ベルトだけで時計本体が見当たらない腕時計「LED Watch」


ベルトのコマとコマの間の溝部分に青いLEDが仕掛けられている

 腕時計には歴史と共に変化したモノもあるが、何百年経っても変わらないモノもある。普遍的に腕時計と呼ばれているモノは、時刻表示を行う「腕時計本体」と、本体部分を腕に固定するための「ベルト部分」の2つの部分から成り立っている。

 時刻表示を2本か3本の針を使用するアナログ表示から、英数字を使用するデジタル表示に移り変わっても、腕時計の基本的構造はなんら変わっていない。昨今、注目を集めるデザイナーブランドの腕時計の中には、時刻表示部分をベルト部に同化させたバングルタイプの腕時計も見かけるが、ベルト部分と本体が完全に一体化したモノはまず見当たらない。

 本日の一品は、きわめて強いデザインベクトルを持った台湾製の無名の腕時計だ。国内でデザイナーズ・プロダクトを多数扱うウェブショップでも「LED Watch」と名付けられたデザイン・ウォッチの出荷予定を発表してはいるが、すでに3年近くも“Coming Soon”のままの状態だ。

 台湾製の「LED Watch」は、かなりごついシルバーのベルト部分と腕時計本体部分が一体化したデザインだ。中央にある腕時計本体部分がベルト部分より相当分厚くなっている。腕時計本体の時刻表示部分はベルト部分と同様のコマの連続模様になっており、コマの隙間の二桁の“8の字”部分がLED表示機構になっている。

 分厚い時計本体部分の右側面には2つのプッシュボタンがあり、上部のボタンを1回押すことで、現在時刻が「時・分」の上下2段形式で3秒間ほど表示される。同じボタンをダブルプッシュすることで、同じLED表示部分を使用して「月・日」が表示される。

 腕時計の時刻表示のアイディアとしては、従来から存在した手法ではあるが、現在、存在するテクノロジーだけでは、実現はかなり難しい仕組みだ。プラクティカルな実現方法を考え続けて3年間近くを経過してしまう日本企業と、多少乱暴でも、とにかく今できる方法で作ってしまう台湾・中国企業の実行力の差なのかもしれない。

 登場スピードでは負けても、より洗練されたデザインフィニッシュで、国産「LED Watch」の登場を心待ちにしたい。

撮影すると時計本体とベルト部分の区別は明確だが、パッと見にはわかりにくいやや側面から見ると、時計の本体部分はかなり分厚いことがわかる
ボタンを1回押すと、このように時刻が3秒間ほど表示される。今は「8時38分」を表示ボタンをダブるプッシュすると月日を表示する。今は「8月29日」を表示

商品名実売価格購入場所
LED Watch1200円オークションサイト

(ゼロ・ハリ)

2010/10/12 06:00