本日の一品

結線よりストーンが勝ち! キラキラUSBケーブルを手に入れた

 筆者が初めてUSBという言葉を聞き、実物を見たのは、1996年秋、ラスベガスで開催されたCOMDEXだった。キーボードやマウスとパソコンをつなぐ仕組みとして紹介されていた記憶がある。

 1998年頃には、太くて端子のピンがやたら多かったプリンターケーブルにも、USBへの世代交代を感じ始めた。2007年にはmicroUSBが登場。その後のスマホ普及とともに、USBケーブルはデータを運ぶだけでなく、毎日使う充電の道具になった。

 端子の形は変われど、その役割は今も変わらない。そんな実用品が、とうとうアクセサリーの領域へ踏み込んできた。今回手に入れたのは、結線図より先にストーンの輝きが目に飛び込むUSBケーブルである。

豪華なデコケースと虹色ケーブルの組み合わせ(AI生成イメージ)

 Type-Cが身近になった2018年頃から、筆者にはUSBケーブルの売り場が急ににぎやかになったように見える。

 秋葉原でもネットでも、電力や転送速度を競う製品が並ぶ。ガジェット好きで勝手者の筆者は、ある日はスペック、別の日は見掛けに負け、回遊するたびにケーブルを買い足している。

電力や転送速度など、技術を優先して選んだケーブルたち

 エンジニアでも商品企画担当でもない筆者が、手元の品々を勝手に分類すると、まずは技術ファーストの真面目なケーブル。次にスイッチ付きや光るものなど、機能や外観にひとひねりあるケーブルだ。

スイッチ付きなど、機能や外観にひと工夫あるケーブル

 さらに、スマホとSSDやモバイルバッテリーを近距離でつなぐショートケーブル。ブレスレットやキーホルダーになるものもあり、短さ自体が個性になる。

短さや携帯性にも個性が出るショートケーブルたち

 そして最近、筆者のネット徘徊に引っ掛かるのが、見た目を徹底的に飾った姫系、デコ系のケーブルである。透ける被覆や編み込みも楽しいが、今回はその先へ進み、Temuでラインストーン付きの2本を選んだ。購入価格は800~1100円ほどだ。

編み込み系と並べても、ラインストーンの存在感は抜群

 花柄の1本はType-A→Type-C。虹色の1本は両端がType-Cである。どちらもプラグの持ち手をラインストーンで覆い、虹色のほうはケーブル部分までびっしりストーン。

 もはや電線を飾ったのか、飾りに電線を仕込んだのか分からない。ケーブルを束ねた姿も、机の引き出しに押し込むにはもったいない。花柄はプラグに視線が集まり、虹色は巻いた輪全体がアクセサリーのように見える。同じUSBケーブルでも、装飾の配分だけで印象はずいぶん違う。

花柄はA→C、虹色の総ストーン仕様はC→C

 近くで見ると、その過剰さが実にいい。金色のプラグに、ピンク、青、緑へと色を変えるケーブル。花柄のほうも透明なストーンが光を拾う。電源タップの脇に置くだけで、事務用品だった場所が急に楽屋になる。

 女性向けに見えるデザインだが、女性なら誰でも好きなわけでも、男性が使ってはいけないわけでもない。

 筆者はこういう徹底したデコに極めてポジティブだ。黒いケーブルの太さや硬さを吟味するのも趣味なら、充電中の景色をキラキラにするのも趣味である。速さを競わず、華やかさで勝負する潔さが気に入った。筆者自身が毎日持ち歩くかは別として、この方向へ思い切った商品があるだけで売り場は面白くなる。

 便利さを少しずつ積み上げる製品の隣に、見た瞬間にニンマリする製品があってもいい。誰にでも似合う必要はないのだ。

プラグの持ち手までストーンを並べた徹底したデコ仕様

 とはいえ、飾りだけで電気が通らなければ困る。いつものTREEDIXテスターで虹色のC→Cを調べると、給電とUSB 2.0用の配線は検出され、抵抗表示は196mΩ。もちろん場違いなE-Markerは検出されず、CCとPDの表示も×だった。C→Cという形だけでPD充電を期待せず、対応機器での動作を確認して使うのがよい。

虹色C→Cの結線テスト。CCとPDは×、E-Markerは検出なし

 花柄のA→Cも給電とUSB 2.0用の配線が検出され、抵抗表示は299mΩだった。両方とも高速データ通信用の配線はない。なお、結線テストだけで転送速度や最大充電電力までは分からない。

 今回、筆者が買った主役はストーンだ。上位スペックを追う予算があるなら、もっと飾ってくれてもいい。ただし電気の基本まで省いてよい、という話ではないのだ。

花柄A→Cの結線テスト。抵抗表示は299mΩ

 スマホケースやストラップを自分好みに飾る素材は、今や簡単に手に入る。ならば充電ケーブルまでコーディネートするのも自然な成り行きだ。

豪華なデコケースをまとったモトローラの折り畳みスマホと組み合わせたイメージは、実によく似合う。普通のケースでは、ケーブルの存在感にスマホが負けてしまいそうだ。

 モトローラやGalaxyのフリップ系にキラキラケースを着せれば、充電中まで装いが完成する。技術的には地味なケーブルでも、持ち主の気分を変える余地はある。この楽しみを求める人は、案外少なくないのではないか。

 性能表を眺めるのが好きな筆者にも、今回は結線よりストーンが勝った。次に探すのは、このケーブルに負けない充電器かもしれない。

フリップ系スマホを開いた組み合わせ例(AI生成イメージ)
商品購入場所価格
ラインストーン埋め込みUSBケーブルTemu800~1000円