本日の一品

小型ボードコンピュータ、NanoPiを使った自作NASで遊ぶ

小型ボードコンピュータの NanoPi NEO 2

 Raspberry Piをはじめ小型ボードコンピュータの活用が進み、ブームから定番になっている。ちょうど小サイズで省電力のNAS(ネットワーク接続のストレージ)が欲しくなり、小型ボードコンピュータを活用できないか考えていたところ、NanoPi(ナノパイ)を見つけてしまった。

 NanoPiシリーズの「NEO 2」を見つけたのはRaspberry PiにHDDかSSDをUSB接続して使おうかと漠然と考えていたとき。Nano Pi NEO 2は4cm×4cmとRaspberry Piより小型。しかも、Raspberry Piにはないギガビットイーサネットを搭載しているほか、Raspberry Piでは無駄になる映像インターフェイスがない点が気に入った。しかも2400円と安い。

 そして、決定的なのはNASキットが用意されていること。NanoPiをはめ込んで2.5インチHDD/SSDを搭載すればハードウェアが完成し、NanoPiとHDDの接続方法やストレージの電源供給に悩む必要がないという便利なものとなっている。ひとつだけ面倒な点があるとすれば、NanoPiにピンヘッダーをはんだ付けする必要があることくらい。それは自分を含めて一部の層にははんだ付けがあることで、自作気分を高められるのでかえってプラスだ。

NASキットが用意されるので、これとNanoPi NEO 2があれば、必要なものはほぼ揃っている

 必要なモノはNanoPi NEO 2とNASキットにほぼ入っているので、あとは容量が合ったACアダプター、OS用のmicroSDカード、2.5インチHDD/SSD、そして時計バックアップ用のCR2032電池があれば動作する。

 早速、秋葉原に立ち寄って秋月電子で購入。NASのソフトウェア自体はNanoPi用にカスタマイズされたNASシステム「OpenMediaVault」が用意されているのでイメージをmicroSDカードに書き込んで起動すればよく、このへんはRaspberry Piと同じ要領だ。

 詳細な設定方法はネット上にあるので省くが、NanoPiの操作はWebブラウザやターミナルソフトでアクセスでき、ほぼWebブラウザからOpenMediaVaultの設定操作をすればNASとしての動作が可能となる。

まずヒートシンクを付けて単体で動作確認
付属しているピンヘッダーを2つはんだ付け。これがないとNASキットと組み合わせできない
HDDとNASキット、NanoPi本体を組み込んだ
立派な金属ケースにおさまったが、HDDの熱はこの空間にこもりきりになる

 OpenMediaVaultの設定は、フォルダ作成からはじめないと何も動作しないが、ちゃんとやればすぐ動き出す。Windowsマシンはもとより、Windows PCなどと同じプロトコルさえ対応すればスマートフォンのアプリからも参照できる。

完成したNanoPiを使ったNAS
OpenMediaVaultの設定画面。他のOSのバージョンと画面デザインは同じだ

 たとえばAndroidスマートフォンのフォルダをサーバーと同期するアプリ「SMBSync2」を使えば、インターネットとのやりとりなく、すばやく画像などのデータをサーバーと同期可能。ネットの通信容量も速度も関係ない。

 と、ここまでならメーカーの完成品のNASでも同じことができ、もっと簡単にできるかもしれない。それでもNanoPiを使ったNASならば余ったHDDやSSDが使え、Linuxマシンとして全く別のサーバーソフトを使うこともできる。さらにUSBポートがあるので別の用途も併用させることもできそう。

 本格的なNASキットよりも安価で活用の自由度が高そうで、10年ほど前に流行ったNASキット、玄人志向の「玄箱」を思い出すようなアイテムだ。ちょっとしたコンピュータのお遊びと実用的なNAS入手もできるという、NanoPi NEO 2とNASキットは、なかなか便利に楽しく使えそうだ。

製品名販売元価格
NanoPi NEO 2FriendlyARM2400円
1-bay NAS Kit for NanoPi NEO&NEO2FriendlyARM2180円