スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

パソコン周りの「使える」掃除グッズ

パソコン周りの「使える」掃除グッズ

 年末ということで、パソコン周りの掃除グッズを特集してみたい。以降で紹介するものは、俺自ら常用しているもので、どれも「ラク」に汚れを落とせたり、ホコリを除去できたりするもの。「そろそろ掃除しなくちゃな」という方のご参考になれば幸いっス。

 まずはハードウェアの「ガワ」などの汚れを除去できるグッズから。住友スリーエム(3M)の「オフィスクリーナー」シリーズがかなりイイと感じている。ウェットティッシュタイプとフォームタイプがあるが、どちらも油っぽい汚れやベタつきやタバコのヤニなどをシッカリ落とせる。

 また、さらに強力なクリーナーの「シャープシューター」も非常にイイ。ただし、こちらは業務用クリーナーなので、使用時に後述のような注意が必要になる。

住友スリーエム(3M)の「オフィスクリーナー」。ウェットティッシュタイプとフォームタイプがある。どちらも油脂汚れやタバコのヤニ汚れなどをよく落とせる
住友スリーエム(3M)の「シャープシューター」。業務用製品でオフィスクリーナーよりもさらに強力に油脂やヤニなどの汚れを落とせる。フォームタイプもある

 まずオフィスクリーナーだが、キーボードやマウスを始めとする各種OA機器全般に使える汎用クリーナーだ。液体を吸い込んじゃうような対象でなく、水をはじくような対象なら、だいたいナンにでも使えると思う。

 特徴的なのは油脂汚れやヤニ汚れが非常によく落ちるという点。キーボードに付いた油っぽい汚れとか、白色系のケーブルに見られる擦れたような黒い汚れなどをズシャッと落とせる。ほかのクリーナーで汚れを落とした対象でも、オフィスクリーナーや後述のシャープシューターで掃除すると、さらに汚れが落ちたりして驚けるほどである。

 オフィスクリーナーには、ウェットティッシュタイプとフォームタイプ(スプレー)があるが、各製品とも効果は同じだと思う。が、使い勝手が大幅に異なる。

 まずウェットティッシュタイプだが、ボトル大ボトル中がある。パッと見、ティッシュの入枚数が違うだけのように見えるが、ティッシュサイズも含有するクリーナーの量(湿り気)も異なる。

 具体的には、ボトル大はティッシュサイズが20×24cmで80枚入り、ボトル中はティッシュサイズが14×20cmで50枚入りとなっている。触った感じは、ボトル大のほうはややシットリした湿り気が感じられるが、ボトル中のほうはあまり湿り気がないという印象。

 なので、たとえば狭い面積を拭うならボトル中が便利。仕事前にマウスやキーボードをちょっと拭くとかいう場合、小さめ&湿り気が少ないウェットティッシュのほうが、拭いた後ですぐに水気が飛んで快適に使えると思うからだ。

 ボトル大のティッシュは、ボトル中のティッシュと比べると少々厚め。それゆえ湿り気も多いのだと思うが、1枚で80×120cmくらいの机面をしっかり拭き取れる。ので、より大きめの対象を掃除するのに向くだろう。

 さらに大きな対象を掃除したいとか、ややしつこい汚れを除去したいという場合はフォームタイプが便利ですな。水気が少ない感じの泡となるので、たとえばドアや棚の一面に吹き付け、じっくり擦りながら掃除していってもクリーナーが垂れにくい。

 なお、オフィスクリーナーシリーズで液晶画面を拭かないほーがいいと思う。巧く拭けば問題ないが、拭き残しやムラが出がち。じつは「オフィスクリーナー画面用」というのもあり、使ってみたが、画面の汚れは確かによく落ちるものの、若干の拭きムラが出がちな感じ。液晶画面の掃除には後述の製品をオススメする。

 さて、普通の汚れならこれらクリーナーを使えば十分キレイに落ちると思うが、ヒドい汚れにはシャープシューターを試してみるといいかもしれない。これは業務用クリーナーで、トリガーボトルタイプの液体クリーナーとスプレー式のフォームタイプがある。どちらもタバコのヤニ、油膜などの油汚れ、頑固な手垢などの強い汚れを分解して除去できる。

 シャープシューターは「マジか!!」ってほど強力に汚れを落とせるクリーナーである。のだが、業務用でありペーハー(PH)が13もある強いアルカリ性の洗剤。取り扱いには少々注意が必要だ。

 具体的には、使う場合は手袋や保護メガネの使用はもちろん、掃除後、洗剤が付いた箇所をしっかり水拭きして拭き取ったり、あるいは中和処理などの必要がある。対象の材質(アルミなど)によっては変色したり腐食したりすることがある。

キーボードを掃除する

 キーボードは頻繁に触れるインターフェースだけあって、その分汚れもたまりがち。PCの前で飲食したり喫煙したりするならなおさらで、一年間掃除をしていなかったりすると、キーの下部に「おぞましいほどの汚れ」がたまっていたりする。

 ので、可能なら、キーボードの分解掃除をオススメしたいところ。具体的にはキーを覆うカバーやキートップを外し、各キーや、キー機構が乗るシャーシ部分などを掃除する。ちなみに、前述のオフィスクリーナーはキーに付着した手垢などもよく落ちる。

愛用中の東プレ「Realforce86U」。工具を使わずにカバーを外せて、付属のキー抜き工具を使えばキートップを外せる。分解した状態で各キーの汚れを落とし、キーボードのシャーシ部を掃除すれば完璧だ

 写真のようにキーボードカバーが容易に外れて、付属工具でキートップも簡単に抜けるなら掃除はラク。だが、そうでないキーボードの場合、ドライバーでネジを回してカバーを外したり、キートップ引抜工具を使ってキートップを抜く必要がある。ので、自己責任でのキーボード掃除になっちゃいますな。

ダイヤテックの「FILCO KeyPuller」。「製造現場で生まれたプロ仕様のキートップ引抜工具」とのこと。ワイヤーをキーの角に引っ掛けて引き上げればキートップを抜ける。ノートパソコンやパンタグラフ式キーボードには使用不可

 写真はダイヤテックの「FILCO KeyPuller」。非常に使いやすいキートップ引抜工具で、キーを引き抜いた直後にワイヤー部がキートップをホールドしてくれたりもする。ほかにもキートップ引抜工具はあるので、適宜そういうのを調達し、キートップを外して掃除するわけですな。

 ただし、ノートパソコンのキーやパンタグラフ式のキーボードは、キートップを抜くのにコツや経験が必要となる。ヘタすると壊しちゃったりする。ので、そういうタイプのキーボードを使っている場合、エアーダスターなどでのキーボード掃除となる。キーを抜かず、キーボードに空気を送り込み、内部のゴミやホコリを吹き出すのだ。

 エアーダスターでの掃除だが、まずコレ、なるべく「人の迷惑にならない屋外」で行うのが重要。キーボード内部には意外なほどホコリやゴミがたまっているので、室内でエアーダスター掃除なんかすると部屋中にホコリやゴミが飛散&悲惨。これさえ気を付ければ、まあ後はキーボードを逆さまにしてゴミなどが出やすくするなど工夫すればいいと思う。

 で~も~。あんまりエアーダスター掃除はオススメしたくないですな。キーボードのカバーを開かずにエアーダスターで掃除なんかすると、結局はキーボードの奥へ奥へとゴミやホコリを押し込んじゃったりする。キーボード裏面は電子基板。そういうエリアへゴミやホコリを追い込むのは……ね。

 さておき、以上のような感じでキーボードの大掃除をした結果得られる印象は、恐らく多くの人において「面倒臭い」「かったるい」というものだと思う。ので、日頃の掃除を超オススメしたい。日頃からまめに掃除しておくと、キーボードって意外なほどキレイなままなのだ。

 具体的には、やや頻繁にキーボードのホコリ落としを行う。それから時々キートップなどの油脂汚れ落としも。これを行えば愛用のキーボードを末永く美しい状態で使えると思う。

 使う掃除道具はイロイロあると思うが、個人的にはサンワサプライの「シリコンブラシ CD-BRS1」シリーズを多用している。同時に、アイリスオーヤマの「サイバークリーン」もよく使う。どちらも「ホコリをよく落とせるグッズ」ですな。

サンワサプライの「シリコンブラシ CD-BRS1」シリーズ。ブラシ部がシリコンなのでホコリがくっつき、ホコリを散らさずに掃除できる。ボタンの多い機器、凸凹の多い機器に使っても便利
アイリスオーヤマの「サイバークリーン」。玩具のスライムのようなホコリ取りグッズ。凸凹の多い対象からホコリやゴミを容易に除去できる

 このシリコンブラシは、調理用シリコンブラシのパソコン版!? みたいな感じだが、ホコリをブラシにくっつけつつ除去できるグッズですな。キーボードのような凹凸が多い部分の掃除によく向く。カメラのホコリ取りにも便利であり、じつはブツ撮り時に被写体からホコリを除去するのにも使える。ブラシが汚れたら水洗いしてまた使える。

 サイバークリーンは硬めのジェル状ホコリ落とし。キーボードにギュッと押しつけると、キートップやその下部まで回り込み、除去しにくいホコリやゴミをジェルに吸着して掃除するというものだ。キーボードのホコリ落としに便利なほか、上記のシリコンブラシからのホコリ除去にも使える。

 ただしこのサイバークリーン、ラバーの部分にはジェルの一部がくっついちゃうので、たとえばラバーの滑り止めがあるツマミなんかには使わないほうがいい。そういう箇所はシリコンブラシで掃除して、シリコンブラシをサイバークリーンで掃除、みたいな併用がいいかもしれない。

画面の汚れを除去する

 お次は液晶画面などの掃除グッズ。モノとしては、東レインターナショナルの「クリーニングキットforスマートフォン」と、キングジムの「iコロコロ(iCOLOCOLO)」

左から、東レインターナショナルの「クリーニングキットforスマートフォン」、そのパッケージ裏面の説明書き、キングジムの「iコロコロ」

 まずクリーニングキットforスマートフォンだが、汚れ拭き取り効果の高いトレシーと専用のクリーニング液のセット商品。スマートフォン向けだが、ガラスやプラスチック製品、液晶画面など幅広く使える。

 このクリーニングキットforスマートフォンを使っていてちょっと驚いたのが、デスクトップPCなどで使うノングレア液晶画面(反射防止加工をした液晶画面)を非常にキレイに拭き上げられること。結論から言えば、液晶画面掃除時の拭き残しや拭きムラを最小限に抑えられ、ラクに液晶画面掃除を済ませられる。

 液晶画面掃除グッズは数多く出ているが、俺的経験では多くの製品で「拭きムラ」が出がち。画面表示中は見えなくなったりするムラだが、黒い表示になるとムラが見えて、なーんか鬱憤がたまる。細かいコトではあるが、そういう鬱憤に同意される方には、このクリーニングキットforスマートフォンが超オススメ。コレを超える製品はまだ発見していない。

 それから、iコロコロ。タブレット端末用の「画面の指紋除去グッズ」ですな。結論から言えば、光沢タイプの画面から指紋を主とする汚れを除去することに関しては超手軽であり、またその効果も大きい。床で使うコロコロと同様に、画面をコロコロするだけ。指紋などの汚れを一発で除去できる。

 非常に便利なのでオススメしたいiコロコロだが、粘着力が強いので、液晶保護フィルムを貼った端末には使えない。フィルムが剥がれちゃうんですな。また、メーカーとしては「タブレット専用タッチパネルクリーナー」としている。スマートフォンに使うと、その強い粘着力により、機種によってはボタンやシルク印刷を剥がしてしまうからかもしれない。

 以上、俺的にはどれもかなりオススメのグッズなので、「これ良さそう」と思ったら一度試してみてほしい。そして気分良く新年を迎えていただければ、と思う。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。