカメラモデル後継機を出展
2019年1月9日 19:33
CESなどの大規模なイベントに合わせる形で併催される「ShowStoppers」が、米ネバダ州ラスベガスで8日(現地時間)に開かれた。スマートフォンの分野では、日本への導入実績もある「CAT」ブランドの端末2機種が出展。いずれも、建設現場や工場などに導入される、高耐久性を売りにしたモデルだ。
2018年11月に発売されたという「CAT S48c」は、米キャリアでソフトバンクグループ傘下のSprint向けに開発されたモデル。ミドルレンジモデルで、落下の衝撃や高低温、水に強いという特徴は他のCATブランドモデルと同じだが、Sprintの「Push to Talk」サービスに対応していることも売りの1つだ。
Push to Talk(プッシュトゥトーク)とは、トランシーバーのように片方向の通話ができる機能のこと。順番に音声を送り合うことで、コミュニケーションが取れる。米国では法人のニーズが高い。同種のサービスは、かつてドコモが「プッシュトーク」を、auが「Hello Messenger」を展開していた。Sprintが提供しているのは、「Sprint Direct Connect Plus(SDC Plus)」と呼ばれるPush to Talkサービスになる。
同サービスは1対1の通話だけでなく、最大500人にブロードキャストで音声を送信可能。モバイルネットワークだけでなく、Wi-Fi経由でも利用できる。CAT S48cが対応しているのはこのSDC Plusで、側面にはアプリが割り当てられている専用ボタンを搭載する。なお、CAT S48cは、現時点でSprint専売だが、他キャリアへの展開も検討しているという。
ShowStoppersに出展されていたもう1台のモデルが、昨年7月に発売された「CAT S61」だ。同機は、スペイン・バルセロナで開催されたMobile World Congress 2018で発表されたモデル。ベースとなるチップセットやメモリ容量はCAT S48cと同じだが、赤外線サーマルカメラやレーザー支援距離測定計、屋内空気質センサーといった“飛び道具”的な機能を備える。
スマートフォン1台に、専用のセンサーや計測器をまとめてしまうというのがこのモデルのコンセプトだ。IP68の防水防塵を仕様で、MIL規格(MIL-STD-810G)にも準拠している。会場の説明員によると、建設現場などへの導入が多いという。バッテリーは4500mAhと大きく、5.2インチ、フルHDのディスプレイは、濡れた指や手袋をつけた状態でも反応する。
CATブランドのスマートフォンは、オンキヨーが販売代理店を務める形で日本に導入されているが、ShowStoppersで紹介されていた2機種が発売されるかは未定。会場の説明員も北米担当だったため、詳細は不明と語っていた。