本日の一品
Amazon Music Unlimitedに入ったので超安価なUSB-DACを手に入れた
2023年7月3日 00:00
「Amazon プライム」が始まった時にほぼ同時に入会していた。プライムビデオをはじめとする映像系は、ついつい、いくつも入ってしまったが、しかし音楽系は追加料金なしで楽しめるAmazon Music Primeで満足していた。
そんな具合に気にかけていなかったネット上のプロモーションだったが、ある日、郵便ポストになんとAmazon Music Unlimitedのダイレクトメールが届く。
ネット上で表示される勧誘には一発クリックで「不要です」を押していた筆者だが、うっかりダイレクトメールを見てみると、「通常1カ月無料のところ、今ならプライム会員は4カ月無料」という美味しいお話。アマゾンのサブスクは、Web上での退会も極めて分かりやすい場所にある良心的仕様なので、更新するかどうかは別にして、さっそくGoogleカレンダーの4カ月先の前週に解約タスクを設定して、申し込んだ。
Amazon Musicは普段は原稿書きのBGMとして、ソニーの天井スピーカーから垂れ流しているだけなので好みの60年代~80年代の音楽さえ流れていれば良い感覚だ。なのでピンポイントで楽曲やアーティストがヒットしなくても、同系の曲のシャッフル再生でも十分だった。
それゆえ、あまり興味もなかったがAmazon Music Unlimitedには再生音質のグレードが3段階用意されていることを初めて知った。SD(Standard Definition)、HD(High Definition)、Ultra HDがその3種類だ。
SDは最大320kbpsのビットレートの標準解像度を提供しオーディオファイルはロッシー圧縮を使用、ファイルサイズを削減するために元のオーディオの詳細データは削除された形式だ。
HDのビット深度は16bit、最小サンプルレートは44.1kHz(CD音質と同じ)平均ビットレートは850kbps。
そして、CDを超える最もハイクオリティなUltra HDのビット深度は24bitでサンプルレートは44.1kHz~192kHz。平均ビットレートは3730kbpsとなる。
こうした艦橋の変化を踏まえ、今回は、人生で初めてUSB DACを選ぶことにした。とはいえ、できる限り安くてコンパクトなモノを選ぼうとネットを徘徊して「TYPE-C TO 3.5mm ADAPTER」をAmazonで2299円で手に入れた。外観カラーは数種類あったが、なくしそうにない、目立つ赤にした。
元来、オーディオ耳が優秀ではなく、加えてDAコンバーターチップに関しては超が2つほど付くド素人で、ミーハーな筆者は今回はとにかく見た目のデザインと値段、外観色だけで選んだ。なにより3.5mmのイヤフォン端子とUSB Type-Cプラグが短いケーブルでつながったチープなドングルスタイルだけは避けたかった。
さっそく届いたレッドメタリックな「TYPE-C TO 3.5mm ADAPTER」は、100%期待を裏切らないモノだった。本体側面に書かれた「32bit/384KHZ」というシルバーな文字も全体の手触りも触感も最高だ。実測8g~9gの本体だが超コンパクトなのでてのひらにのせると意外とズッシリ感があって嬉しい。
ただ、USB Type-Cプラグ部分が中央位置になく多少端に寄っている。挿入する向きによっては、机の上で「TYPE-C TO 3.5mm ADAPTER」がスマホ本体を持ち上げる格好になる。なのでスマホの液晶面を上から押したりするとコネクタ部分にダメージを与えるかもしれないので挿入の向きには注意したい。
今回、筆者は購入してから、かれこれ10年以上使っているAKGのK3003を使用した。実際にAmazon Music Unlimitedに「TYPE-C TO 3.5mm ADAPTER」経由でK3003を接続したスマホでアクセスしてみた。
ちなみに、筆者の場合、スマホ用アプリの「Amazon Music」をインストールしたあとの設定が「SDクオリティ」になっていた。HD/Ultra HD形式にするには、設定メニューにある「ストリーミング設定」と「ダウンロード設定」を切り替える。
ストリーミングとダウンロードに関しては“利用可能な最高音質”を選んだ。Wi-Fiのないモバイルデータ環境では“標準”を選び、ダウンロードは“Wi-Fi接続時のみを選択した。月30GB以上の回線契約をしていれば、気にすることもないのかもしれないが、現在筆者の契約は月5GBの990円契約で、つい先日もベンチマークテストをやり過ぎて通信速度を0.3MBまで下げられれる制限を食らったばかりだ。
設定が無事終わると、音楽ファイルの再生は“SD”ではなく“Ultra HD”などの最高音質でプレイバックされる。実際のSD/HD/Ultra HDを同じソースで聴いてみたが、その音質は大きく違う。高校生のころからバンド活動をやっていて、長くエレキベースを担当していた関係でどうしてもベースやバスドラの低域に耳がいってしまう。
好きな音楽は懐かしい60年代~80年代のロックやファンクなどがメインのソースだ。今回、何度も視聴したEARTH WIND & FIREのLet's Grooveでは、イントロのバスドラムのアタック音と粘りのあるエレキベースのサウンドのユニゾン的なマッチングが素晴らしい。大昔、オーディオ沼にハマっていたころの鉄の塊のような音が飛んでくるイメージだ。
今回は、試しに筆者のメインスマホである「Galaxy Z Fold 4」と最近入手した「moto g53j」の2台を同じように設定して使ってみた。同じソースを何度選択しても、前者は“360 REALITY AUDIO”として再生され、後者は“ULTRA HD”として再生された楽曲があった。両者とも設定で“利用可能な最高音質”を指定したからかどうかは素人の筆者にはよく分からない。
ネットワークがどんどん安く速くなってくると、今後も音楽ソースのクオリティは上がる一方だろう。これは動画再生も全く同様だ。しかし残念ながら人間の聴力の劣化は30代から始まってしまって、50代になるとなんと8KHzの聴こえ方は同じ人間ながら漏れなく20dBも劣化してしまう。筆者が知らず知らず低域のリッチなサウンドソースにこだわるのは加齢による劣化が少ないからかもしれない。
年代ごとの高域の劣化を冷静に眺めて見れば、一時流行ったハイレゾや今回のUltra HDが本当に意味があるのか疑問になってくる。
音楽ソースの選択と同じく、音の良い悪いではなく“好きか嫌いか!?”だけで向きあっていれば、毎日が楽しくなってくるのは間違いない。USB DACも細かなうんちくや人によって違うコスパなんて言葉を忘れてピンときたモノを選んでみてはどうだろう。今回ご紹介した「TYPE-C TO 3.5mm ADAPTER」は“逸品”かどうかは分からないが、2299円で買える“一品”だ。
製品名 | 発売元 | 実売価格 |
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TYPE-C TO 3.5mm ADAPTER(USB DAC) | - | 2299円 |