【CEATEC JAPAN 2010】
KDDI、ソニー・エリクソン製LTE端末やEVDOマルチキャリアを紹介


LTEの検証用試作機。下り62Mbps程度の通信が可能という

 KDDIブースでは、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のLTE方式対応検証用試作機を使ったデモが実施されている。

 2012年夏、総務省の周波数再編が完了する予定となっている。KDDIでは、再編で空く800MHz帯と、都市部では1.5GHz帯を補完的に使うことで、2012年12月頃を目途にLTE方式による通信サービスを開始するとしている。

 今回ブースでは、基地局シミュレーターを使って、ソニー・エリクソン製のLTE端末(試作機)で受信した映像を表示するデモが実施された。なお、デモは1.5GHzを使ったもので、試作機は800MHz帯もサポートする。

 なおKDDIでは、音声通話については従来どおり、CDMA2000方式を採用し、データ部分をEVDOマルチキャリア、LTE方式とステップアップしていく方針となっている。



 またブースでは、EVDOマルチキャリアのデモなども実施されていた。EVDOマルチキャリアとは、EVDO Rev.A(1.25MHz幅)の搬送波を複数つかむことで高速化を実現するというもの。搬送波のことをキャリアと呼ぶため、最大3つの搬送波が使える「マルチキャリア」というわけだ。

 KDDIでは、基地局のマルチキャリア化を進めており、EVDOマルチキャリア対応端末では、1つの基地局で都市部で3つ、地方で2つの搬送波が使える。EVDO Rev.Aは1つの搬送波では下り次第3.1Mbps、上り最大1.8Mbpsとなるが、3つ使えるようになると、通信速度は下り最大9.2Mbps、上り最大5.5Mbpsになる。

 今回ブースでは、EVDOマルチキャリア対応モデルと通常携帯電話で、通信速度の違いを紹介していた。EVDOマルチキャリア対応モデルは2010年秋冬モデルから順次展開される予定という。


 



(津田 啓夢)

2010/10/6/ 13:36