本日の一品

口笛に応えてくれる、ローテク遺失物防止キーファインダー「DETECTIVE」

 ヒトは、手にものを握って持つことのできる珍しい動物だ。なおかつ器用な手を使って、過去いろいろな衣服や道具等を創りだしてきた。便利な小物を持ち歩くために洋服や鞄にピッタリのポケットというミニストレージを考えだし、そこにオンザウェイや目的地で使うと便利なモノを収納して移動するのが普通になった。

 記憶に限度のあるヒトは、当然、立ち寄ったいろいろな場所で、取り出したモノを見つけられなかったり、置き忘れてしまうことは頻繁だ。そういう人の管理限界を超えたケアレスミスを事前に防いでくれたり、探索機能を支援してくれる商品が巷にはあふれている。

ハイテク系紛失防止機器のCobra Tag(左)と本日ご紹介するローテク系紛失防止グッズ「DETECTIVE」(右)
バッテリーはボタン電池3個を使用

 日本古来の「根付」やキーチェーンがその代表格だが、最近では無線テクノロジーを取り入れてそれらを実現しているものも多い。特にスマートフォンがBluetooth無線テクノロジーやNFC(Near Field Communication)機能を搭載するようになって、このあたりの商品は一気にその進化を加速してきている。

 電波の届く距離に限界がある無線技術の制限を利用した遺失物事前防止アイテムも多い。ただし、多くの場合、人が持つスマートフォンにアプリケーションを事前導入し、そこそこ複雑な初期設定を行う必要のある面倒なモノがほとんどだ。

 今回ご紹介する「DETECTIVE」(探偵)という商品は、昨今のスマホにも、アプリケーションにもまったく関係のないローテク商品だ。ボタン電池3個で動作するキーホルダーのような形状のDETECTIVEには電源のオン・オフスイッチと内蔵スピーカーしかない。

 使い方はきわめて簡単だ。DETECTIVEの電源をオンして、対象物である「鞄」や「キーホルダー」(鍵)などの絶対になくしてはならないものに取り付けるだけだ。そして、目的の対象物を見失ったら、その場で、大きな音で「口笛」を吹く。

ハイテク、ローテク、当然ながら取り付ける対象は同じようなものなのでサイズも近い
昨今のハイテク系は基本的にBluetooth無線を活用したスマホ連携がメイン
ローテクは超ハイテクの塊のような人間が対象パートナーなのでシンプル
本体には電源スイッチとスピーカーしかない

 電源オンでセンサー機能が動作しているDETECTIVEが、貴方の吹いた口笛を感知する距離は約10メートル、これはBluetooth技術で電波の届く距離とほぼ同じだ。しかし、DETECTIVEではBluetooth系の遺失物探索ガジェットのように、ペアとなるスマホやBluetooth腕時計のややこしい操作は不要だ。

 必要なのは「口笛」だけ。口笛を吹けば、どこかの物陰に置き忘れていたキーホルダーに付けたDETECTIVEが「ブォーン・ブォーン」なんてエンジン音を立ててくれて、本来の持ち主に大事なモノの在り処を教えてくれる。

 昔のテレビ番組で、西部劇のヒーローが口笛を吹いて愛馬を呼び寄せたり、三国志の趙雲が口笛を吹いて、愛馬「白竜」を呼ぶのと同じことが、21世紀に生きている貴方にもできてしまうのだ。

 最先端テクノロジーは人類共通のきわめて有用なリソースだが、人そのものが自然と持っている口笛は、言語やカントリーの選択、設定作業の不要なグローバル・コミュニケーション・ランゲージなのだ。捜索隊に震災の瓦礫の中から気づいてもらえるかもしれない大きな口笛を吹く練習を今日からしておこう。

製品名購入場所購入価格
DETECTIVE サウンド付きキーファインダー神保町・三省堂本店(文具売り場)2940円

ゼロ・ハリ