“Macなデザイン”のポータブルRAIDユニット


一般的な2.5インチのポータブルHDD(左)とサイズを比較。結構小さくないですか?

 パソコンを抱え出張で国内外に出かける際に一番悩むのは、データ管理だ。金では買えないデータが吹っ飛んでは元も子もない。出張時のデータ保護の方法といえば、2台のPCでデータを同期したり、外付けのHDDやDVD±Rなどにバックアップをとるという方法が思い浮かぶ。しかし、毎晩しんどい出張では正直いって、時々怠けてしまう。

 「ここなら盗まれることはない!」と信じられる国や場所に行く場合、ほかに心配なのはディスクが壊れてデータが吹っ飛ぶことくらいだろうか。それを防止すべく、個人的にはHDDを複数台備えたRAIDユニットを常に欲していた。それも、RAID 0(ストライピング)ではなく、RAID 1(ミラーリング/二重化)で利用するものだ。バッファローのLS-WSGLシリーズという2.5インチHDD搭載のポータブルなRAIDのLinkStationもかなりそそられたのだが、ネットワーク接続が前提だけに「荷物にLANケーブルも加えるのは面倒かも」と、少々様子見だった。

 ある日偶然、パソコン周辺機器売り場で見つけたのが、Mac向けにデザインされた雰囲気の、Windowsでも使えるポータブルなRAIDユニット「G-RAID mini」だ。米国メーカー「G-Technology(代理店はASK)」製で、Mac用にデザインされたためか、インターフェイスはUSB2.0のほか、IEEE1394(FireWire)とeSATAがある。

 パッケージには「バスパワー」というそそられる文字が。「バスパワー」というと枕詞のように「USBのバスパワー」と思うかもしれないが、この製品、そもそものデザインがMac向けに作られた製品だけにバスパワーとは「IEEE 1394(FireWire)のバスパワー」を指す。ならばIEEE 1394増設カードを導入しようということになるが、筆者が使うのはノートPC。少々古いノートPCにはCardBusスロットはあるものの、増設カードにバスパワー用の電源は供給はできない(ACアダプターが必要)。結局筆者のPCでは、USBで接続+G-Raid mini本体用のACアダプター、という組み合わせで使っている。

 Mac向けに作られた製品なので、PCで使うにはまずはフォーマットから始める。RAIDだからか、なかなか時間がかかる。後には「RAIDレベル」でRAIDの設定を選択するが、これはWindows・Mac向けの専用のソフトをインストールし、そこからコントロールする。英語のパッケージで、付属のCD-ROMにドライバーは用意されておらず、英文のメーカーサイトからダウンロードしなければいけないのは少々厄介だった。

 使えるようになれば、「小さく軽い、おまけにMacっぽいデザインのRAIDユニット」であることから、物欲はしっかり満たしてくれた。外出用に持ち出したいという筆者のような人間は満足。本来のターゲットであるMacユーザーにもお勧めできそうだ。

本体背面のインターフェイス。ポータブルだがいろいろある専用レザーケースも付属
実にシンプルなRAIDレベル変更ソフト

 

製品名製造元購入価格
G-RAID miniG-Technology1万2800円

 

(山谷 剛史)

2010/10/13 06:00