スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

iPhone用MagSafeグリップ、ShiftCam「SnapGrip」がスゲくイイ!!!

MagSafeで一発装着グリップで、片手撮影が楽勝に!

 近年のスマートフォンのカメラ機能は非常に高性能で、仕事に使えるレベル。なので多用しているが、俺的には一点、どうにも慣れられない使いにくさがある。それは片手での撮影がヒッジョーにやりにくいということだ。

 スマートフォンで片手撮影しようとすると、まずホールド性において安定性に欠ける。また、けっこうガッチリ握らないと落としそうになるので、枚数を多く撮ると手がプルプルしがちで写真がブレがち。

 まあ片手でも上手に撮影しちゃう人は少なくないが、俺の場合は結局両手で持って撮影しがちである。そしてレンズ側の手の指が写真に写り込みがちでもある。

 そこでよく使うのが、スマートフォン用のグリップだ。スマートフォンに“握り”を追加して撮影しやすくするグッズ。装着するとデジタルカメラ専用機的な高いホールド性が得られる。

スマートフォン用の撮影グリップ各種。どれもスマートフォンを挟んで固定し、グリップ部分だけ持って撮影できるようにするアクセサリーだ。シャッターボタンはBluetoothにより無線でシャッターを切れる。
Adonit(アドニット)の「PhotoGrip」という製品。グリップとしては使いやすいが、シャッターボタンに遅延が少々あるような……。
bitplayの「SNAP! Grip」という製品。コンパクトで携帯性に優れる。

 こういうグリップをあれこれ持ってる俺。お気に入りは↑のbitplay「SNAP! Grip」だ。コンパクトに携帯できるから。

 だが、こういったグリップを使っていて、ふと思った。これらのように“スマートフォンを挟むタイプ”じゃなくて“MagSafeで吸着するタイプ”ってナイの? と。最近MagSafe慣れが著しくて、スマートフォンホルダー同様に「端末を挟む動作が面倒」と感じるようになったのだ。

 そして探したら即発見。ShiftCamの「SnapGrip」だが、その機能性を調べてみたら、いきなり俺のハートに突き刺さりつつ心臓内側から鷲掴まれた。

ShiftCamの「SnapGrip」。ShiftCam Japan直販価格は1万2800円。

 一見よくあるスマートフォン用グリップだが、iPhoneなどスマートフォンとはMagSafeで合体するタイプ。しかもMagSafeモバイルバッテリー機能を備えていてスマートフォンに充電可能。いきなり完成形みたいなのと遭遇したゼ!

 これは欲しいッ!!! 欲しすぎる!!! こんなに欲しくてインカ帝……とか言い終えないうちに気絶して気づいたら、ShiftCam「SnapGripオールインワンキット」が俺の机上に置かれていた。ShiftCam直販価格は2万3800円。

MagSafe対応モバイルバッテリー内蔵グリップの「SnapGrip」、MagSafe対応撮影用LEDライトの「SnapLight」、MagSafe対応セルフィースティック&三脚の「SnapPod」がセットになった製品。このセットには専用キャリングケースが付属している。

 あーっ! SnapGrip単体でもShiftCam Japan直販価格1万2800円と高価なのに! 気絶中に出現した第2の俺め、ヨドバシドットコムだと10%還元がありつつ俺のヨドバシドットコム・アカウントにポイントがたまっていたことを知り、カワイイ専用キャリングケース目当てにオールワンインキット買いやがったな!!! てンめぇ〜……でもケースはイイ感じなので大いに許す。

 てな感じで買ったShiftCam「SnapGripオールインワンキット」だが、グリップ部分のSnapGripがとりわけサイコーによかった。グリップとして使いやすく、MagSafeによる端末への着脱も容易。端末を挟むタイプのグリップにはもう戻れないゼ〜とか痛感したので、以下にガッツリとレビューしてゆきたいッ!!!

ShiftCamのSnapGripはすっごく秀逸♪

 まずスマートフォン用グリップのShiftCam「SnapGrip」。単体でのShiftCam Japan直販価格は1万2800円。

 スマートフォン用グリップとしてはお高く見えるが……。だが、MagSafeをこよなく愛しつつiPhone 14 Pro Maxを使いつつも、前出のクリップ式グリップも愛用している俺にとって、俺的スマートフォングリップ史を塗り替えまくるくらい利便性が高い逸品となった。

 良さは4つある。いや、4つ+αかもしれない。いやいや、4つ+2αかもしれないが、ともあれ、写真を中心にご紹介してゆく。

 良さその(1)。端末への着脱が超容易なこと。MagSafe対応端末なら磁力で一発着脱。磁力も強く、不意に落ちるようなことはまずないと思う(ただ力の加え方によっては不意に外れる可能性はある)。また、MagSafe非対応端末であっても付属の金属円盤を貼ればマグネットでのワンタッチ着脱が可能だ。

SnapGripはMagSafe対応。MagSafe対応のiPhoneと組み合わせて使える。MagSafe非対応端末でも、付属の金属円盤を貼ればSnapGripをマグネット吸着して使える。なお、Qi対応端末に付属金属円盤を貼ってQi充電できるかどうか試したが、フツーに充電できた。
iPhoneとMagSafeで一発着脱! クリップ式のグリップだと、着脱ともに3秒(慣れている場合)から5秒以上(慣れていない場合)かかるのに加え、「この硬ぇクリップ広げるのいちいち面倒だゼ!」ってのがあるが、SnapGripだと着脱どちらも1秒って感じであって苦労ゼロの痛快なワンタッチ着脱が可能になる。

 良さその(2)。撮影時の操作感がナイスである。SnapGripはスマートフォン用グリップとして十分使いやすい。グリップ部は十分大きいし、滑りにくさも上々。シャッターも押しやすい位置にある。

 その着脱の容易さと握りやすさだけで「使いやすいグリップだなー」と思えるのだが、それ以上の独特の利便がある。具体的には縦位置での撮影へもすぐ移行できるということ。マグネットで端末に吸着しているだけなので、端末を90°回せば縦位置のグリップ撮影(片手撮影)をすぐ行える。それが良さその(3)だ。

SnapGripと端末はMagSafeのマグネットで吸着しているだけなので、横位置撮影から縦位置撮影へとすぐ移行できる。90°じゃなく微妙に斜めの設定も自由にできるので、斜めな写真が好きな人にも。
大きめ広めのグリップにより安定的にホールドできる。シャッターはBluetooth式。ひと押しで静止画撮影、長押しで動画撮影ができる(iOS/Androidの標準カメラアプリの撮影機能をSnapGripからでも使える)。
縦位置でも端末を安定的にホールドして撮影できる。しかもワンアクションで縦位置に移行できる。クリップ式のグリップでこういう使い方ができる製品は見たことがない(リグと呼ばれるグリップにはあるかも)。

 良さその(4)として、SnapGripはMagSafe対応モバイルバッテリーとしても機能すること。MagSafe対応iPhoneに充電でき、MagSafe対応化リングを貼り付けたQi充電対応Android端末などにも充電できる。ちなみにSnapGrip上のモバイルバッテリー用ボタンの操作で、端末に充電することも、あえて充電しないこともできる。

SnapGripは容量3200mAh(電圧3.7V)のMagSafeモバイルバッテリーとしても機能する。容量は大きくなく、出力も5Wと低いが、撮影による端末電池容量低下を補うくらいならイケる感じ。ケーブル接続の充電には対応していない。
SnapGripのシャッターボタン近くに小さなボタンがあるが、これがモバイルバッテリー用ボタン。ひと押しでモバイルバッテリーを機能させ、2度押しでモバイルバッテリーの機能をオフにできる。

 あとこのグリップはスマートフォンスタンドとしても機能する。これが+αの利便だ。どう使えるのか、手っ取り早く写真で。

こんなふうに縦位置で端末を自立させることができる。
横位置での自立も可能。なんかアクロバティック! やや不安定になるので、この状態での画面操作は慎重にならざるを得ない。
SnapGrip自体の角度を微妙に調節できるので、こんなパターンで横位置で自立させることもできる。端末によってはSnapGrip自体をけっこう傾ける必要があるが。

 なんかもう抜け目のないスマートフォン撮影グリップって感じだ。抜け目のなさとしては、端末側でカメラアプリが起動していない状態で、グリップシャッターボタンを押したときの挙動もそうだ。これが2つめの+αかも。

 具体的には、ホーム画面表示とかでSnapGripのシャッターボタンを何度も押すと、ボリュームUP/DOWNが繰り返され、端末のボリューム設定がほとんど変わらない。雑なBluetoothカメラリモコンの場合、同じことをするとボリュームUPが繰り返されたりして「知らない間に端末のボリューム設定が最大に」みたいなことがあり使いにくいのだ。

 逆に、SnapGripをグリップの単体製品として見た場合に残念なのは、三脚ネジ穴がないということ。SnapGrip単体ではグリップごと三脚に装着することはできない……のだが、SnapGripの場合は後出の「SnapPod」と合体させれば三脚に装着可能。メーカー的にはそのSnapPodを売るべく、あえてSnapGripに三脚ネジ穴を設定しなかったのかもしれない。

ありそうで意外にナイ、MagSafe対応の撮影用LEDライト

 続いてMagSafe対応撮影用LEDライトのShiftCam「SnapLight」「SnapLight」。単体でのShiftCam Japan直販価格は6980円。えー? MagSafeでくっつくだけのLEDライトが7000円近くすんのー? とか思うじゃないスか。でも現在において、このLEDライトはけっこーオリジナリティーが高い。

ShiftCam「SnapLight」はMagSafe対応の充電式LEDリングライト。直径約56mmで、厚みは約13mm。
MagSafe対応端末にマグネット吸着し、アウトカメラ側を照らせる。明るさは4段階で調節可能。
こんなふうに立てることにより、インカメラでセルフィーを撮るときの補助光としても使える。

 まあ、MagSafe対応LEDリングライトなら、そういう機能性になるんじゃない? って感じではあるのだが、意外なほどこのような機能性を持つMagSafe対応LEDライトって(まだ)市場にはナイのだ。そもそもMagSafe対応LEDライトというカテゴリーがまだブルーオーシャンな雰囲気である。まあ狭めの海洋だが。ともあれそんな状況下において、SnapLightは完成度が高い。

 実用性としては、アウトカメラでの使用時はスマートフォンによる影を緩和したり、マクロ撮影時に対象を明るく照らしたり。インカメラなら、セルフィー撮影時に顔を照らしつつ瞳にハイライトを入れたり。

 LEDリングライトとしてはわりと普通な感じの実用性だが、前出のSnapGripと合体させてSnapGripをグリップとして撮影しつつ、SnapLightで照らして撮影することができる。また、SnapGripとSnapLightをコンパクトに携帯できるというのも魅力的だ。

SnapGripにSnapLightをマグネット吸着し、グリップ撮影時の照明として使える。
もちろんグリップを使いつつの自撮り用照明にも使える。
スマートフォン用グリップとスマートフォン用LEDリングライトをマグネットで合体させ、コンパクトに持ち歩ける。

 ちなみに、iPhone 14 Pro MaxにSnapGripを吸着し、そのうえにさらにSnapLightを吸着した状態で超広角撮影をすると、SnapLightの端が少し写り込んでしまう。Pixel 7 Proで同じことをすると、さらに大きく写り込んでしまう。まあ、超広角撮影時のみ、SnapLightを外せばいいだけなんスけどね。

 なお、肉眼ではLEDリングライトが写真のようには均等に光っていないように見える。8個のLEDが内蔵されているが、その8個を数えられる程度、光は各LED前面に集中しているように見える。

肉眼ではLEDリングライトのリングが均等に光っていないように見える。

 ただ、これを光源としてスマートフォンで撮影しても、被写体にはだいたい均等に光が当たる。ので、LEDリングライトとして問題なく使えるというのが率直な印象だ。

MagSafe対応台座部はいいけど、三脚は……って感じの「SnapPod」

 続いて、MagSafe対応セルフィースティック&三脚のShiftCam「SnapPod」。単体でのShiftCam Japan直販価格は6980円。それぞれ写真で見てみよう。

MagSafe対応セルフィースティック&三脚のShiftCam「SnapPod」。上部の丸いところがMagSafe対応台座で、そこにスマートフォンを吸着できる。
三脚部分を畳めばグリップとなってセルフィースティックとして使えるというわけだ。
三脚とMagSafe台座部分は分離できる。台座部分は一般的なカメラ雲台のネジ(1/4インチ・1/4-20UNC)に固定可能。

 コレって、想定としては「スマートフォンを一時的に自立させておいて、グリップであるSnapGripのBluetoothリモコンを使ってリモート撮影」ってコトをするためのキット的存在なんでしょうね。でも汎用の三脚として捉えると……。

 まず、脚の雲台部分の可動域および脚の開きが狭い。かなり狭い。カメラなどを上部に装着して自立させるだけなら可能だが、カメラの前後左右傾きの幅には大きな制限がある。ので、三脚部だけを普通の三脚として汎用するのは現実的でない。

 同様に、MagSafe台座を三脚上に装着してスマートフォンを固定しても、スマートフォンの前後左右傾きの幅には大きな制限がある。MagSafe対応三脚としてもかなりビミョーな感じだ。

 結局、三脚としてはカメラを自立させる程度にしか使えず、MagSafe台座を装着してもMagSafe対応スマートフォンを自立させておく程度にしか使えない。この機能性で直販価格は6980円はやはり割高感アリかな〜、と。

 三脚の足を畳めばMagSafe対応セルフィースティックとして使える。その場合の使い勝手は悪くないものの……やはりコストパフォーマンス的にかなりビミョーだと感じる。

 ただ、MagSafe台座パーツは汎用性がある。三脚ネジ穴(1/4インチ・1/4-20UNC対応)があるので、ほかの三脚などに装着し放題。いろいろな三脚に対してスマートフォンをMagSafe吸着させるグッズとしてシンプルで使いやすい。

ケースはステキ、グリップはPixel 7 Pro用に追加購入したゼ!!!

 最後にShiftCam「SnapGripオールインワンキット」にだけ付属している専用キャリングケース。第2の俺は「ただのオマケ的なテキトーな入れ物とかだったらヤかも〜」と思いつつポチッと買ったそうだが、けっこーイイ感じのケースであり、第2の俺は「ホッとした」そうだ。

オールインワンキットに付属するケースは、キットの色と合わせたカラーになっている。セミハードケースで、安っぽい感じではない。
内部の縫製もフツーにキレイで、ファスナーの開閉もスムーズだ。
このケースにはグリップのSnapGripと、LEDリングライトのSnapLightが収まる。
SnapGripとSnapLightをMagSafeで吸着して収められる。

 なかなか実用的でありつつ、可愛らしく、満足感アリな専用セミハードケースなのであった。良い。

 さておき、最初に出てきた撮影用グリップのSnapGrip、これが非常に手軽に使えて実用的。iPhone 14 Pro Maxで1週間ほど使ったら手放せない存在となった。iPhone 14 Pro Maxのカメラとしての使い勝手がスゲく高まったからだ。

 ところで、iPhone 14 Pro Max自体をササッと撮影する場合、これまではPixel 7 Proを使うことが少なくなかった。Pixel 7 Proのカメラ機能もまた、仕事に使える性能があるからだ。

 だがPixel 7 Proの使い勝手はこれまでのスマートフォンのカメラ機能然としていて、片手撮影はやりにくい。左手でiPhoneを持っている様子を右手のPixelで片手撮りするとかって、けっこータイヘンである。

 じゃあここはPixel 7 Pro用にもSnapGripを導入して片手撮りをラクにするしか! ってコトで2台目のSnapGripを購入し、Pixel 7 Pro用として使っている。Pixel 7 ProはMagSafe対応ケースに入れていて、各種MagSafeアクセサリーをマグネット吸着できるようにしてある。

Pixel 7 ProはMagSafe対応ケースに入れている。MagSafe対応グリップのSnapGripも、もちろんマグネット吸着する。
Pixel 7 ProとSnapGripを合体。Bluetoothペアリングしたら問題なくSnapGripをBluetoothカメラシャッター付きグリップとして使えた。Pixel 7 Proへの充電もできている。

 俺の手持ちスマートフォン2台は、どちらもMagSafe対応グリップで超快適に片手撮影できるようになった! しかも撮影中に充電も可能! あーよかった。快適。

 てな感じのShiftCam「SnapGripオールインワンキット」。抜群にイイのはキットに含まれているSnapGripなので、ケースが欲しい云々みたいなアレがないなら、SnapGrip単体で買うのがオススメとか身も蓋もないコトを書いたりする俺だが、SnapGripはマジでMagSafe派の撮影を快適にする秀逸なグリップである。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。