本日の一品

“ジゴワット”で充電できるBelkinのワイヤレスチャージャー

 「15W」と「ジゴワット」(映画バック・トゥ・ザ・フューチャーで使われた単位)は似ているな、なんて思っていたある日のこと、スマートフォンアクセサリーで有名なBelkinから15W対応のワイヤレスチャージャー「BOOST↑UP Wireless Charging Pad」がリリースされていることを知った。米国のAmazon.comをのぞいたらちょうど1個だけ在庫が残っていたので、華麗なる指さばきでポチッたのである。

Belkin「BOOST↑UP Wireless Charging Pad」

 Webサイトには「for Samsung」とあるが、Qi対応の充電器なので、サムスン製端末に限らず利用できる。最近筆者が購入したLGのスマートフォン「V30+ L-01K」もQi対応。しかも現状15Wでのワイヤレス充電に対応している(らしい)数少ない機種とされているので、そのポテンシャルはぜひ活かしたい。USB充電の抜き差しも毎日となると端子の劣化が避けられないし、できるだけ物理接続を避けることで長く使い続けたいというのもある。ちなみにこの製品は、残念ながら5月時点ではまだ日本国内では正規販売されていないので、海外から手に入れるしかない。

パッケージ内容は本体とACアダプター
なかなかの薄型

 筆者自身、ワイヤレス充電自体は過去に何度か使っている。ドコモが「おくだけ充電」という名称で提供していた頃、富士通製「ARROWS X F-10D」で経験済みだし、その後のパナソニック製「ELUGA X P-02E」でも使っていた。当時はせいぜい数Wの前半程度の出力だっただろうけれど、ぱっと置くだけで充電できる便利さは、一度経験してしまうと離れられなくなるほど。それから時は流れ、iPhone X/8によって再び日の目を見ることになったワイヤレス充電は、出力を高めて、当時よりずっと高速に充電できるようになった。そしてBOOST↑UP Wireless Charging Padになった今、V30+で改めてその快適さを実感している。

V30+を置くとこんな感じ

 ただ、高出力のワイヤレス充電のはずなのに、実際に使っているとUSB接続より充電が遅いような気がしないでもない。そこで、BOOST↑UP Wireless Charging Padで充電したときと、それまでよく使っていたQuick Charge 3.0の充電器とで、どれくらい充電速度に違いがあるのか比較してみた。おまけでQuick Charge 4/4+対応のUSB充電器でも計測している。ほぼリニアな速度で充電されるバッテリー残量20%から80%までの時間を計ってみた。

Quick Charge 3.0対応の充電器を使用
クアルコムのイベントでいただいたQuick Charge 4/4+対応の充電器。米Ever Win International製だが今のところ未発売

    残量20〜80%までの充電にかかった時間
  • BOOST↑UP Wireless Charging Pad:約1時間50分
  • Quick Charge 3.0:約42分
  • Quick Charge 4/4+:約41分
ワイヤレス充電時
Quick Charge 3.0の充電器使用時
Quick Charge 4/4+の充電器使用時

 試したところ、最大18W程度とされているQuick Charge 3.0の2.5倍以上の時間がかかっているため、もしかするとBOOST↑UP Wireless Charging Padでは15Wでの充電ができていないのかもしれない。V30+自体が実は15Wに対応していない、という可能性もある。このあたり、きっちり仕様が公表されていないので、キャリアやメーカーはきっちりWebサイトなりなんなりに明記してほしいところだ。

 Quick Charge 4/4+と3とで差がないのは予想済み。V30+はもともとQuick Charge 3.0までの対応なので、Quick Charge 4/4+でも充電速度が変わらないのは仕方ない。搭載しているSnapdragon 835はQuick Charge 4対応のはずなので、できれば頑張って実装してほしかったところだが。

 そんなわけで、できるだけ速く充電したい場面ではやっぱりUSB充電一択ではあるけれど、ワイヤレスでもこれくらいのスピードで充電してくれるなら、日常の使い勝手を含めて考えると、まあ十分だな、と思っている。

製品名販売元価格
Belkin BOOST↑UP Wireless Charging PadBelkin5564円(Amazon.comで購入)