本日の一品

初体験の骨伝導ヘッドホンにカルチャーショック、AfterShokz「TREKZ AIR」

製品本体。IP55相当の防水・防塵対応だ

 ジャンルとしては知ってはいたものの、これまで筆者にとってなかなか使う機会がなかったのが、骨を振動させて音を伝える、いわゆる骨伝導ヘッドホンだ。昨年、たまたま使ってその使い勝手の良さにカルチャーショックを受け、いまや日々の作業に欠かせない存在となっている。今回はそのきっかけとなった製品「TREKZ AIR」を例に、骨伝導ヘッドホンの利点について紹介したい。

 骨伝導ヘッドホンは、本体を耳にかけたのち、マイク部を顎骨に当てて使用する。耳を経由せず顎骨から音が響いてくるわけだが、にもかかわらず音質は非常にクリア、かつ小さな音もしっかりと聞こえるので驚かされる。同種の製品を使い比べたことがないのではっきりとは分からないが、特許取得済みという本製品の骨伝導技術も、大きな役割を果たしているのだろう。

後頭部を一周するように装着する。パッケージの写真を見るとわかりやすい
製品本体のほか充電用のUSBケーブル、ポーチ、さらには耳栓まで付属する

 最大の利点は、耳を塞がないことから、インナーイヤー型のイヤホンのような圧迫感がないことだ。筆者はこれまで音楽再生はもちろんインタビュー音声の聞き取りに至るまで、あらゆる作業でインナーイヤー型のイヤホンを使用してきたのだが、細かい音を漏らさない反面、長時間聞いているとどうしても耳が疲れたり、頭痛を引き起こすこともあった。骨伝導ヘッドホンであれば、そうした心配は一切ない。

この部分を顎に当てることで、骨に音が響く仕組み

 また、ある程度ボリュームを上げた状態でも周囲の音が聞こえるため、電話や来客を待っている際も、聞き逃す心配もない。インナーイヤー型のイヤホンに比べると音漏れは少なからずあるため、電車の中など、外出先で自分の世界にこもりたい場合はやや不向きだが、街中での利用において、車の走行音やクラクションがきちんと聞こえるのは、安全性の点からも有用だろう。

 こうした骨伝導ヘッドホンならではの特徴に加えて、今回筆者が試した「TREKZ AIR」は約30gと軽量で、装着していることを忘れてしまうほどだ。一般的にBluetoothヘッドホンやイヤホンは、デバイスとの再接続が面倒なことも多く、次第に使わなくなる原因になりがちだが、本製品は組み合わせて使用しているデバイス(iPad)との自動再接続も高速で、ストレスもたまらない。価格は1万円台後半とどうしても値は張るが、それだけの価値はある一品だ。

電源のオン・オフや音量調整を行うリモコンは本体右側にある。これらの操作性の良さもプラス要因だ
本体左の表面には再生/一時停止を行うボタンがある。個人的にはこれも本体右側にまとめてほしかったところ
製品名販売元購入価格
TREKZ AIRAfterShokz1万9310円