本日の一品
Ankerらしさ満載のドライブレコーダー「Anker Roav DashCam C1」
2019年9月11日 06:00
あおり運転や逆走など、車の運転に関わるニュースが世を騒がせる中、筆者もそろそろ我が家の車にドライブレコーダーを載せておくかと思い始めた。万が一の事故時の証拠映像が欲しいだけなので、GPSなどの機能は不要。安くてそれなりの映像が残せるものならいい。
日本製のものを探すと、ネット通販でも1万円以上するものがほとんど。そうかと思うと、中国製と思しき製品が1桁違うくらいの価格で山のように売られていたりもする。事故の映像がきちんと残っていないと困るのでそれなりの信頼性は欲しいが、何万円もする高性能なものが欲しいわけでもない。
という筆者のニーズにマッチしたのが、モバイル関連デバイスで有名なAnkerが発売している「Anker Roav DashCam C1」。Ankerらしく18か月の製品保証付きで、Amazonで9999円で販売されているが、先日のセール時に6999円まで割引されていた。
ソニー製のイメージセンサー搭載で、フルHD/30fpsの録画が可能。F1.8のレンズとWDRビデオシステムで夜間も対応。録画ファイルは古いものから上書きされるが、Gセンサー内蔵で衝撃時の録画は消さずに残される。筆者としてはこのスペックで十分だ。
本体サイズは約86×66×36mmで、下部にカメラ、背面にスクリーンがある。持った感じは小さなデジカメという感じで、バックミラーで隠れる位置に取り付けるには困らない。
給電はMicro USB端子になっている。そのため製品にはMicro USBケーブルと、アクセサリーソケットに接続するAnker製USBカーチャージャー「Power Drive 2」が同梱されている。最大5V/2.4A出力のUSB端子を2つ備えており、このうち1つに繋げる。もう1つはスマートフォンの充電など好きに使っていい。専用アダプタではなく汎用のUSBカーチャージャーにしてくれているのは重宝するし、Anker製品だというのも安心感がある。
記録媒体はmicroSDだが、製品には付属しない。32GB以上でClass 10に対応したものが推奨されている(筆者は余らせていた32GBのmicroSDを流用)。本体上部にあるソケットに押し込むだけでセット完了。
本製品のユニークな点として、リチウムイオン電池を内蔵していることが挙げられる。USB給電時(車のエンジン稼働時)に充電され、非給電時にはバッテリーで衝突検知をする。駐停車時に衝突されたり車上荒らしに遭ったりしても、車の前方の映像と音声を記録できるし、録画ファイルで発生時刻もわかる(本機を盗まれたらそれまでだが)。
実際に試してみると、ちょっとした振動でも検知して緊急録画がスタートする。机に置いた状態でキーボードを叩いただけでも反応するのはさすがに敏感過ぎるが、反応強度も3段階に変更できるので、様子を見ながら調整していきたい。何にせよ、内蔵バッテリー駆動でもきちんと機能してくれているのはありがたい。
フロントガラスに貼り付けて使うという想定から、温度変化にも強いとしている。金属フレームで内部から熱を逃がす設計になっており、-10~65度の範囲で動作するという。65度というと、真夏のフロントガラスはちょっと怪しい気もするし、本体色が黒なのでものすごく熱くなりそうな気がする。そこにリチウムイオン電池を内蔵するのは少々不安だが、他にもいくつかのドライブレコーダー製品を投入しつつ18カ月保証もうたっているので、ひとまず信じておくことにする。
取り付けは、同梱されているマウントを本体背面に取り付けた後、マウントの両面テープでフロントガラスに貼り付ける……と説明書には書いてある。これでも問題はないのだが、実は公式サイトには違う取り付け方が書かれている。
パッケージに静電吸着シートという透明のフィルムが同梱されているので、それをフロントガラスに貼り付け、その上からマウントの両面テープを貼り付ける。両面テープは接着力が強く、一度貼ったら剥がすのが難しいので、貼り付け位置を誤ると面倒なことになる。そのため静電吸着シートを間に挟み、剥がして再調整しやすくしている。筆者は幸いにして貼り付け前に気づいたが、早くマニュアルにも反映して欲しいものだ。
取り付けたらあとは勝手に録画され、必要な時だけ動画を拾い出せばいい。microSDを抜いて家に持ち込めばいいのだが、本機はさらに便利な機能として、専用のスマートフォンアプリが用意されている。本体にWi-Fi接続機能があり、アプリを介してスマートフォンと接続することで、車に取り付けたまま動画のコピーや削除、本体設定ができる。事故以外でも気になる映像がある時には、スマートフォンですぐ確認できるのはとても便利だ。
なお3分で300MB程度の動画ファイルをWi-Fi経由でコピーする場合、2分半ほどの時間がかかった。SDカードを引き抜いてPCでコピーした方が早いのは確かなので、大量のファイルをやり取りしたい場合はそうするといい。
画質はコントラストが強めで、フルHDとはいえ細部はそこまで明瞭ではない。まさに200万画素のWebカメラで撮ったくらいの画質で、最近ならスマートフォンで撮影した方がマシという程度だ。それでもすれ違う車のナンバーは確認できるし、車内の話し声やウインカーのカチカチという音も撮れており、証拠映像としては申し分ない。
交流電流により明滅するLED信号機にも対応しており、50Hzと60Hzの設定ができる。筆者は関東在住なので50Hzに設定(一般的に東日本は50Hz、西日本は60Hz)した。実際にLED信号機を撮影してみると、いくらか明滅して見えるものの、動画として見れば信号の色が確認できないほどのタイミングにはならない。
PCにUSB接続すると、本機の画面に「マスストレージ」と「PC Camera」というメニュー項目が表示される。「マスストレージ」を選べば挿入してあるmicroSDカードを読み書きでき、「PC Camera」を選べばPC用のWebカメラとして認識する。
USBで接続しているのだから当然の挙動、と言えなくもないのだが、ドライブレコーダーと言う割にやたらPCと親和性が高いのがAnkerらしくて面白くもある。使い道があるとしたら、今後、別のドライブレコーダーを購入しても、Webカメラとして流用できる(無駄に大きいとは思うが)。
本機をただのドライブレコーダーとして見ると、お値段なりの平凡な製品に見えなくもない。ただPCやスマートフォンを使い慣れた身からすると、便利だったり使いやすかったりする部分が随所にある。そのAnkerらしさに魅力を感じる人には、かなりお買い得な製品だと思う。