本日の一品
新しい電子ペーパー用にありきたりな鉛筆の格好をした「スタイラス」を買った
2020年4月27日 06:00
四半世紀ほど昔から趣味も仕事もモバイルパソコンが基本の筆者だが、ここ数年、特に興味を持って使っているモノにE Inkの画面を採用した電子ペーパー系の手書きツールがある。
なかでも最近、一番気に入ってる筆記具は“Android OS”を採用し、従来の独自OS採用のデジタルペーパーと一線を画する自然で便利な使い勝手を実現している「BOOX Max3」だ。
13.3インチのMax3の実効筆記面積はリーガルパッドのレター・A4サイズに近く、自然な紙にスタイラスで筆記する感覚だ。Android OSを採用することでAndroidタブレットのように一般的なアプリとの相性も良く使い勝手は従来のデジタルペーパーでは考えられないほどナチュラルで便利だ。
なので、最近はいつどこに出かける時もBOOX Max3は手放せない。凝りだすとどんどんハマっていく悪い性格上、ここ数日凝っているのはBOOX Max3用に使えるサードパーティ製のスタイラスペンだ。
けっして標準付属のワコムテクノロジーのノーバッテリー・スタイラスペンが性能的に悪いというわけではないのだが、友人が持っていた”ステッドラー社”のごく普通に見える”鉛筆型スタイラスペン”「Noris digital」をいたく気に入ってしまい真似してポチってしまった。
最近のネット通販の各サイトはどこも悪魔のように出来が素晴らしく、大きなお世話にも”この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています”を併記している。そこで見つけたなんと濃い緑色のレガシーカラーの「三菱鉛筆 9800」の安価な事務用鉛筆デザインを再現したクラシックデザインの「三菱鉛筆 9800 DG」も同時にポチってしまった。
ステッドラーNoris digitalも三菱鉛筆 9800 DGも、筆記性能の優劣や好みを決定付ける交換芯として”エラストマー”系の素材を使っている。
好みの問題があるが、わずかにハードで物質同士がぶつかる感のあるBOOX Max3の付属スタイラスに比べて、エラストマー(Elastomer)素材(弾性:Elastic + 重合体:Polymer)の性格上、ペン先に弾性を感じるしっとりとした筆記感覚が特徴だ。
ステッドラーNoris digitalは、多くのステッドラー社の鉛筆に類似したデザインでエラストマー素材のペン先付近を見なければごく普通の鉛筆と見分けは付かない。残念なのは、本体が普通の同社の鉛筆のように木軸ではなく、木のような別物であることだ。
一方、三菱鉛筆 9800 DGの方は、本体には限りなく鉛筆の木軸に近い、あるいは同じ”本物の木”を使用しており、筆記時にもデジタル系のスタイラスを使っているという実感が全く起こらない素晴らしさだ。うっかりすると鉛筆削りで間違って削ってしまいそうだ。
それもそのはず、本体重量は3者の中で最軽量のたったの4g。これはオリジナルの三菱鉛筆 9800と全く同じ重量だ。そのこだわりには並大抵のものでない気迫を感じる。本来は買う必要性の低いサードパーティ製のオプション商品とはこうあるべきだ。
敢えて追加の贅沢を言わせてもらえるなら、芯先と反対の終端処理は安価な9800と同じようにシンプルな切り落としをそれらしく完璧に偽装して欲しかった。それが出来ていれば100点満点中の150点だった。
ステッドラーのNoris digitalも三菱鉛筆 9800 DGのいずれも、筆記感覚は極めてナチュラルな感覚で素晴らしいオプション製品だ。唯一、本体付属のオリジナル・スタイラスに引けを取るのは、ペン先と反対側にあるイレーザー機能だろう。しかしそれでも2B鉛筆のようなしっとりとした書き味とデザインは、常に持ち歩いて見せびらかしたくなる逸品だ。
製品名 | 発売元 | 購入価格 |
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三菱鉛筆 9800 DG | サードウェーブ | 4053円 |
Noris digital | ステッドラー | 4498円(リフィル5本付き) |