シンデレラ姫でなくても使える「ガラスの定規」


セレクト文具というジャンルに入るステーショナリー

 仕事でも趣味でもモノの寸法を測ることはめったにないのだが、筆者はかなりの定規フェチだ。さすがに自宅のデスクで1メートル定規を使うことはないが、50cm、40cm、30cm、15cm、12cm、10cmなどの定規は数え切れないほどたくさん持っている。

 定規は正確な寸法を測定することが目的だから、昔は寒暖の差や湿気の影響を受けにくい「竹」を使うことが多かったが、昨今はプラスチック素材をはじめ、アルミニウムやカーボン、真鍮、それらのハイブリッドモノも多く見掛ける。

 そんな筆者が最近購入した定規は、シンデレラの靴と同じ、ガラス製の「グラスルーラー」だ。 使用している素材は通常のガラスを720度で加熱し、冷却した、対衝撃強度を増した強化ガラスだ。当然ながら温度変化や湿気にもきわめて強く、強化ガラスゆえにカッターなどを使用する際のガイドとしても充分使えるクオリティだ。

 定規表面の寸法表記は、ガラスにミリとセンチメートルの目盛りを刻み、同時に1cmから15cmまでの文字を刻み、黒と白のインクを流し込んだ構造になっている。定規を使う時、下地の紙などが白っぽくても黒っぽくても、定規に刻まれた白黒いずれかの寸法表記を見ることで極めて見やすくなっている。
  
 厚さは電子ノギスで実測したところ、確実に5mmはある強化ガラスだが、高い位置からの落下、しかも落ちた場所がコンクリートのように極めてハードな床なら、運悪く割れてしまう危険性があるので、やはり取り扱いには少しの注意は必要だ。

 組み合わせるステーショナリーは、高級なモノが似合うのはある程度想像されるが、ガラスの持つクールな印象や質感、伸縮のない正確さなどから、製図用などのペンや芯ホルダーなどとの組み合わせも良いだろう。

 筆者は常にグラスルーラーの表面の曇りをぬぐい去ることもできる専用のケース(付属)に入れ、他のペンなどと一緒に革製ポーチケースに入れて常時持ち歩いている。グラスルーラーは、ごく普通の定規に比較すると30倍ほど高価だが、取り出す度に気持ちの良い手触りを楽しむことができるエレガントなガジェットだ。

多くの定規を持っているが「ガラス素材」は初めてだ目盛りや文字は、白と黒が両方描かれていて、下地の色が明るくても暗くても読み取りやすい
タイトな専用ケースが付属。ガラスの曇りを拭き取るにも最適な布製だ一緒に持つモノを多少選ぶ傾向があるが、意外と安いペンなどとのはずし組み合わせなども楽しいだろう

商品名実売価格購入場所
グラスルーラー2940円秋葉原アトレ「デフリシュール」

 

 

(ゼロ・ハリ)

2011/8/3 06:00