カンドーした電子工作本
『図解 つくる電子回路』(加藤ただし著/講談社刊)。電子工作初心者必読と思われるグレイトな一冊。12あるコラムもおもしろく、多くの入門書等では端折られがちな内容もビシッと解説している。色々な面で「プロってスゲぇッ!!」と思いました。 |
電子回路とかって、なんか一朝一夕じゃぁ全然イキませんな。何冊か本をハシゴして、ようやくヒトツの事象が掴めてくる、ような感じっス、拙者の場合。
てなわけでAmazonで電子回路・電子工作方面の本を買い漁り読みまくり中の俺なんですけど、買って開いた瞬間引き込まれて一気に読んで、カンドーしたりした本がある。講談社・ブルーバックスシリーズの『図解 つくる電子回路』(加藤ただし著)だ。
買ったきっかけは、無安定マルチバイブレーターという回路(だけ)を題材にしているから。この回路、電子回路としては非常に基礎的なものだが、理詰めでわかりやすく誰かに説明するのはちょっと難しい。「無安定マルチバイブレーターだけで1冊行く本なのか、じゃあキッチリ説明しているであろー」とか思って読み始めた。
で、ビックリ。結論から言って、電子回路・電子工作の本が、ぜんぶこの本のように書かれていたら、つまづく人が激減するだろーなー、と感じた。てか、もーね、省きや端折りがなく、具体的な方法や選択について「なぜこうなるか」「なぜこうしたか」がちゃ~んと書いている。「こういうモンなんで、覚えましょう」という逃げがないとでも言おうか。
拙者的にはですね、無安定マルチバイブレーターを題材にしている点が凄い、と結果的に思わされた。前述のように、細部をひとつひとつ理詰めで、しかも初心者にわからせるのが難しい回路だと思うんですよコレ。でも、本書を読むと「あぁ、そういうわけか」と見えてくる。また、そう理解させた上で、回路を作るところまで完璧に解説している。
同時に、回路を作るという一連の作業についても、ヌケもスキマもなく解説している。道具の使い方から各種テクニックまで、ものスゲく細かく。無安定マルチバイブレーターに興味なし、って人でも回路作りのテク伝授本として十分役立てられる内容だ。
読んでて、何度か、ひとりで「すげー」とか声を発しちまいました。あと、本文を読み終えて、後書き(「おわりに」)を読み終える最後のトコロでゾクッとしました。感動の上乗せ的な身震い。
ハッキリと書かれてはいないのだが、どうやら、本書のイラスト、著者が自ら描いたもののようだ。ええっ!? この超わかりやすいイラスト、著者が!? てなモンですよ。
本文+イラスト、どちらも、完璧度が高いと思う。てか、これはマジでオススメ。良書。読むと目が冴えちゃったりする人が多いんではなかろーか。
おまえは本ばっかり読みやがって、アタクシをかまえ!! と言ってるように見えなくもない拙宅猫うか様。 |