本日の一品

名刺入れに入れられる厚さ2mmの忘れ物トラッカー「Tile Slim」

製品本体。ほぼ正方形サイズ。中央の「tile」ロゴの部分はボタンになっている
厚みは2mmと極薄。ちなみに本製品はこれまで何度かモデルチェンジしており、そのたびに薄くなっている

 ここ数年、身近なIoT製品として注目を集めているのが、落とし物や忘れ物を防止するセキュリティタグだ。落とし物トラッカーや忘れ物トラッカーとも呼ばれるこのジャンル、海外の製品も続々と日本に参入し、いまや量販店でも展示コーナーが設けられるなど、製品の選択肢はよりどりみどり。むしろ参入メーカーが2、3社程度だった以前に比べて、選びにくくなったと感じるほどだ。

 先日、このセキュリティタグを数製品を使い比べる機会があり、その際に使い勝手がトップクラスであると感じたのが、米国発のセキュリティタグ「Tile」だ。たまたま試用直後に1週間ほどの遠征に出る予定があったため、ちょうどよい機会とばかりに、身の回りの財布や鍵などにTileをまとめて導入し、スマホやタブレットから置き場所の特定が行える環境を構築することにした。

 この際、名刺入れと組み合わせるために購入したのが、今回紹介する「Tile Slim」だ。本製品の特徴は、カード形状で、厚みがわずか2mmしかないことだ。Tileシリーズで売れ筋の「Tile Mate」は500円玉程度のコンパクトなサイズだが、厚みが4.65mmあるのでややかさばる。その点「Tile Slim」ならクレジットカード1枚程度の厚みしかないので、名刺入れや定期入れに入れても段差ができにくいというわけだ。

薄型ゆえ名刺入れや定期入れに入れても収まりがよい。逆に横幅も名刺に合わせてくれたほうが段差が目立たなくなるのだが……
Tileシリーズの主力製品である「Tile Mate」(左)に比べると面積はかなり大柄
ただし厚みは半分以下。取り付ける対象物によって使い分けるのがベストだろう

 他のTileシリーズと同様に、スマホから置き場所を探せるのはもちろん、本体のロゴを押し込むことで、親機に当たるスマホの置き場所を探すこともできてしまう。厚さ2mmの極薄モデルとはいえ、このあたりはさすがに抜かりはない。セキュリティタグ製品には、停止の操作をしても音が数秒間鳴り止まない製品もあるが、本製品(というよりもTileシリーズ)は比較的レスポンスも早く、騒々しい音で周りに迷惑をかけにくいのもマルだ。

スマホから音を鳴らして置き場所を探せる。本製品のボタンを押してスマホを鳴らすこともできる
地図上での表示。外出先で紛失した場合は、最後に検出された場所が表示される仕組みだ
管理画面。「探す」をタップすると音を鳴らせる。個別に画面を開いて地図などを表示することもできる

 他のセキュリティタグにはありながら搭載しない機能もある。たとえば接続が切れた時にスマホに通知してくれる、置き忘れ防止のための機能だ。この機能は使い方によってはしょっちゅうアラームが飛んでくる羽目になり、利用に嫌気がさしてしまうこともあるので、筆者のように外出先での紛失防止をあまり想定していなければ不要だが、人によっては気になることもあるかもしれない。

 製品単体で比較すると、特定のWi-Fiへの接続中に検知を無効にできたり、また前述の置き忘れ通知機能も使えるTrackRのほうが高機能だが、今回の「Tile Slim」のようなカードタイプのモデルは実質Tileにしかなく、シリーズとして比較した場合に大きなアドバンテージとなる。個人的には、いまの正方形サイズが名刺サイズにまで大きくなっても構わないので、2mmの厚さがもう0.5mmほど薄くなることを期待したい。

製品名販売元実売価格
Tile SlimTile3650円