スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

Nexus 7が、とりわけヒジョーにかなりイイ

Nexus 7が、とりわけヒジョーにかなりイイ

 2012年の10月7日、Google(ASUS)のNexus 7を購入した。Google発のASUS製Androidタブレットですな。けっこーハイスペックなのに、Google Play価格は1万9800円からという安さでも注目を集めた端末だ。約2カ月間使ってきたので、Nexus 7に対する俺的印象を書いてみたいと思う。

7インチ(1280×800ドット)のディスプレイを搭載したAndroidタブレット。サイズは19.85×12×1.045cm、質量340g。Google Playでの販売価格は1万9800円から

 いや~、7インチタブレットはイイですな、などと、7インチタブレット買う度に言ってる俺なんですけど、Nexus 7はとりわけヒジョーにかなりイイと感じている。結局は、1万9800円(16GB版)という販売価格。これが「とりわけヒジョーにかなりイイ」と感じさせる原動力だと思う。

 ほかにも7インチクラスのタブレットは多々ある。やや古いところではGALAXY Tab SC-01C。それからGALAXY Tab 7.0 Plus SC-02DiPad miniも7インチタブレットですな。

 2機種のGALAXY Tabはドコモと2年契約をしつつ買うので、単純に端末価格を考えられないが、安いとは言いにくい買い物&契約となった。iPad miniは、その実用性を考えると2万8800円(Wi-Fiモデル16GB版)で、わりと安い感じがする。

 そしてNexus 7は1万9800円(16GB版)。使ってみてイマイチでも「まあイチキュッパだから」と言えるのであり、使ってみて良かったりすると「イチキュッパなのに~♪」と喜べる、絶妙な安さだと思う。

 そして、使ってみると予想よりイイんですよNexus 7。手持ちの多くのタブレットと比べても、最高クラスの快適さだと感じられる。こうなってくると、思わず「とりわけヒジョーにかなりイイ」とか感じちゃうのである。

 さておき、以降、Nexus 7を2カ月使ってどう感じたのか、どう良かったのかなどを書いてみたい。なお、発売されてからある程度時間が経っている端末なので、Nexus 7に関する基本的な情報はGoogleASUSの製品紹介ページをご覧いただければと思う。

ついつい携帯、Nexus 7♪

 まず、Nexus 7はそのサイズ感がいい。具体的なサイズは、約幅12×高さ20×厚さ1cm。質量は340g。俺の場合は、ちょうど片手でホールドできるサイズだ。

 ちなみに、「Android vs iOS」の構図でNexus 7の対抗馬と思われるiPad miniのサイズは、約幅13.5×高さ20×厚さ0.7cm。質量は312gとなっている。

 iPad miniについては改めてレポートしたいが、iPad miniには「片手でまあまあホールドできる小ささと、非常にエレガントな薄さ」があって、これまた別の良さを持つ。のだが、片手での持ちやすさについては、Nexus 7のほうが幅が少し狭い分、持ちやすくて実用的だ。

 ともあれ、片手でホールドできるサイズであり、重さも片手である程度長時間持っていられるレベル。立ったまま使っていても苦にならない。体積的にもA5サイズの(薄手の)手帳や本といったイメージなので、気軽に使えるのに加え、軽快に持ち歩ける。

 そしてNexus 7には800×1280ドット表示のディスプレイ(7型ワイドIPS液晶)が搭載されている。PC用ウェブサイトや各種ドキュメントをわりと余裕で表示できる解像度がある。あるいは電子書籍類を美しく表示できたりもする。

Google ChromeでGoogleドライブ上のスプレッドシートを(PC版で)表示しているところ。十二分に実用的な情報量で見られる
「Amazon Kindle」アプリでAmazonより購入した電子書籍を閲覧しているところ。もちろんカラーページも美麗に表示される
「i文庫」アプリで青空文庫コンテンツを読んでいる様子。Nexus 7でこのアプリを開くと非常に高速かつスムーズに動作する

 何年か前に流行ったネットブックの解像度は、1024×600を中心としたもの。まあまあ使えましたな。Nexus 7の解像度は1280×800ドット。そう考えると表示の綺麗さや閲覧の快適さは当然かもしれない。

 さておき、そういう端末が「フツーに持ち歩けて片手で持って使える」のである。こうなってくると、モバイルルータとかテザリング対応スマートフォンと一緒に持ち出して、外でも快適にネットとかしたいじゃないですか!! そしてスルじゃないですか!! 結果、快適じゃないですか!! イイじゃないですか!! みたいな。でもホントはNexus 7にSIM挿せれば最高なんスけどね、的な。

 そんなふうに使った結果、ぶっちゃけた話、iPadのminiじゃないやつ(以降、iPad Lと呼称)は全部、Nexus 7に活躍の場を奪われちゃいました、俺の場合。だってアレ重いんだもん。

 細かいコトを言えば、iPad Lには「超強力で楽し過ぎる音楽アプリ」を始めとする、Android端末にはちょっとナイいろいろな良さはある。のだが、Nexus 7の携帯性の良さと実用性により、「iPad Lは室内で使うもの」てな感じになってしまった。

 さらに細かいコトを言えば、じつはiPad miniとNexus 7は、携帯性はほぼ同等ではある。そして俺は両方の端末を持っている。のだが、現在のところ、外に持ち出すのは専らNexus 7である。なぜならば!! 俺はGoogleマップが超好きだからだッ!!

 ていうかNexus 7などのAndroid端末だと、Googleマップを最高に便利に使えるからっス。ほとんどフル機能のGoogleマップを大活用できるのだ。

 さらに、iPad mini Wi-FiモデルではGPSを利用できない。Nexus 7では利用できる。いやそもそもiOS 6のマップは……てな話は置いといても、Googleマップを活用するための端末として差がありすぎるのであった。

左はNexus 7でGoogleマップを表示している様子。落ち着く表示ですのう。中央はNexus 7で「Android版モバイルGoogleマップの新機能」である「インドアGoogleマップ」機能を使っている様子。建物各階の構内図を見られる機能で、駅や空港やショッピングビルなどのフロアの詳細を見られる。右はiOS 6以降で使える標準「マップ」アプリ

 しかしココでさらに細かいコトを言えば、じつは数日前、iPad mini Wi-Fi + Cellularモデル(au版)を予約した。まだ未入手。LTE回線入りiPad miniはテザリング対応なわけだが、これを入手したらNexus 7の使い方が変わるかもしれない。

 Nexus 7を使わなくなったりするかもしれない。Nexus 7とiPad miniを併用するかもしれない。どうなるかわからない。てな感じで、この記事は年末に揺れ動く俺のモバイル動向の「今」をお伝えしているものなので、以降もあくまでもご参考までに、的な。

ツールとしてイイ感じ

 Nexus 7は速くてプレーンなAndroid端末。NVIDIA Tegra 3(クアッドコア/1.3GHz駆動/クアッドコア稼動時最大1.2GHz)プロセッサや12コアのGPUにより、アプリの動作も画面表示も高速だと感じられる。

 また、標準搭載のアプリも最小限に抑えてあって好印象。具体的には、Androidの標準アプリとGoogleアプリだけ。ASUSのアプリも入っていないようで、そのシンプルさは俺的に非常に嬉しいところ。

初期状態でインストールされているアプリは25個。このページに見えているのが入っているアプリの全てだ。超シンプルっす♪
ウィジェットはこのページを含め、合計4ページ分ある。合計24種類用意されていた。ASUSアプリなどもナイのにはプチ驚いた
使用開始直後、Googleアカウントを設定した後のホーム。ホームは5ページあるが、ウィジェットが置かれているのは2ページ分

 こーゆーふーな簡素さはイイですな。効率良く端末を自分色に染めていけると思うからだ。

 携帯電話キャリアからスマートフォンやタブレットを買ったりすると、不要なアプリがウンザリするほど入っていて、しかも消せなかったりする。まあメーカーやキャリアは「良かれと思ってプリインストールしている」のだとは思う。が、Android端末をコンピュータと捉えて使うユーザーにとっては、アレ、迷惑なよーな気がするんスよね。

 ともあれ、Nexus 7はそういった「余計」が最小限。ユーザーが思い通りにカスタマイズして使っていくツールとして非常に好ましいと感じる。

 あと、Android OS。Nexus 7はAndroid 4.1(Jelly Bean)が世界で最初に搭載された端末だが、その後も頻繁にアップデートされている。こないだ4.2にアップデートされたと思ったら、現在は4.2.1。ともあれ、4.1→4.2へのアップデートで、使い勝手がかなりよくなったと感じる。成熟度が増してる感じ。

現在のNexus 7のAndroidバージョンは4.2.1。バージョン表示に隠されたイースターエッグも少し新しくなっている。ほとんどのAndroid端末は、バージョン常時を連打(数度ポポンと)すると、バージョンによって異なる画像が表示されたりして愉快なのでお試しあれ
バージョン4.2からマルチアカウント対応になった。複数ユーザーで1台のAndroid端末を共用したり、複数アカウントを使ってそれぞれインストールするアプリを変えるなど異なる設定で利用できるようになった。またロック画面にウィジェットを置くことが可能になった
通知領域の表示が便利になった。通常どおり上から下へスワイプすると、従来と同様の通知領域が現れる。また、やや右側を下へスワイプすると、各種設定へのショートカットが現れるようになった。スクリーンセーバーも使えるようになった

 なんか、Android OSって、4.0あたりから急激に使いやすくなってる気がするんですけど。とくに4.1.x(Jelly Bean)を使っちゃうと、後戻りできないという印象になる。どんどん便利になってきて、イイですな。

AndroidでGoogle

 これはNexus 7に限ったことでもないし、当たり前と言えば当たり前なんですけど、やっぱりGoogleの各種サービスを使うならAndroid端末が便利だと感じる。

 たとえばブラウザー。この記事にも書いたが、Google Chromeを使えば、デスクトップPCやノートPC、タブレット端末やスマートフォンなどで動作するGoogle Chromeで、同じブックマークを使うことができる。同じGoogleアカウントでログインしていれば、使用中の端末で開いているページをほかの端末で開くこともできる。

 それからGoogle EarthYouTube。Nexus 7のような比較的に速い端末で使うGoogle Earthは愉快。観光地の遊覧飛行はハマりますな。YouTubeで音声検索を使うと、動画探しの面倒が減って楽しさが増える感じ。これもまたハマるので、時間を意識しないと危険ですらある。

 仕事面でもGoogleのサービスを利用している。連絡先やメールや予定表などのデータを、Googleのクラウドサービスを中心に使っている。以前は細々した問題があったが、Google側で問題が解消されたり、巧くやる方法やソフトウェアを見つけることができたりで、現在はほぼ無問題で利用できている。

各デバイス間でのブックマーク同期などが容易な「Google Chrome」アプリ。iOS版もある
Nexus 7で「Earth」アプリを動かしているところ。超手軽に世界規模の観光地巡りができる
ご存知「YouTube」アプリ。指先で次々と探っていける動画の世界は、やっぱりハマりがち
連絡先やメール、スケジュールのデータはGoogleのクラウド上に置き、各デバイスと同期している

 ほかにも多々あるGoogle謹製Android用アプリ。タブレットで使うGoogleドライブあたりは、かなりキてますな。

 てな感じでGoogle依存している俺なので、Nexus 7は非常に便利だ。サイズ感、携行した感じ、処理速度、そして実用性。高い次元でナイスなバランスが取れているタブレットなので、ぜひ一度実機に触れてみてほしい。……Androidバージョン4.2からマルチアカウント対応になっているので、試しに誰かに使わせてもらう(自分のアカウントでログインさせてもらう)ってのもアリかもしれない。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。