本日の一品

出張などでの持ち歩きに最適なUSB扇風機

 毎年この時期になると、各社のUSB扇風機のラインナップを見比べつつ、今年はどれを買うべきか品定めするのが、筆者の恒例行事となっている。今年は、昨年購入した無印良品の二重反転式USB扇風機(関連記事)を継続して使用しており、自宅用についてはとくに買い替える予定はないのだが、地方遠征時にホテルで使える、持ち歩きができるタイプを新しく調達しておこうと考えた。

製品本体。色はホワイトだが、ウェブを見る限り同一デザインの色違いモデルは多数存在するようだ

 最終的に選んだのが、今回紹介するドウシシャの「FSQ-101UWH」である。Amazonで評価が高い「PPM-1081UWH」の新モデルという位置付けらしく、写真を見る限り外見はそっくりだが、価格は若干安く設定されている。

 USB扇風機といえば、そのほとんどが据え置き用であり、持ち運べるタイプとなると、USB扇風機の黎明期から存在する、フレキシブルアーム式のモデルくらいだ。もっともこちらは風量がまったく足りず、実用性は皆無に等しいため、市場からも姿を消しつつある。今回は多少かさばるのを覚悟で、十分な風量が得られ、そしてバッグへの収まりがよいという条件で探した結果、見つかったのがこのモデルだったというわけだ。

CDとの比較。写真で受ける印象よりも大きい。もうひとまわりほど小さくてもよいかもしれない
ACアダプタと専用USBケーブルが付属する
風量は弱と強で切り替えられるが、通常は弱のまま固定して使うことになるだろう

 このモデルは、5インチサイズの工業ファンを使用しており、風量は2段階で調節できる。弱でもかなりの風量があり、なおかつ騒音も少ない。個人差はあるだろうが、そのまま就寝しても気にならないレベルだ。強にするとやや風切り音が目立つが、そこまでの風量が必要なシチュエーションはかなり限られるので(暑い外出先から戻った直後や風呂上がりくらいだろう)、実用上はとくに問題はない。

 本体サイズは、ベースを展開した状態でほぼA5サイズとそこそこ大きい。厚みも相応にあるが、フラットにすると余計な突起もなく、バッグに出し入れする際にほかの荷物に引っ掛かかりにくい。持ち歩きに適していおり、オフシーズンに引き出しに片付けておくにも場所を取らない。収納しやすいスクエアな形状でありながら、風量や静音性が一定のレベルに達しているUSB扇風機は貴重であり、それだけで買いと言っていい。

角度は2段階で切り替えられる
ベースを広げてフラットにした状態。バッグや引き出しなどへの収まりはよい

 本製品のもう一つの利点は、電源が3WAYであることだ。USB給電のほか、ACアダプター駆動、さらに単3電池4本でも動作する。本体側のコネクタが独自形状で、市販のUSBケーブルを使用できないのはマイナスだが、ACアダプターと兼用になっているために、やむを得ないところだ。ふだんから単3電池を入れておけば、ケーブルを持参し忘れたり、あるいはケーブルが距離的に届かない場合でも、単体で使用できるので重宝する。

本体側のコネクタは専用形状。市販のUSBケーブルを使うことはできない
ベース部に単3電池を4本収納でき、単体でも運転が可能

 そんなわけで、厚みや独自形状コネクタなど、マイナス要素もなくはないものの、ほかのUSB扇風機と比較しても、風量と静音性のバランスは良好な部類に入り、トータルではかなり実用性に富んだ製品というのが、地方遠征も含めて2週間ほど使ってみた筆者の評価だ。構造上、首振り機能はない。ほかのUSB扇風機と比較する時には、そこがネックになりそうだが、候補の一つに加えてみてほしい製品だ。

工業用ファンをベースとしており、風量と静音性のバランスのよさも納得だ
製品名販売元購入価格
FSQ-101UWHドウシシャ2130円

山口 真弘