本日の一品

日本中の一家に一貫、「MAKI TACKS」

 お堅い標準語で”画鋲”とか、関東では通じないとされている”押しピン”とか、時にはただの”ピン”とか呼ばれる壁に写真や絵を壁に張り付ける先端の尖った短い針だが、今回ご紹介する商品は「TACKS」(タックス:鋲、びょう)だ。

イクラの押しピン(画鋲)を50本突き刺すともうほとんどイクラの軍艦だ

 おそらく絵”画”を止めるので”画鋲”になったとは想像できる。しかし、大阪で生まれ育った日本のステーショナリーの最大手であるコクヨ社が自社の商品名を”押しピン”ではなく”画鋲”としているのには全く納得がいかない。大阪ロコである筆者はもちろんお堅い”画鋲”より”押しピン”派であり、生まれてこの方”がびょう”と発声したことはただの一度もない。

 今回の押しピンに似た商品は“鋲”は鋲でも“いくら鋲”(IKURA TACKS)と呼ばれる変態商品だ。ある日、表参道のMoMAストアのレジ待ちで発見し、そのままかごに入れて衝動買いしてしまった。

ジョーク系のガジェットでは世界的に有名なFredの商品だ
パッケージに仲はイクラの押しピン50本と針山となるシャリの軍艦の2つ
最初の仕事は50本のイクラ押しピンをシャリだけの軍艦に全部挿すことだ
こだわり派の押しピンの代表であるニンジャピンよりかなり小さい

 パッケージを開けると“針山”(ピンクッション)の役目をする周囲を黒っぽい海苔で巻かれたシャリだけの軍艦と50粒のイクラの押しピンが出てくる。

 購入者の最初の仕事は、イクラの押しピンを袋から取り出して、軍艦ベースに突き刺していくことだ。直径6㎜ほどのイクラの形状をした頭部分は、筆者が普段使っている”ニンジャピン”のサイズと比較すると、ほんの少し小さく落としやすい。小さな子供の居る家庭では少し注意が必要だ。

 ただカラーリングがイクラオレンジなので、床に落下させた場合でも、一般的な淡いカラーのニンジャピンより遥かに探しやすいかもしれない。50本のイクラ押しピンの全部を針山挿し終えたら”イクラの軍艦”の出来上がりだ。

50本のイクラ押しピンを全部挿し終えるとまさにイクラの軍艦だ

 コルクや石膏ボードの壁面に写真や絵ハガキ、メモなどを張り付ける時は、イクラの軍艦を片方の手に持って、必要なイクラ押しピンをもう一方の手の指で引き抜き使用する。しかしこれではそれだけで両手がふさがってしまう。

 どうも一人では思うように作業が進まない。助っ人を探すか、必要な都度、イクラの軍艦からイクラ押しピンを少しずつ現場に持っていくかの選択だ。大工さんのように口に咥えるのも良策だ。抜本的な解決策を望むならイクラの軍艦を、テキパキと仕事をこなすプロのお針子さんのように、腕に装着する大改造をしてしまうことだ。

 日常的に押しピンを使うに人には気になることが一つある。それは押しピンを抜き去った後に壁面に残る押しピン跡(穴)だ。

 しかし、極めて小さな穴なので、姑息な筆者はいつもティッシュペーパーを細く丸めて紙縒りを作り、細い先端を小さな穴に押し込み、壁面ギリギリで引きちぎって、多少溢れて余った部分をシャープペンシルの先の金属部分などで押し込んでしまう。普通の視力の人ならまず見えない範囲までカモフラージュ可能だ。

貼る対象がの色をそれほど選ぶことなくオレンジ色のイクラ押しピンはアクセントとしてマッチする
押しピンを抜き去った後の穴のサイズを比べてみた
ニンジャピンに比べるとかなり大きな穴が開くが十分粉飾出来るレベルの穴だ

 誰もが思いつきそうで思いつかなかったおバカなイクラの軍艦押しピンはジョーク溢れるプレゼントにも最適だ。本来なら握り寿司を1人前注文して、そこに上手く紛れ込ませた写真を撮りたかったが、つい先日、握り寿司はしばらく要らないほど食べた後だったので実現できなかった。読者諸兄はぜひチャレンジしてフェイクのイクラ軍艦がどのくらいナリスマシ可能か確かめてほしい。

製品名購入場所価格
MAKITACKS表参道 MoMAストア1058円