スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

モバイラー俺氏、イージーラッパーに助けられまくりの巻

ペタリとくっつく厚手風呂敷が超絶ツカエる!!!

ジャパンホビーツール「イージーラッパー」。対象を包むだけでピッタリとくっついてまとまる独自のクロスだ

 2020年の秋から使い始めた途端、その利便に衝撃を受け、大いにハマった品がある。 ジャパンホビーツールの「イージーラッパー」だ。イージーラッパーは全体が面ファスナーになっている厚手の風呂敷という感じの布。ハードウェアなどを包んでまとめて少し保護するためのクロスである。ご存知の方も多いと思うが、どう使えるのか、とりあえず写真と説明文で見てみよう。

イージーラッパーはサラリとした肌触りの柔らかい化繊クロスで、厚みは2mm程度。これで対象を包めば解けず、傷つきなどから保護できる
風呂敷のような感覚で対象を包む。クロスの表側と裏側にそれぞれ極細繊維のフックとループがある。イージーラッパーの表と裏は独自の面ファスナーによりくっつくのだ
包み終えた状態。クロスの表と裏がくっつくいており、この状態で解けることはまずない。結ばずに対象を包んでしまえる便利な風呂敷、というイメージだ
面ファスナーの吸着力は十二分に強く、写真のような状態にしても(オススメはできないが)クロスが解けて包んだモノが落下することはまずない、と思われる

 こんな感じで、自己吸着する風呂敷という感覚で使える。対象を包むとまず解けない程度、面ファスナーとして強い吸着力を発揮する。しかし、吸着した面ファスナーを剥がしてクロスを解くときの感触は「標準的な粘着力の付箋紙を剥がすような軽さ」だ。対象をただ包むだけでクロスがしっかりくっついてまとまり、それを解くときに力は要らない。面ファスナーにアリガチな「(支払いは任せろ〜)バリバリッ」的なサウンドもほぼなく、剥がす音をよ〜く聞いても紙に貼った付箋紙を剥がすときの「ペリリ〜」程度の音しかしない。

 イージーラッパーのしくみや特性は公式ページで説明されている。主に発売されているサイズやカラーは以下のとおりだが、多数の特注品(コラボ商品やカメラメーカーへのOEM品)も市場に存在する。

 なお、ジャパンホビーツール<カメラ用品館>でのイージーラッパー税込価格は、無地各種だとSサイズが1848円、Mサイズが2640円、Lサイズが3520円、XLサイズが6820円。柄物や特殊形状はこの価格とは異なる。

 で、このヒッジョーに手軽に包めるクロスが、俺的ケース事情を一変させた。イージーラッパーが存在しているのは知っていたが、既に各種ケースやクロスを使っていたので手を出していなかった。しかし遅まきながらイージーラッパーを使った俺は「ぐぬぅーッもっと早くイージーラッパー使ってればーッ!!!」と大後悔したのであった。てなわけで以降、俺環境におけるイージーラッパーお役立ち現状を大紹介してゆきたいッ!!!

スマートフォンやタブレットを包んで保護

 普通に出かけるときは、スマートフォンはバッグのポケットに入れている。これで十分保護になって傷つかないし汚れもしない。だが自転車やモーターサイクルに乗るときは、普段とは違う“持ち物を一緒くたに入れるバッグ”にスマートフォンも入れる。ので、傷つき防止のために保護ポーチのようなケースにスマートフォンを入れていたが、これがけっこう嵩張る。

 そこで試しにイージーラッパーにスマートフォンを入れてみたらイイ感じ。現在はこのスタイルでスマートフォンを携行することがかなり増えた。

ケースに入ったiPhone 12 Pro MaxをイージーラッパーSサイズで包む
包み終えたときにiPhoneを取り出しやすいよう計画的に包む
包み終えた状態。折り重なった部分は少し嵩張るが、それでもけっこうコンパクトに包めた
上部をペリッとめくるとiPhoneを取り出せる。それ以前に使っていたファスナー式ポーチより手早くiPhoneを取り出せるし、画面へファスナーなどが当たることもなくソフトに包んでくれる。それに十分な端末保護ともなっている。……なにコレぇ〜スゲくイイ〜!!!

 と、iPhoneをイージーラッパーに包んでその実用性に味をしめ、iPadも〜QUADERNOも〜Switchも〜と、各種端末はイージーラッパーで包んで携帯することが急増したのであった。いくつかの専用ケースは「これたぶんもう使わないな、イージーラッパーがあるし」と処分した。

 モバイル方面だとイージーラッパーのSサイズとMサイズが役立つ感じだ。ほかにもイロイロ、イージーラッパーで包んだ端末類を、写真と説明文にてお目にかけたい。

イージーラッパーSサイズでiPad miniを包む
ホームボタンに親指を置いて引き出せるようにすると、非常にスムーズにiPad miniを利用できる
iPad mini+保護ケース+スマートカバーのほうが保護性能が高くて嵩張り方も少ない。でもイージーラッパーで包むスタイルだと裸のiPad miniを携行時には保護できつつ、使用時には最も薄く軽い状態で使えつつ、机上のイージーラッパー上に裸iPad miniをポンと置けたりもする。というわけで利用場所に応じて、イージーラッパーか保護ケースの類かを使い分けている
イージーラッパーMサイズで富士通「QUADERNO Gen.2」のA5サイズを包む
縦向きに取り出すのでも横向きに取り出すのでも、好きな方向に。専用デジタルペンをクロスの間に入れると、ちょっと変わったペンホルダーとして使える
も〜なんかタブレット携帯のためのケース、全部イージーラッパーで済むんじゃね? 的な汎用性だ。端末を買い替えたらケースも買い替え、とかなくなるし。非常にサスティナブルなケースとして使えるクロスと言えよう
イージーラッパーSサイズでNintendo Switchを包む
横から引き出すスタイルにすると画面に触れずにスムーズに出し入れできる
Nintendo SwitchだとイージーラッパーSサイズでギリギリ包めるって感じではあるが、まあ画面保護ができればいいので、ギリギリでもいいかな、的な

 こんな感じで非常に幅広く汎用的に使えるイージーラッパー。クロスとしての値段は高いんスけど、その役立ち度からくる“もう元が取れた感”はかなり凄い。イージーラッパーの面ファスナーの耐久性は3万回だそうで、また、汚れても洗えるので(中性洗剤を使った手洗いで陰干しのみ)かなり長く使い続けられると思う。

カメラを始め“傷つきと傷つけ”をぜ〜んぶ防止

 イージーラッパーを初めて使ったのは、2020年10月にキヤノン「EOS R5」を使い始めた頃。お高いミラーレスカメラなので、やっぱり「傷つけたくナーイ!!!」と思ったから。

 そこでEOS R5を手持ちの汎用ケースに入れたら、これなら傷つかないという状態に。でもかなり嵩張る。ならば、と、手持ちの薄手ネオプレンクロスでEOS R5を包んだら、これなら嵩張りを抑えられるし保護性能も十分あった。しかし包んでリング状のゴムで止めるなど、一手間感があり、手軽さにおいては汎用ケースのほうがいい。

 ほかになんかないの? ということで試しに手を出したのが、俺史上初となるイージーラッパーであった。その使用感は「そうそうコレこれ!!! こういうのが俺にジャストマッチ!!!」というもの。衝撃を受けた。

 なお、俺の場合、よほどのことがない限り、カメラやレンズはトートバッグかバックパックにまとめて入れて携行している。クルマでの移動時はトートバッグなどを助手席に。2本以上のレンズはまず持ち歩かないので、この携行方法で十分って感じ。カメラやレンズの傷つき対策はしているが、振動や衝撃による機材破損の対策はしていない。

イージーラッパーMサイズでEOS R5(RF24-105mm F4 L IS USM付き)を包む
イージーラッパーは若干の伸縮性があるので、それを利用してぐいぐい包む
包み終えた状態。EOS R5とフード装着状態のRF24-105mm F4 L IS USMだと、イージーラッパーMサイズでギリギリ包める感じ。ジャストサイズって感じでもある。この上のLサイズなら余裕をもって包めて、クロスの余り分がより高い保護性能を発揮すると思う。が、俺的目的は傷つき防止なのでMサイズを常用している

 交換レンズの携行もイージーラッパーでかなりラクになった。これまでは専用ケースや汎用ケースを使っていたが、どれもレンズ保護性能重視で、けっこう嵩張るケースなのであった。俺的にはレンズと各種機材がぶつかるなどして双方が傷つかなければいい程度なので、そこまでの保護性能は……みたいな。

イージーラッパーMサイズでEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM+マウントアダプター EF-EOS Rを包む
グレーの面を内側にしているが、色付きの面を内側にしても包める。イージーラッパーは表と裏が独自面ファスナーで吸着するクロスだ
包み終えた状態。EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM専用ケースと比べると嵩張り方がかなり少ない。傷つき防止効果も十分

 場合によってカメラ以外の機材もイージーラッパーで包んで携行している。予備のカメラ、工具類、ストロボやそのアクセサリー一式など。こういう機材をそれぞれハダカでバッグに入れて携行すると、お互いにぶつかって傷つけ合ってしまう。イージーラッパーでちょっと包んでやれば、そういう傷つきも防げる。

 傷つき防止ケース的に使うと便利なイージーラッパーだが、ほかのケース類との非常に大きな違いは「機材使用時に空ケースの嵩張りが気にならない」ということが大きい。イージーラッパーは布なので小さく折り畳める。ほとんど邪魔にならない。素晴らしい。

 また、細々したモノを「とりあえずひとまとめにする」という使い方もできる。対象を包んでしまえば、そのままの状態で解けてこないイージーラッパー。布袋のような使い方ができるので、複数の小物をひとまとめにするのも得意というわけだ。

難点は値段? ゴミの付着も多い〜

 イージーラッパーを使っていて感じるのは、その類稀なる汎用性。な〜んでも包める。そして傷つき防止程度の保護ができる。……いや、率直なところ、けっこーな衝撃防止にもなっているとは思うが、まあイージーラッパーで包んだスマートフォンやカメラを落としたら、壊れる可能性も高いと思うので、ココでは「傷つき防止程度」という表現にとどめておく。

 ともあれヒッジョーに幅広く活用できるイージーラッパーなので、俺の場合はことある毎に買い増している。しかし買い増し毎に思うのは「やっぱり高い」ということ。「クロスとしての値段は高いが、その役立ち度からくる“元が取れた感”はかなり凄い」と前述したが、1枚2000円くらいからなので、「このサイズとこの色と……」と好きなだけカートに入れていくとすぐ万単位に。イージーラッパー買い増し時にはいつも「そこまで必要じゃないイージーラッパーをカートから削除」という作業が伴いがちなので、「イージーラッパーって相変わらず高いよネ」という印象が強いのかもしれない。

 あと、イージーラッパーは細かなゴミが付着しまくる。髪の毛から糸くずから小さな破片などが、知らない間に多数付着している。気にせず使ってもいいのだが、気になるのでゴミ除去をしている。梱包テープやコロコロでゴミを吸着除去したり、つまんで取ったりすればいいだけだが、ゴミが付着しやすいのもイージーラッパーの小さな難点かもしれない。ただ、それ以外の汚れは付きにくいようで、使っているうちに薄汚れてくるような感じはあまりない。

 まあでも、価格については「使うほどに役立つ」ので納得できることが多い。また、ゴミ付着も些細な問題だ。たぶん「長く使えていつも役立つイージーラッパー」だと思うので、非常に完成度・実用性・汎用性が高い「自己融着多目的風呂敷」だと言えよう。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。