iPhone/iPadで地デジが見られる!
最近のAndroid端末は、DTCP-IP対応のDLNAクライアントなんかを搭載できるものも多く、レコーダーで録画した、ワンセグではない地デジ、いわゆるフルセグの番組を楽しめたりする。うらやましい。
デジタルTVチューナー(SB-TV02-WFPL) |
配線は有線LAN、電源、アンテナ×2。付属するB-CASはミニ仕様 |
しかしそこはやたらと周辺機器が充実しているiOSワールド。ソフトバンクBBで販売されている「デジタルTVチューナー」を使えば、iPhoneやiPadで地デジやBS、CSを視聴できるようになる。
「デジタルTVチューナー」は、無線LANアクセスポイント機能を内蔵した地デジ放送チューナーユニットだ。放送中の映像がWi-Fi経由で転送され、iPhoneやiPadの専用アプリで視聴できるようになっている。「自宅内の好きな場所で、iPhone/iPadを使って地デジを見る」という感じで使う製品だ。
使い方はわりと簡単。まず各種の配線を済ませた「デジタルTVチューナー」に対し、iPhone/iPadのWi-Fiで接続し、あとは専用アプリをインストールして起動するだけ。初回起動時はチャンネル設定やファームウェアのアップデートなどで時間がかかるが、とくに面倒な操作は必要なく、そのまま地デジを視聴できるようになる。「デジタルTVチューナー」に用意されているLAN端子に有線LANケーブルを接続すれば、地デジを視聴しながらインターネットにもアクセスできるようになる。
ちなみに、販売元はソフトバンクBBだが、利用するiPhone/iPadは、ソフトバンクが販売するものでなくてもかまわない。SIMロックフリーのiPadにNTTドコモのSIMを挿していても利用できた。別売りのソフトウェア「StationTV i for Mac」(ピクセラ製)を購入すれば、ディスプレイ一体型のMacでも「デジタルTVチューナー」で受信した地デジを視聴できる。
映像は転送時にH.264に変換されているとのことだが、解像感はそれほど落ちていない。ただし、iPhone/iPadともに画面が16:9の比率ではないので、視聴時には黒枠付きにするか中央拡大するかを選ぶことになる。端末が縦向きでも視聴可能で、画面下半分にWebブラウザを表示させる「ながら見」も可能だ。
iPadでの視聴画面(モザイク処理あり) | iPhoneでの視聴画面(モザイク処理あり) |
「デジタルTVチューナー」には録画機能がないので、それだけに使い勝手はシンプルで分かりやすい。接続機器の登録、みたいな手順は必要なく、同時に使わなければ複数のiOS機器を使い分けられる。
地デジの仕様に起因する制約としては、視聴中は音声や映像をAirPlay機器やBluetooth、HDMIアダプタに出力できないようになっている。iPhone内蔵のスピーカー以上の音質を求めるとなると、イヤホン端子を使うしかない。
少しだけ制約はあるものの、簡単にiPhone/iPadで地デジを楽しめるのは便利だ。
各種設定もアプリから。iOSに慣れていると、わかりやすくて操作もしやすい |
例えばテレビを見ている際、ヤンごとなき腹痛でトイレに移動せざるを得なくなっても、トイレにiPhoneなりiPadを持ち込めば、トイレ的な意味で戦いが長引いたとしても、重要なシーンを見逃すことはない。
また、自宅などでメインのテレビがほかの用途に占有されていても、テレビ放送を見られるのは重要なポイントだ。家族がほかの番組を見ているときはもちろん、据え置きゲーム機をプレイしているときにも、拳で語り合うことなく、手元で自分が見たい番組を見られる。
価格は、今回紹介した録画非対応の「デジタルTVチューナー」が実売価格で1万3000円程度。録画対応モデルもあるが、そちらは実売価格が1万8000円で、USBハードディスクを別途用意する必要があるので、必要なコストはちょっと上がる。しかし、どちらにせよ、iOS機器で地デジの“フルセグ”が見られるというのは、それだけでかなり便利だ。決して安い周辺機器ではないかもしれないが、利用環境によっては価格以上の価値があるので、テレビ好きなiPhone/iPadユーザーは購入を検討してはいかがだろうか。
2012/8/6 06:00