てっぱんアプリ!
Google「Bard」の拡張機能、何ができる? 注意点は?
2024年1月12日 00:00
スマホを、もっと楽しく快適に使うには、アプリを活用しよう。本コーナーでは、続々登場する旬なアプリの中から編集部が厳選した、スマホユーザー必携の“てっぱん”アプリをご紹介します!
2023年12月、GoogleのAIチャットサービス「Bard」に「拡張機能」が追加された。これによってどんなことが可能になったのだろうか。まだできないこと、注意しておきたいことなども含めてチェックしてみよう。
YouTubeや地図の情報も利用して回答
「Bard」はGoogleが提供するAIチャットサービス。Google独自のLaMDAと呼ばれる大規模言語モデルを採用したもので、スマホだけでなくパソコンなどからもWebブラウザーを通じて利用できる。
今回新たに追加された「拡張機能」は、Googleが提供するさまざまなサービスのコンテンツをもとにした回答が可能になるというもの。これまでは基本的にインターネット上のWebサイトなどを情報源にして回答していたが、YouTube、Google マップ、Google ホテル、Google フライトといった各サービス内で扱っているコンテンツも回答に利用するようになる。
さらに個人のGoogle アカウントで利用しているGmail、Google ドキュメント、Google ドライブ内のデータについても、チャットの回答に利用することが可能だ。ただし、今回の拡張機能はGoogle Workspaceのようなビジネスアカウントでは利用できない。
拡張機能の設定手順と使用例
拡張機能を利用するには、初めに設定ページで各サービスごとの機能を有効にする。あとはこれまで通りチャットで質問・指示すればOKだ。拡張機能が利用されるかどうかは、ユーザーの質問・指示内容に応じてBard側で判断される。または「@」を入力すると拡張機能の候補が現れ、利用する拡張機能を明示的に指定することもできる。
たとえば「人気のおせちのレシピ動画を教えて」のように指示すると、YouTubeからそれに合う動画をいくつか挙げてくれる。チャットから動画のリンクをタップして見ることもできるが、チャットには動画自体が埋め込まれていてその場で再生も可能。ただし、YouTube Premieumに登録しているユーザーでも動画内広告は表示されてしまうようだ。
また、「神保町で一番人気のラーメン屋を教えて」のように尋ねるとGoogle マップの拡張機能を利用し、そのラーメン店の情報と評価点を回答するとともに、神保町周辺のラーメン屋にピンを立てた地図もチャット内に表示する。さらに「年末年始の札幌市へのフライトを教えて」のように質問すれば、自宅住所を考慮した空港から新千歳空港までのフライトチケットの候補を教えてくれたりもする。
Gmailを対象に情報を得ることもできる。「@Gmail 最近のAmazonでの買い物金額は?」とGmailの拡張機能を使うように指示すると、Gmailで受信したAmazonの買い物履歴のメールを参照し、最近の買い物金額を推測してくれる。ただ、必ずしも全ての買い物履歴を正しく読み取って回答してくれるとは限らないため、あくまでも参考程度にしておいた方が良さそうだ。
拡張機能でできないこと、注意しておきたいこと
Bardのチャットからそれぞれ個別のGoogle アプリに移動することなく、その場で多くの情報を得られるのがメリットだが、今のところはまだ凝った情報収集ができなかったり、情報が正確でなかったりするときもあるので注意が必要だ。
たとえばGoogle マップの拡張機能ではルート検索が可能ではあるものの、複数の移動手段を組み合わせたルートの提示には今のところ対応していない。距離優先や時間優先のルート候補を同時に複数教えてくれるのに、実際に提示されるのは全く同じルートだったりすることもある。
一度の回答で利用されるのは1つの拡張機能のみで、複数の拡張機能をまたいだ回答もできない。そのため、Google マップ、Google フライト、Google ホテルの情報をもとに、移動から宿泊までの一連のガイドを一度に提示することもない。質問や指示を都度繰り返して旅程を組み立てていく必要がある。
拡張機能として用意されていないGoogle カレンダーなどの情報も当然ながら取得できない。にもかかわらず、「カレンダーから今週の予定を教えて」などと質問すると、もっともらしい架空の予定を回答するので注意が必要だ。今後のアップデートで使い勝手がさらに改善していくことに期待したい。