本日の一品

iPhone&iPadの常識を気にせず使える「Lightning + USB card reader」

見かけは編み込みケーブルを使った20㎝少々の充電ケーブルだ

 iPhoneの常識はAndroidユーザーの非常識とまでは言わなくても、この両者の違いはけっこう大きい。LISA、Macintosh Plus、MacIIの頃まではアップルユーザーだった筆者も、その後のメイン機はWindowsパソコンとAndroidスマホなので、今のiPhoneやiPadではけっこう戸惑うことが多い。

 一番の違いは音楽や映像などのメディア系ファイルフォーマットの取り扱いだろう。ネットを見ればこれらのフォーマットの違いやデータ変換の仕方に戸惑ってるユーザーが溢れている。どちらが正当かどうかは別にしてユーザーにとっては不便な話だ。

 そんな筆者が最近、1年ほど使ったiPhone 7 Plusを売って、コンパクトさに惹かれて、今頃になって安価なiPhone SEを手に入れた。外側はiPhone SEでも、使っているアプリはほとんどAndroidが古巣のアプリばかりの筆者は、またしても音楽・画像ファイルとの闘いかとぐったりした。

 ところが、極めてAndroid的な周辺機器と専用アプリの組み合わせで、AndroidスマホやWindowsパソコンに貯めこんだ音楽・画像系データをそのままのフォーマットでiPhone SEにコピーして即座に活用でき、手抜きできる商品を見つけた。

USBモバイルバッテリーを利用した緊急充電にはちょうど良い長さだ
USB AコネクターにmicroSDカードリーダーを仕組んだスタイル

 商品名は一回聞いたくらいではまず記憶にも残らない「Lightning + USB card reader」という製品の外観のまんまなベタな名称だ。実際の商品を見ると、ちょっと高級な20㎝程の編み込みケーブルを採用した充電ケーブルに見える。実際に充電ケーブルとしても完璧に動作するが、目的はそれ以外にある。実は、「Lightning + USB card reader」は昨今、見かけることの多いUSB Aのコネクタ部分にmicroSDカードリーダーを内蔵した部品を採用している。

 このコネクタの採用によって、Androidスマホやデジタルカメラ、その他の機器で最も多く利用されているmicroSDカードに記録したデータの活用が一気に容易となる。iPhoneオンリーユーザーにとっては、限界ある内蔵メモリーに蓄積された画像データや音楽データを外部のmicroSDカードにバックアップできることが最大のメリットとなるだろう。

 しかし同時にAndroidスマホとiPhoneのマルチユーザーやWindowsパソコンのユーザーにとっては極めて便利な存在となるはずだ。いままでより遥かに簡単にAndroidスマホやWindowsパソコンの画像・音楽データをiPhone内部ストレージにコピーして活用できる。そのためには専用アプリである「iUSB Pro」をApp Storeよりダウンロードする。アプリの使い方は、ごく一般的なファイルマネージャーと同様なので、WindowsパソコンやAndroidスマホのファイルマネージャーユーザーならすぐに問題なく使えるだろう。

iPhoneにiUSB Proアプリをダウンロードする。このアプリがiPhone上でファイルマネージャーの役割を行う
最下段に表示される「iUSB」、「App」、「Camera」、「iPhone」、「設定」の5つでiPhone内部ストレージとiUSBに挿入されたmicroSDカード間のファイルコピーや移動、バックアップ、リストアなどを行う
  • 「iUSB」:iUSBに挿入されている現在のmicroSDカードの中身
  • 「App」:iUSBアプリ動作下で作成されたiPhoneの内部メモリーのディレクトリーやファイル構造
  • 「Camera」:今、撮影して写真をカメラロールに送る操作
  • 「iPhone」:iOS上で作成された全てのファイル
  • 「設定」:各種設定を行う全てのメニューが表示される
Androidスマホで使っていたmicroSDカード内の写真をiPhoneで再生している
Androidスマホで使用しているmicroSDカード内の音楽をiPhoneで再生
カシオのデジカメに使用していたmicroSDカード内の動画を再生
カシオのデジカメに使用していたmicroSDカードから任意の動画データを再生
iPhoneネイティブのアプリでは再生できなくても、iUSB Proではコピーした動画は全く問題なく再生できる
microSDカードから先ほどの象の動画をiPhoneの内部ストレージにコピー

 実際にカシオのデジカメで撮影した動画や、パソコンからmicroSDカードにコピーしたmp4動画や、PowerPointファイル、PDFデータなどをiUSB ProでiPhone SEの内部メモリーにコピーして再生してみたが、iUSB Proアプリを使用する限り、全く問題なく全てが再現できた。残念ながらiPhone初心者の筆者の実力では、外部のmicroSDカードからiPhoneの内部ストレージにコピーされたファイルはいったいどこに収納されたのか見つけ出すことはできなかった。まあ、見つけ出す必要も無いが……

 App StoreのiUSB Proアプリの評価を見ると、かなり低い評価であったが、筆者が自分のiPhone SEで使っている限り、一度も不都合はなかった。試しに筆者のもう一つのApple製品であるiPad Pro 12.9でもiUSB ProアプリをダウンロードしてiPhone SEと同様のことを何度かやってみたが同じく問題は無かった。

 前述したことの繰り返しになるが、iUSB Proと「Lightning + USB card reader」はiPhoneオンリーユーザーには不必要な製品かもしれない。しかしWindowsパソコンやAndroidスマホを併用するユーザーにとっては、思いのままに使える極めて有効な商品だろう。

iPad Proでも全く問題なくiUSB Proは動作した
microSDカードに記録された撮影データもiPad Pro内部の写真データと変わらないスピードで表示できた
製品名発売元実売価格
Lightning + USB card readerValkit1900円(税込)