本日の一品
音を良くする方法も体感できる? ダンボールを使ったスピーカーのキット「だんすぴkit」
2020年7月22日 06:00
手頃でいい音のする再生環境を考えていたときに、小さいデジタルアンプともに見つけてしまったダンボールのスピーカーキット。スピーカーの自作といえば面倒なのが木材の加工。それがダンボールなのだからカッターで簡単に加工できる。見つけてから気になっていて仕方がなくなり、購入してしまった。
実はダンボールのスピーカーキットに注目する前に、木の板であるMDF材を使ったスピーカーキットに注目していた。安価でサイズ的にもちょうどよかった。しかし、問題は木材の加工。スピーカーシステムの自作をした人ならわかると思うが、スピーカーシステムは密閉性が重要なので穴の円の真円性も求められ、きれいに開けるのは難しい。オプションの穴あき板もあるが、揃えると金額が張るし、そもそも使う予定のスピーカーとは径が合わない。
そのときに加工のしやすいダンボールのスピーカーの箱のキット「だんすぴkit」が目に留まり、こちらに興味が移ったのだ。
ダンボールでどれだけの音になるのかも興味がわいたほか、やり方次第で音が変わっていくという面白さもあって気持ちは完全にダンボールに向いてしまった。
届いた中身は、ダンボールのスピーカーキットではあるが、箱以外の細かいものまでしっかり揃っている。ダンボールの素材自体も販売ページに書かれているとおりこだわりを持って選ばれたダンボールを感じられるもので強度も高い。
スピーカーユニットは当初、だんすぴkitの作例と同じものを購入しようと思ったが、そのときは品切れだったため、数年前、秋葉原などで大量に安値販売されて話題になった7.7cmのスピーカーを使った。今はもう売ってないが、当時で2個500円だったもので、なんとなく購入していたものだ。
箱はダンボール製で、箱を作る要領で組んでいく。ダンボール同士の接着を強固にすればするほど頑丈になる。接着剤は梅雨の時期でもあったので木工用ボンドでなく、ゴム系接着剤で組み上げた。
キットと作り方を買えたところは、スピーカー端子とスピーカーユニット間をつなく電線の両端をハンダ付けしてしまうとスピーカーが外れなくなってしまうので、スピーカー側に別途用意した平型端子を圧着したこと。
内部は隙間をホットボンドで埋め、吸音材もホットボンドで固定。箱をすべて接着剤で固定してしまうと、スピーカーがビスとナットで止めている関係で、内側のナットを押さえることができずスピーカーが外せなくなる。そこで、内側のナットをホットボンドでダンボールに固定、前面からビスを回せばスピーカーが外せ、内部にアクセスできるようにしておいた。
同様にスピーカー端子を固定しているビスとナットのうち、ナット側をダンボールにホットボンドで固定した。素材がダンボールということでいずれビスは緩んでくる。内側を固定せず回ってしまうと緩んだビスを締めることができなくなるからだ。
多少の工夫をしてスピーカーシステムは完成、まずはデジタルアンプ内蔵ケーブルを使って鳴らしてみるも、音を大きくすると箱全体が振動してしまうようなぼやけた音になる。スピーカーユニット自体は箱さえしっかりすればもう少しクリアな音がするので、これがノーマル状態のダンボールの実力なのだろう。
しかし、組んだだけでは未完成なところが「だんすぴkit」の面白さ。ここからがこのキットの本領となる。
まずやってみたことは補強を入れること。ダンボールで柱を作り、上下と左右の面を支えるように入れてホットボンドで固定してみた。これで音が出たときに箱の側面に手を当ててもほとんど振動を感じなくなくなり、音もしっかりしてきた。
箱の大きさという限界はあるので低音をしっかり出すところまでは難しいとしても、さらなる補強や吸音材の追加や工夫でさらに音を変化させることはできそうだ。施した対策と音の変化を感じ取ることは、まさにスピーカー自作の沼にはまっていく初期段階といえよう。
今年の子供たちの夏休みは短縮版のようだが、この「だんすぴkit」でスピーカーの音を良くすることを考える夏休みの自由研究もできそうだ。外装も紙を貼ってオリジナルデザインを施すことも簡単なので、家族で楽しんで作ってみても面白いかもしれない。
製品名 | 発売元 | 購入価格 |
---|---|---|
だんすぴkit | ノースフラットジャパン | 680円 |