大きいことは良いことだ! 「ニンテンドー3DS LL」


ニンテンドー3DS LLとニンテンドー3DS。並べて見ると大きさの違いが一目瞭然

 「ニンテンドーDS」の後継機が軽量・小型化した「ニンテンドーDS Lite」であったように、多くの人が「ニンテンドー3DS」の後継機は「ニンテンドー3DS Lite」であろうと予想する中、新たに登場したのは大型化した「ニンテンドー3DS LL」だった。この事は多くのゲームファンに衝撃を与えたように思う。筆者もびっくりした一人だが、製品の写真を見てムムッと唸り、注文して手元に届いたものを確認し、これは「ニンテンドー3DS」が進化して辿り着いた完成形だ! と考えるに至った。今回は是非、その感動をお伝えしたい。

 「ニンテンドー3DS LL」(以下、3DS LL)は、言わずと知れた任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」(以下、3DS)だ。3DSの本体サイズが横134×縦74×厚さ21mmなのに対し、3DS LLの本体サイズは横156×縦93×厚さ22mmとおよそ二回りほども大きくなっている。ただ、厚さがほとんど変わらないせいか、実物を見ると「大きくなった」というより「横に広がった」という印象を筆者は受けた。当然、画面サイズも1.9倍ほどに大きくなっているわけだが、筆者は3DS LLの上画面における「ベゼルの狭さ」を特に気に入っている。3DSにおいて上画面の左右を大きく占めていた「余白」が狭くなった事で、より視界いっぱいに画面を感じられるように思うのだ。もちろん大型化により画面が見やすくなった事は言うまでもない。

 改善点はこれだけではない。ニンテンドーDSシリーズでお馴染みの「タッチペン」の収納場所が、本体背面から右下に変わった点も見逃せない。要するに「ニンテンドーDS Lite」と同じ位置になったわけだが、DS Liteに慣れ親しんだ身にはやはりこの位置にあるのがしっくりくる。3DSで伸縮式であったタッチペンが一本の長いペンに変更になった点も良い。何気ない変化ではあるが、実際にゲームなどで遊ぶ際の小さなストレスが無くなるのは大きい。これらタッチペンの収納場所と長さの変更は、初代DSがDS Liteに進化した際にあった変更点と同じだ。だからこそ筆者は、DS Liteの後継機種「ニンテンドーDSi」の追加ラインナップとして「ニンテンドーDSi LL」が出た時とは異なり、3DS LLは3DSの進化形だと考えるに至ったわけである。

 この他、下画面の下部にあった「START」「HOME」「SELECT」の3種のボタンが押しやすいボタン形状になった。十字キーの下部に十分なパームレスト部分ができたことにより、十字キーを使うゲームが遊びやすくなっている。本体の端の形状が丸みを帯びたデザインに変更されたことにより、長く持っていても手のひらが痛くならない。画面の3D深度を調節するスライド式の3Dスイッチは、ON/OFFの際に軽いとっかかりがあり、鞄の中などで勝手に3Dスイッチが動いてしまうのを防止している。付属するSDHCカードは、2GBから4GBに大容量化した。そして、ツヤ消しの表面加工は指紋や手の脂が付きにくくなっていることなど、細かい改善点を挙げれば枚挙に暇がない。そして何より、本体の大型化に伴いバッテリー容量も増えたことで、バッテリーの持続時間も長くなっていることは嬉しい限りだ。

 これまで3DSの購入を見送ってきた方、もしくはこれからどちらを買おうか迷われている人には、筆者は3DS LLを強く推したい。筆者と同年代の30代後半以上の方には尚更だ。3DS LLの落ち着いた佇まいは、むしろ大人が持つに相応しいように思える。ともに「鬼トレ」に励み、脳のトレーニングに励もうではないか! 3DS LL、間違いなくオススメの一品である。


本体は大きくなったが薄さはほとんど変わらない。なので薄くなった印象すら受けるタッチペンの収納場所が本体背面からDS Liteと同じ右側面に変更になった。ゲーム中でもさっと取り出せる。
3D表示の深度を切り替えるスライダのこの部分に軽い引っかかりがありON/OFFのスイッチになっているSTART/HOME/SELECTもボタン形状になり押下しやすくなった
筆者が愛して止まない3DSソフト「世界樹の迷宮4」。画面が大きくなって実に地図が書きやすい!

 

製品名製造元購入価格
ニンテンドー3DS LL任天堂1万8900円

 

 

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2012/8/3 06:00